グライドライドの悪い所
(当たり前だが)履くだけでは速く走れない
グライドライドはただ履くだけで速く走れるようにならないシューズだ。
今までより速いペースで巡行できるようになるためにはしっかりと練習する必要があるし、グライドライドはヴェイパーフライのように能力の最大値を引き上げてくれる魔法のシューズではないという点に注意してもらいたい。
こんなことは当たり前の話なのだが、私も含め、厚底シューズにスピードアップの夢を託す人が多いのもまた事実。
グライドライドで改善されるのは走行効率であるから、スピードアップを図るには愚直な練習が求められる。
とはいえ、”走行効率が改善された事でマラソン後半での失速が抑えられ、その結果としてタイムが上がる”というケースは十分に考えられる。
だから、”今の能力のままでもいいからビルドダウンを避けてイーブンペースのまま走り切ることで自己ベストを更新したい”という方にグライドライドはピッタリなシューズだと言えるだろう。
また、このシューズで失速を防いでベストを更新したとしても、引き続きベストを更新していくには自分の能力を引き上げ続ける必要がある。
従って、グライドライドを選ぶ・選ばないにせよ、地道に走って練習せざるを得ないのは変わらないのである。(楽をして走力を付けようなんて甘い目論見である)
独特の走行感は慣れるまで時間がかかるかも
グライドライドの前足部は大きく反り上がっている。
私の26cmのグライドライドの場合、定規で測ってみると5cm以上反り上がっていた。
ウエーブライダーやアディゼロジャパンでもせいぜい2~3cmしか反っていないから、他のシューズを履き慣れている人からすると非常に大きな違和感があるはずだ。
私も最初は(気持ち悪いなぁ)と思いながら走っていて、累計5時間半ほど走ることで少し走り方が分かった気がする。
グライドライドは、着地して前に体重をかけた瞬間グワンっとすごい勢いで前方へ転がっていく。
この走行感に慣れるまで、かなり長い時間が必要となるかもしれない。
30分程度ちょこちょこ走る分には特に気にならないかもしれないが、一度に2時間や3時間走るシリアスランナーにとってシューズはパフォーマンスを左右する重要な要素である。
だから、
- 楽に長く走れるシューズを探している
- もし合わなくても短時間のジョグシューにするから問題ないぜ👍
こういうスタンスの方になら私はグライドライドを100%オススメできる。
グライドライドばかり履いていたら長期的には脚力が落ちるはず
最後に、グライドライドのクッション性があまりに良すぎるため、こいつばかり履いて走っていると脚力が落ち、いずれ他のシューズで走れなくなってしまうリスクが考えられる。
健康のためのジョギングしかしない方ならば何の問題もないのだが、自己ベスト更新を真剣に志して鍛錬を重ねている方にとって脚力低下は命取りとなりかねない。
グライドライドは良いシューズなのでランナーの背中を力強くしてくれるが、もっと効果的に味方とするには薄いシューズや硬いシューズなどと履き分けることが大切になる。
私の場合、
- ウエーブライダー(硬め):ジョグ、ロングジョグ用
- グライドライド(柔め):ジョグ用
- アディゼロジャパン4、ジャパン5(薄くて硬め):Mペースより速く走る時用
このように使い分けて、それぞれのシューズの良さを引き出そうとしている。
まとめ
以上がグライドライドの良い所と悪い所である。
まとめると、
【良い所】
- クッション性が抜群
- 土踏まず周りのフィット感が良い
- ふくらはぎの負担が非常に小さい
- Mペース付近でも十分使える
- 耐久性が良い
【悪い所】
- 履くだけでは速く走れるようにはならない
- 独特の走行感に慣れるまで時間がかかる可能性あり
- 頼りすぎると長期的には脚力が低下する
このような形となった。
2021年2月下旬にグライドライド2が発売され、旧グライドライドが随分とお安くなっている。
私はグライドライドがとても気に入ったので、今の値段で買えるうちにもう一足ストックしておくことを検討している。
最新作を試したい気持ちもあるが、ジョグシューズに17,600円も使えない…
バージョンアップによって私に合わないシューズとなった可能性も無くはないから、もしジョグシューズをストックするなら旧グライドライドかなぁと考えている所だ。
以上です。
記事読ませて頂きました。面白いし、分かり易い。
エボライド、メタレーサーの記事も良かったです。アシックスユーザーとしては有難い内容で、他の記事も楽しく読ませて頂きます。