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【悲喜こもごものサブスリー】マラソンで3時間切りを達成して得たものと失ったもの

私は自己ベスト2時間59分のサブスリーランナーである。

この記事では、サブスリーして得たものと失ったものを紹介していく。

ネット上にはサブスリーを達成するための練習方法が増えつつあるが、サブスリーをして自分がどう変わったかを書いた記事は非常に少ないように思われる。

人生はサブスリーをして「はい、おしまい♪」という訳ではなく、その先もしばらく生きて行かなくちゃいけないのだから、サブスリーしたその先を見据えてもらいたくてこの記事を作ることにした。

 

それでは始めよう。

まずはサブスリーをして得たものから紹介する。

サブスリーして得た3つのもの

圧倒的自信

サブスリーして手に入れた一番大きなものは、言葉で表現できないほどの圧倒的自信である。

 

マラソンには一夜漬けが通用せず、一つのレースのために半年以上も前から準備をするスポーツである。

だから、今まで積み上げてきた努力が”3時間切り”という形で報われた時は嬉しくて嬉しくて仕方がなかった。

陸上スポーツなんてやったこともないのに大学入学と同時にマラソンを始め、練習方法を模索しながらあがいてもがいて苦しんだ日々。

サブスリーと同時にその苦しみから解き放たれて代わりに手にしたものは”自分なら何だってできるぞっ!”という圧倒的な自信であった

 

私は小4から中2までミートボールのような体型をしていた。

そして、自分のミートボールのようなお腹の事で、ポッキーみたいにガリガリな同級生から毎日のように嫌がらせを受けていた。

サブスリーを目指して走り込んでいく過程で、自分の過去の辛い思い出が汗と脂肪と共に少しずつ体外へ放出されていった。

そして、2時間台でフィニッシュした瞬間、少年時代に私へ「デブ笑!」と言った全ての人間をこれでもかと見返せた気がした。

 

成功体験

サブスリーをして得た2つ目の宝物は、努力が報われた事による成功体験である。

 

私は中学生の時、国体の馬術競技で優勝したことがある。

ただ、その時はコーチ(技術面)や家族(金銭面)や馬(競技面)に頼りっぱなしだったため、正直な所、自分の力で成功したという思いがあまり湧いてこなかった

しかし、大学生になって始めたマラソンでは、セルフコーチングとアルバイトと自主練習により課題を自分で克服することができたため、フルマラソン3時間切りを達成した時は”オレの力で成し遂げたぞ!!!”という思いを強く持つことができたのである。

中学生の時とは比べ物にならないほどデカい成功体験が手に入り、私のチャレンジ精神はさらに旺盛になったのだった。

 

この成功体験によって、自身がどういったものに価値を感じるのかよく分かった。

私は、即効性のあるもの、つまり、すぐに手に入るものには価値を感じないようである。

一方で、受験やマラソンのように時間をかけることでしか成し遂げられないものを徹底的に追求する傾向があるようだ。

私の価値観は益々安易な方向に流れていく現代社会の流れと正反対であるように思われるが、自分の大切な考えを捻じ曲げてまで現代社会に迎合する必要はないと思うので、これからも周りに「変人」と言われ続けながら楽しく生きて行きたいと思っている。

かめ
変人、万歳!

 

自分にピッタリな練習法

また、走力を高めるために様々な練習方法を試す過程で、自分にピッタリな練習方法を編み出すことができた。

最初は誰かが思いついた練習法をそのままマネしていただけだったが、ただマネをするだけではケガをすると分かって以降は練習メニューの裏に隠れている考えを読み解くことを習慣にした

そして、陸上競技の練習方法がどのようなセオリーに基づいて組み立てられているかを学習し、いくつかの指針に沿って自分独自の練習方法を編み出し実行することによって更なる走力向上につなげていった。

  • オリジナルな練習法
  • オリジナルな練習法を編み出す過程で学んだ様々な知識

サブスリーを真剣に目指したおかげで、生涯役立つオリジナルメソッドを編み出すことに成功した。

 

以上がサブスリーをして得たものである。

次に、サブスリーをして失った3つのものについて書いていく。

 

サブスリーして失った3つのもの

一般人の感覚

まず、サブスリーする以前から、私とランニングを習慣的にやっていない方々(一般人)との感覚が少しずつズレていっているのを感じていた。

そして、サブスリーをして以降は、一般人との感覚の乖離が決定的になった。

私としては10kmなんて徒歩圏なのに、10kmを徒歩圏内と思っていらっしゃる方はほぼいないようだ。

また、私が(建物の屋上まで上がるなんて、お尻とハムストリングスが鍛えられる素晴らしい自重運動じゃないか♪)と思っても、周囲の人間は疲れるのを嫌って階段ではなくエレベーターで上がろうとするのである。

 

あまりにも感覚がずれているせいで、大学の研究室でもすっかり浮いた存在になってしまった。

幸いなことに今のメンバーは私を面白おかしく扱ってくれるが、私に後輩ができたら後輩は私の事をどのように思うのだろうか…笑。

後輩が私を変人扱いする前に、むしろ私が後輩を洗脳して変人第二号に仕立て上げてやろう。

そしてその後輩がそのまた後輩を変人に仕立て上げて、あっという間に変人の巣窟の出来上がりである。(よっしゃ!)

 

お金と時間

私はサブスリーを目指す過程でたくさんのお金を使用した。

  • 大会のエントリー代
  • 宿泊費、交通費
  • ランニングウェア、シューズ代
  • 足のケアグッズ代
  • 練習本の書籍代
  • 質の良い食品にかかる割高な食費

このように、今までとんでもない金額をランニングに費やしてきたように思う。

大学生の間は絶対にバイトをしないと心に決めていたのに、いつの間にかランニングへつぎ込むお金を稼ぐために札幌競馬場で短期バイトをしたりスーパーで野菜の品出しバイトをしたりするようになっていた。

「ランニングはお金のかからないスポーツ♪」なんて誰が言った!大嘘やないか笑。

 

それに加え、私は膨大な時間を路上で過ごしてきた。

練習時間を確保するために早起きしたし、早起きするために早寝したし、早寝するために飲み会や遊びへ行くことは一切なかった。

これだけの時間があったなら、他に何かできたはずである。

サークル活動や勉強など、多くの大学生がやっている事にも手を出しておけばよかったかなぁ…研究室のメンバーと全く話が合わないので、少し反省し始めた今日この頃である。

 

彼女

最後は彼女。

私はサブスリーした後に彼女を失った。

念のために言っておくが、これはサブスリーが悪いのではない。

サブスリーではなく、サブエガが悪いのである。

 

富士山マラソンでサブスリーした直後、私は河口湖からLINEで彼女に連絡をして、彼女から沢山のスタンプと誉め言葉を有り難く頂戴した。

そして、もっと彼女を喜ばせたいと思い、サブスリーより上のサブエガを達成してやろうと心に決めたのだ。

サブエガに向けて今までよりもっと練習するようになったし、ランニングに対する情熱も一段と増していった。

ただ、あまりにもランニングに情熱を注いでいたせいで彼女の事が疎かになってしまい、気が付いたら彼女にポイッと捨てられていたのである笑。

 

これは完全に盲点だった。

“女の子は目標に向かって頑張る男子をそっと応援してくれるはず”と私は勝手に思い込んでいたのである。

くっそ~、もう少し、もう少しだけ視野が広ければこんな大惨事を防げたかもしれないのに…!!

若気の至り、ここに極まれりである。

 

嗚呼、サブエガ…

お前は何という酷い仕打ちをしてくれたのか。

”サブエガを目指すと何かを失う可能性がある”とどこかのブログで読んだ記憶があるが、それは果たしてこういう事だったのか…

彼女の喜ぶ顔を見たかったのに、残ったものは私の泣き顔と絶望感とふくらはぎの肉離れだけであった。

 

サブスリーしてよかったと思っています

悲喜こもごものサブスリーだが、私はサブスリーして良かったなと思っている

 

確かに多くのお金と時間を失ったし、挙句の果てに彼女から逃げられる始末であった。

しかし、かけがえのない成功体験と自信を得ることができ、因縁のサブエガを成し遂げるためのマラソン思考力とオリジナルメソッドまで私のものになったのである。

サブスリーのせいで離婚や破産をしたのであれば話は変わってくるが、ありがたい事に私はまだそこまでのダメージを食らうまでには至っていない。

人生まだまだこれからだから、取り返しの効くうちに次々と痛い思いをして、失敗を糧にして自分をバージョンアップさせていけたらいいなと思っている。

 

以上、サブスリーして得たものと失ったものでした。

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