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【練習メニュー】マラソン2時間50分切りを確信した4つの練習について解説します

私は札幌に住む現役理系大学院生である。

小学生の時から帰宅部を貫き通し、大学院修士1年にしてついにマラソン2時間50分切り(サブ50)を達成した。

マラソンを2時間47分で走り切った感想

2021-09-19

この記事では、私がサブ50を確信した4つの練習について解説していく。

マラソンの記録向上を目指す方、特に2時間50分切りを目指している方にピッタリな記事だと思うので、是非最後まで読んで頂きたいと思っている。

 

それでは早速はじめよう。

マラソン2時間50分切りを確信した4つの練習

10,000mTT36分33秒 (マラソン5か月前)

最初の練習はタイムトライアルである。

マラソンの約5ヵ月前に大学の土トラックで一人で実施し、10,000mを36分33秒で完走した。

この練習を行ったのは、今後マラソンに向けて行う予定だったインターバル走のトレーニングペースを決めるためである。

練習に継続性を持たせるべく、10kmのレースペースで強度を抑えたインターバルをしようと考えていて、(どのぐらいのペースで走ればいいのか,実際に10km走ってみて判断しよう)と思ったため、10,000m TTを実施したのである。

 

この練習でなぜサブ50を確信したかというと、ダニエルズ計算機に数値を代入した際、”10,000m36分33秒はマラソン2時間48分55秒と同等だ”という結果が得られたためである。

この時点ではまだ距離走やMペース走など全くしていなかったので、サブ50など遠い先の話だと考えていたものの、客観的な計算により「アンタ、サブ50できるで」という結果が得られたため、(もしかしてホンマに行けるんちゃうか??)と胸がウキウキしてきたのである。

その上、感覚的に決めていたジョグペースに関しても、おおよそサブ50を達成するためのトレーニングペース(Eペース)内になっていた。

この練習のおかげで今後のインターバルペースが決定し、サブ50へ向けて一層モチベーションが高まっていった。

(どうせ2021年中に公道でマラソン大会が開催される事はないだろう)と思い、この頃からすでに一人で42.195kmタイムトライアルを行う決心を固めていた。大会独特の高揚感を利用すればアドレナインが噴き出て記録も出しやすくなると知ってはいたが、私としては大会が中止になって自己ベストを更新する機会が失われる方が問題だと感じたため、最初から大会をアテにせず一人で走る事にしていたのである。

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2021-04-30

 

50kmEペース無補給走 (マラソン4ヶ月前)

次の練習は50km無補給走である。

2021年6月に出走予定だったいわて銀河100kmマラソン中止の報を受け、あまりに腹が立って発作的に一人で50km走を執り行った。

Eペースだったのに関してはたまたまである。

私は普段からロング走時に時計を見ずに走る習性があり、この日も時計を見ず一番走りやすいペース帯で走っていたら偶然Eペース中ほどで走っていたという訳である。

 

私がこの練習でサブ50を確信したのは、50kmを無補給で走れたからである。

実は今回ご紹介した練習のひと月前にも無補給で50km走をやっていたのだが、その時は終盤に失速してしまい、体内のスタミナタンクの小ささを痛感していた。

それから一ヵ月間、スタミナを鍛えるべく坂道走やロングジョグを何度も行い、ついに50kmを楽々走れるまでに体力と筋力を増強させられた。

  1. ”私の練習の方向性は間違っていなかった”と確認できた点
  2. (スタミナに関してはもう問題ないから、あとはスピードを鍛えるだけだ)と気を引き締められた点
  3. そのスピードに関しても10,000mTTで潜在能力が担保されているので、あと少しでサブ50に手が届くと分かった点

以上3点より、無補給50kmEペース走でサブ50を確信するに至ったのである。

私は速く走るより長く走る方が好きである。だから一人で50kmも淡々と走れてしまうのだが、50km走はマラソントレーニングとしては負荷が強すぎるため、サブ50を狙う方は”2時間50分走”など走行時間を意識したロング走を採り入れてみるとかなりの効果が見込めるだろう。

 

CVインターバル1,600m×5を3’35”/kmで完走(マラソン5週間前)

三番目にご紹介するのはインターバル走である。

インターバルはインターバルでも、10,000mのレースペース近傍で疾走するCVインターバルと呼ばれる練習メニューである。

普通のインターバル走と違うのは2点である。

具体的には、

  1. ペース:普通のインターバルは白目をむくぐらいのペース(ダニエルズでいうIペース)で走る。しかし、CVインターバルでは走行中にある程度余裕のあるペースで走る。
  2. ボリューム:普通のインターバルは1,000m×5や1,200m×4程度。一方で、CVインターバルは1,600m×5や2,000m×4など、疾走距離にボリュームがある。

このような形になる。

 

最初にご紹介した10,000m TTでトレーニングペースを決定し、週に一度、1,600m×5 (3’40″/km ペース, rest 90秒)という練習を地味に淡々と積み重ねていった。

そして、コレが余裕綽々で走れるようになった時、

かめ
もうちょっと速く走れるんじゃないか?

と3’35″/kmペースで、しかも疾走距離を3,000mにして走ってみる事にした。

やってみた感想としては、全く苦しく感じなかった。

割と余裕があったため、インターバルの後200mダッシュを5本追加で行ったほどである。

 

私がこの練習でサブ50を確信したのは、唯一の課題だったスピードが十分ついてきたと分かったためである。

(スタミナもスピードもあるのだから、サブ50できない理由が見当たらないじゃないか)とかなり強気になれたのである。

しかも、この練習をクリアしたのはまだ夏真っ盛りの事。

いくら札幌に住んでいるとはいえ、気温20℃&湿度80%のなか早朝に一人で空腹時にインターバルをするのはかなり大変であるため、(涼しくなった秋に最低限の食べ物を食べてから走り出せば絶対にサブ50できる!)と自身の考えが確固たるものになったのであった。

 

フルマラソンジョグ3時間7分13秒 (マラソン5週間前)

最後にご紹介するのはマラソンジョグである。

Garminで42.195kmを計測し、少々速いジョギングペースで巡行したところ、当時セカンドベストの3時間7分13秒で完走できた。

このタイムは初マラソンのゴールタイム(3時間10分46秒)を軽々と上回っている。

ゴールした瞬間は得に疲労もなく、(あ~、いい運動した^^)と爽やかな気分でマイコースを後にした。

 

私がこの練習でサブ50を確信したのは、”どれだけ調子が悪くてもコレぐらいでは走れる”という最低ラインが昨年度と比較して格段に上がったと分かったためである。

というのも、サブスリーを達成した2年前は(まぁ, 3時間20分は絶対にオーバーしないわな)といった感覚だったのに、サブ50達成の5週間は最低ラインがそれより13分も上がっていたのだ。

最低ラインが上がった事から最高ラインも上がったと考えられるし、この時点で2時間50分を切っての自己ベスト更新を掌握していたように思われる。

まぁ、この練習で好タイムが出せたのは新品のシューズに助けられたのも一因なのだろうが、一応走ったのは私なので、私が頑張って練習した成果がこのタイムだという風に理解して頂きたい。

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最後に

私がマラソンで2時間50分切りを達成した練習は以上4つである。

まとめると、

  1. 10,000m TT(マラソン5か月前) : ダニエルズ計算機上、サブ50と同等のタイムを出せたため
  2. 50km無補給Eペース走(マラソン4か月前) : マラソンを余裕で走り切れるスタミナがあると分かったため
  3. 1,600m×5を3’35″/kmペースで完走(マラソン5週間前) : 唯一の課題だったスピードの問題を解決できたため
  4. フルマラソンジョグ3時間7分13秒(マラソン5週間前) : サブスリー達成時より最低ラインが格段に向上したのが分かったため

このような形になる。

私がサブ50できたのは、この4種類の練習以外にもたくさんの基礎練習を積み重ねてきたためである。

もしご紹介する機会と体力があれば、今後詳細な練習メニューについて公開していく予定である。

 

以上です。

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