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vol.8 高校2年生、恋に乗馬に|青春駆ける ~馬術に情熱の全てを捧げた10年間の成長の足跡~

前回までのあらすじ

高1の東京国体で連覇をしようと心に誓うも、超絶可愛い女の子の出現により練習に全く集中できず。日頃のあいさつ、「カッコいい」との誉め言葉、花見での腕相撲などが頭にチラつき乗馬どころじゃない。馬術のパフォーマンスが一時期、極端に落ちる。前できていたことができなくなって”どうしたんだろう…”と途方に暮れる。国体予選では出場権を得るので精一杯に終わったほど。東京国体ではダービーで5位。連覇を懸けた二段階では入賞圏外と酷い出来。気持ちを改め猛練習。11月の主基杯にて120cmで2日連続の優勝を果たす……

vol.7 高校1年生、連覇はならずも|青春駆ける ~馬術に情熱の全てを捧げた10年間の成長の足跡~

2023-08-28

 

私が情熱の全てを捧げた10年間の乗馬生活について、『青春駆ける』と称して記事を執筆しております。

先日の第七巻では国体で5位に終わった高校1年生の一年間について記しました。本記事ではシリーズ第八巻・高校2年次における乗馬生活の一年間について書きます。

かめ
それでは早速始めましょう!

 

4月~7月:スプラッシュとの円熟期到来

国体 | MRC乗馬日記 (jugem.jp)

4月:積極的なチャレンジ

4月、三木で120cmに出場。一日目は1反抗・一落下の減点8でフィニッシュ。少し感覚を修正して臨み、二日目は無落下の減点ゼロ。走行直後にもう一度経路を回って雌雄を決する『アメリカンジャンプオフ』に参加。当時、近畿圏の大会でまだ120cmを勝ったことがありませんでした。 (優勝する最高のチャンスだ!!) とジャンプオフではめちゃくちゃなスピードを出して走った。しかしスピードを出し過ぎたのか、最後のダブル障害で痛恨の2落下。トップタイムながら障害を落としたせいで着外に終わってしまいました。普段ならタイムも減点も負けて着外。今回は積極的なチャレンジの末、ポロポロ落としての着外です。結果は同じでも内容は違う。「もうちょっと感覚を修正したらすぐに上手くいきそうだな」と予感。

M級C 2日目の走行映像

 

5月:岡山で120cm二日連続減点ゼロ

岡山グランプリ 120cm・1日目:減点ゼロで3位

昨年末出た主基杯からの良い感覚を引き継げました。5月末に出た岡山の大会で120cmを減点ゼロで走行。しかも2日連続のクリアラウンド。一日だけ減点ゼロならマグレなのかもしれないけれども、二日連続ゼロで回れたのは実力が高まった明確な証拠。どうすれば落とさず回れるのかがほぼ完璧に分かりました。高1でテーマに掲げた【馬を高く飛ばす】技術がようやく再現性のあるものに。踏切時、後ろ足に力を溜めるためには駆歩を変えねばなりませんでした。ヒトの重心を僅かに変えたら驚くほど高く飛ぶようになった。スプラッシュがリズム良く走れる別のペース帯を冬場に発見できたのも大きい。I先生のレッスン中に色々なペース帯での駆歩をコソッと試し、そこで偶然見つけたペース帯をコース走行で試して成功。

スプラッシュの馬主・Mさんも110cmをゼロで走行。Mさんは従来通りの快速ペース。私は少し穏やかなペースながらも高く飛ぶ駆歩を作って無落下。「同じ馬が走っているのに全く別の馬みたいだね」と別のクラブの先生から言われました。傍から見ても明確に異なるほどMさんとの違いを作れていたようです。 (乗馬って面白いな、めちゃくちゃ奥が深いんだな…)と、高2になってやっとのことで馬術の深淵の入り口に立てた。馬のポテンシャルをどこまで引き出せるかが自分に懸かっている点に心を惹かれた。

そうそう、この大会、MRCで気になっていた”あの子” (Aちゃん) も出場していたんです。Aちゃんは80cmや100cmのコースを回って入賞しておられました。Aちゃんの前でカッコいい所を見せられちょっと鼻高々。I先生に「調子に乗るなよ」とシバかれ天狗にはなりませんでしたが。また、大会一日目の夜、会場・岡山乗馬クラブのベランダでのBBQがめちゃくちゃ楽しかったんです。明日もまだ大会があるというのに皆さんベロンベロンに酔っぱらっちゃって、そこら中を狂喜乱舞する大人を見られたのが面白かった。中国地方の同世代の選手とも仲良くなれたのも嬉しいです。こういう場面で友達を作れていたら国体に出たとき楽しいですからね^ ^

 

7月:国体中国ブロック予選を無難に突破

私がもし大学受験をしないのならば気兼ねなく高3まで国体に出られました。4年間の国体挑戦を経て乗馬クラブに就職し一生乗馬。ただ、高い学費を払って進学校へ通わせてもらっている以上、大学受験を”しない”という選択肢を取りようがなかったのです。学校では受験を当然”する”前提で授業がどんどん進んでいくし、親も先生も周りの生徒も『大学受験をして当たり前だ』と言わんばかりのピリついた雰囲気。高2・4月当時、受験をしたい:したくないの気持ちは3:7で”したくない”の方が上でした。そりゃそうです、せっかく高めた乗馬スキルをなぜ活かせない道に進まねばならぬのか。観念したのは7月ごろ。 (仕方がない。勉強をして、合格してから大学の馬術部で馬に乗ろう)と決意を固めたワケであります。大学受験をするとなると、高3の一年間は本気で勉強をせねばなりません。国体なんて当然出られず、一日何時間も机の前でうんうん唸って頭を使わねばならないのです。国体挑戦は高2が最後「最後だし、もう一度勝ちたいなぁ…」と淡い希望を抱いての練習。

最後の国体出場に向けて出場権を得にブロックへ出場。ブロックは蒜山ホースパークでの開催。一番相性の良い競技場での開催に俄然、やる気が湧いてきました。蒜山には良い思い出しかない。 (最後を飾る花道としてピッタリだな^ ^)と出場前から吉兆を予感。実際、出場した二競技で両方とも優勝して本戦出場枠をGET。今までのブロックでは (完走できるかできないか分からないな)とヒヤヒヤしながらの走行でしたが、今回のブロックは”完走?当たり前でしょ”と強気で走行できたのも良かったか。高2で一番大きく伸びたのがメンタル面だと思います。実力が高まるに伴い自信も徐々についてきて、大会へ出場してもほとんど緊張せずに経路を走行できるように。

少年スピードアンドハンディネス競技 走行映像

中国地方でソコソコ名前が売れてきたおかげか、今までの国体予選において私の走行を見て下さった方が一番多かったような印象 (気のせいかも)。競技場へ行っても私に声を掛けてくれる方がたくさんいらした。ソレもコレもI先生の厳しいご指導の賜物です。I先生が私を指導してくれたおかげで技術を磨けたし、天狗になった私の鼻をことある毎に折ってくれたから人間性をも磨けました。やっと知り合いが増えてきたのにあと1年でこの業界を離れねばなりません。 (はぁ、受験したくないなぁ…) とげんなりさせられてしまいました。一生懸命勉強をして一流大学へ進学したとて、乗馬より面白いモノと出会えるなんて思えませんでした。それに何より、Aちゃんと離れるなんて絶対にイヤだったのです。まだ告白さえしていなかったけども好きで好きで仕方がありませんでしたから。 (Aちゃん、好きだなぁ…) と思っていたらひょんなことから距離が接近…

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