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【爆走必至!】アシックス・メタスピードスカイ 詳細レビュー|サイズ感や走行感、メタレーサーとの比較を交えて

他のシューズとの性能比較

読者の皆さんにメタスピードスカイの性能を伝えるため、

  • メタレーサー
  • グライドライド(ロングラン用シューズ)
  • アディゼロジャパン5(現時点でのレース用シューズ)

これら3つのシューズと比べてみた。

比較項目は、①クッション性、②反発力、③どちらが楽に走れるかの3つである。

まずはメタスピードスカイとメタレーサーを比較する。

以下では、メタスピードスカイをスカイと省略する。

メタレーサーとの比較

クッション性

クッション性は圧倒的にスカイの方が上回っている。

 

メタレーサーのミッドソールは軽量性に優れているフライトフォームである。

確かにターサージールよりは足を守ってくれるのだが、なんせメタレーサー自体が厚底シューズではないため、薄底シューズよりは柔らかいけど、(うわっすげ~!!)と感動するようなクッション性は感じない。

一方で、スカイは超極厚の新素材・フライトフォームブラストターボである。

モチモチなミッドソールがあらゆる衝撃を吸収してくれるし、しかも肉厚であるため抜群のクッション性を誇っている

スカイを一度履いてしまえば、きっとメタレーサーですら薄底シューズのように感じられてしまうだろう。

 

反発力

反発力もスカイの方が圧倒的に上回っている。

 

メタレーサーは反発力で勝負というよりかは走行効率性を売りにしている。

一方で、スカイは、”ストライド走法向け”とアシックスが打ち出しているように、反発力を武器にヴェイパーフライと真っ向勝負に挑んでいる。

最初からコンセプトが違うのもあってか、反発力で言えばメタレーサーはスカイの足元にも及ばない

スカイはどんなに鈍感な人でも感じられるであろう驚異的な反発であるため、履いていて楽しいし病みつきになってしまう。

 

どちらが楽に走れるか

走行効率を売りにしているメタレーサーだが、個人的にはメタレーサーよりもスカイの方が楽に走れると感じた。

 

メタレーサーよりもスカイの前足部の方が反り上がりがシャープであり、そのおかげで地面を蹴り出す時のふくらはぎの使用具合がスカイの方が楽に感じられたのである。

また、スカイはボンボン反発するおかげでどんどん足を前に運んで行けるし、メタレーサーよりもスカイの方が軽いため足回りも快適である。

私の中では、スカイはメタレーサーの完全上位互換である。

メタスピードスカイがリリースされた今、あえてメタレーサーを選ぶ理由が見つけられない。

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次にグライドライドとの比較を行う。

 

グライドライドとの比較

クッション性

クッション性は良い勝負である。

 

グライドライドはスカイと遜色ない肉厚ミッドソールを搭載している。

しかも、クッション性に優れているフライトフォームプロペルが使用されているため、一歩一歩がモチモチしていてとっても気持ちが良いのである。

スカイのクッション性もかなりすごいが、クッショニングモデルのグライドライドはさすがに上回る事が出来ないだろう。

とはいえ、レーシングシューズにこれだけのクッション性がある事自体が驚異的なのであるから、アシックスの技術力には目を見張るばかりである。

 

反発力

反発力はスカイの圧勝だ。

 

グライドライドはキロ3分台まで上げると沈み込むような感覚があり、しかもそこまで足を跳ね上げてくれるわけではない。

だが、スカイは割れそうで割れないパンパンに膨れ上がった風船の如く、強く強く足を跳ね上げてくれるため、走っていて非常に快適なのである。

セーフティモデルとレーシングモデルを比較するのはさすがに酷だろう。

では走行効率ではどうだろうか?

 

どちらが楽に走れるか

走行効率性では完全に互角である。

グライドライドが足首周りのエネルギー消費量を大きく抑えてくれるかと思えば、スカイだってライドシリーズ譲りの反り上がりや反発力でエネルギーを効率良く前への推進力に変えていってくれるのだ。

私は(グライドライド以上に楽に走れるシューズなどないだろう)と勝手に考えていたのだが、まさかレーシングシューズでこれほど楽に走れるシューズが登場するとは夢にも思わなかった。

メタスピードスカイ、本当に面白いシューズである。

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最後に、従来型シューズの代表としてアディゼロジャパン5との比較を行う。

 

アディゼロジャパン5との比較

クッション性

クッション性はもう勝負にならない。

比べるまでもなく、スカイの圧勝である。

ジャパン5は着地のたびに脛や前腿にダメージがたまる感覚があるのに対し、スカイはそれが全くないし、自分が本当に走っているのか疑ってしまうほどソフトな接地感覚なのである。

最近の厚底シューズってみんなこんなものなのだろうか?

これじゃあもう誰も薄底なんて履かないよなぁ…

 

反発力

反発力も話にならず、スカイの圧勝である。

ジャパン5は自分の足で走っている感覚が満載な一方、スカイは”シューズに代わりに走ってもらっている”と錯覚してしまうほど強烈な反発があるのである。

スカイはまるでマシーンのようである。

今までとは全く違う、新世代を切り開く驚異的な一作となりうるであろう。

 

どちらが楽に走れるか

言うまでもなく、スカイである。

クッション性と反発性のおかげで快適に走れるし、しかもジャパン5よりも軽いからスカイの方が(メタレーサーとの比較と同様)足回りも良いのである。

地面にちゃんと接地している感覚を味わいたいならジャパン5もアリかもしれないが、スカイも地面がそんなに遠くないように感じられるため、私はジャパン5からスカイにスムーズに移行していけると予想している。

めちゃくちゃ厚底なのに、沈み込まず楽に走れる点が、メタスピードスカイの不思議な所である。

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欠点紹介

欠点を絞り出すとすると、絵具っぽい臭いが強烈なため、一緒の部屋にいると気分が悪くなってしまうという所だろうか。

このレビューを書いている時、一緒の部屋にいたメタスピードスカイがあまりに臭くて頭が痛くなり、思わず窓を開けてベランダに出てもらったぐらいである。

一度水洗いしたらだいぶ匂いがおさまったので、今の所は私の目に欠点が何一つ映らないシューズである。

メタスピードスカイ、色々な意味で本当に恐ろしいシューズである。

 

まとめ

以上をまとめると、メタスピードスカイは

  1. アシックスらしからぬ端正なデザイン
  2. 軽さはヴェイパーに匹敵し、アッパーのフィット感は最高である。
  3. ミッドソールはフライトフォームブラストターボカーボンプレートのコンビネーション。
  4. アウトソールはASCIS GRIPという耐久性とグリップ性に優れている素材を使用。
  5. クッション性と反発力は異次元である。とはいえハムやお尻にくるような感じはなく、接地感は割れそうで割れないパンパンに膨れ上がった風船を踏みつけている感じ。
  6. メタレーサーの完全上位互換グライドライドに3段階ぐらいえげつない反発力を付けた感じ従来型シューズとは話にならないほどの差がある
  7. どんな走力の方が履いても恩恵を受けられる。また、上を目指そうと思えば世界トップクラスまでいける。

このような性能を持った一作である。

唯一の欠点は、絵の具の匂いが強烈にする事である。

しかし、それも一度水洗いすれば収まったから、私的には完全無欠のシューズという見方である。

 

このシューズを普段から使っているとこのシューズでしか走れなくなってしまうと思われる。

なので、普段のトレーニングではジャパン5などのような従来型シューズを使用し、レース直前&レース本番でメタスピードスカイを使用すると最大限の効果を発揮できると考えられる。

私の場合、

  • ジョグ:ウエーブライダー23
  • ロングラン:グライドライド
  • Mペースより速いランニング:ジャパン5

こういう風な形でシューズを使い分けているから、このシューズローテーションは今後も維持していこうと思っている。

レース3日前までは上記3種類の靴を履いて脚力を鍛え、2日前の最終練習でスカイを履き、スカイの感覚に体を慣らし、その感覚を持ったまま本番で爆走するという戦略を採用したい。

 

長くなってしまったが、メタスピードスカイのレビューは以上である。

このシューズを買おうかどうか迷っている方の参考になればいいなと思い、記事の執筆を終えることにする。

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3 件のコメント

  • かめさん
    解りやすいレビューありがとうございました。
    私は主にエボライド(初代、2)を愛用しています。亀さんのエボライドのレビュー、とても参考になりました。
    確かにエボライド、キロ4 までとても快適です。
    私、以前はキロ4 が限界でした。しかし最近、インターバルではキロ3分台で走ることもあります。
    この用途に「ハイパースピード」はフィットするのか?とても気になっています。
    つきましてはハイパースピードについても、かめさんお得意の「シューズとの対話形式」でレビューして頂けませんでしょうか。
    ご検討のほど何卒よろしくお願い致します。

    • ぴかさん

      コメントありがとうございます。
      エボライドの記事が参考になったとの事で、かなり嬉しく思っております^ ^

      実は、私がいま一番気になっているシューズがハイパースピードなのです。
      ですから、次に何かシューズを買うならハイパースピードだと思います。
      ただ、ハイパースピードを買う前に、手持ちのスピード練習用シューズ(アディゼロジャパン5)をすり切れるまで使おうと思っています。
      私の家にはシューズをたくさん置ける場所がありませんし、大学院生という身分上、靴をホイホイ買い換えられるお金の余裕もないからです。

      ハイパースピードを買うのは6月中ごろになります。
      ニューシューズを買ったら必ずレビューしようと思っておりますので、それまではどうかご辛抱下さい。

      • かめさん
        お返事ありがとうございます。
        かめさんのご都合、よく理解できます。
        小遣いパパの私もランニングシューズは4足で回すことにしています。現在、ゲルカヤノ26 、グライドライド、エボライド、エボライド2の4足で回しています。
        グライドライドを履き潰して1足
        (6月頃?)
        ゲルカヤノ26 を履き潰して1足
        (9月頃?)
        購入する権利が発生します。
        1枠はメタスピードスカイで確定。
        もう1枠の有力候補がハイパースピード。
        そんな感じです^ ^

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