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【陸上】3000mで10分を切った練習法

400~1000mインターバル(3’20″/km):7月~8月、11月

世の中にはインターバル走を”スピード練習”と思っていらっしゃる方が多いようだが、インターバル走はスピード練習ではない。

確かにジョグよりは速い速度で走る事になるものの、純粋にスピードだけを追い求めるダッシュとは違って僅かに余裕のある状態で走る事になるから、インターバルを指してスピード練習というのは何かピントがずれている。

スピード練習とは最大馬力を高める練習の事。

インターバル走は最大酸素摂取量を高めるために行う練習である。

 

7月~8月

最大酸素摂取量を鍛えるため、私はまず前年度に達成できていた400m×10(90秒、レスト200mジョグ)の練習をクリアするところから始めた。

今年サブエガを狙っていた人間としてはやや物足らない設定であったが、いきなり84秒(3’30″/km)で10本回せるとは思えなかったので焦らずじっくりトレーニングレベルを高めていった。

何度かインターバルを行って、一つの目安としていた400m×10(80秒、レスト200m60秒ジョグ)がこなせるようになったために400mインターバルは切り上げた。

400mの次は1000mインターバルを行った。

インターバルでは無理してタイムを絞り出す必要はない。

タイムを絞り出すために頑張るのではなく、苦しい中でも最初の1セット目と同じパフォーマンスをキープする事を大切にして欲しい。

練習で頑張りすぎるとインターバルが上手なだけの人間になってしまう。

貴方が結果を出したいのは練習ではなくレースだろうから、レースで本気を出せるように練習では本気を温存しておいて頂きたい。

 

初めての1000mインターバルは1000m×5(3’30″、レスト2分ウォーク)で行った。

一応はクリアできたものの、あまりにも辛すぎたためにスピード設定を3’40″に見直すことにした。

ペースを10秒落として挑戦した1000×7を2回クリア。

そして、最初苦戦していた3’30″設定である程度の余裕を持って5本しっかり走れるようになった。

 

11月

9月は何となく気分が乗らず、10月は卒業論文用の研究で筑波へ出張していたのでインターバルは行えず、11月に入って札幌に帰ってきてようやくインターバルを行う気分と環境が整った。

3000m10分切りをしようと決心したのが10月下旬で、1000m×3(3’20″、レスト200mジョグ)がこなせたらどうにか10分を切れるだろうと何となくイメージしていた。

10月にジョグで再び有酸素貯金をしっかりと作っていたので、11月はその貯金を使ってガツガツインターバルを行うつもりだった。

3’20″での1000mインターバルができるようになるには数回かかるだろうと思っていたが、一度ですんなりクリアできてしまった。

10分切りするためのインターバルはコレでおしまい。

最後に、3000m10分切りを達成するにあたって一番効果があったと思われる閾値走について書いていく。

 

6000m閾値走(3’40″~45″/km)

3000mは1500mと5000mの間の距離であり、1500mほどではないにしてもスピードが必要だし、5000mほどではないにしてもスタミナが必要な素晴らしく調和のとれた距離である。

従って、3000mを速く走れるようになるにはスピードとスタミナを両方高レベルに仕上げておく必要がある。

スピードとスタミナを両方鍛えられる練習はないものか…

あるんですよ、閾値走っていうんですけどね。

 

閾値走とは、自分の乳酸閾値ギリギリを攻めて20分~30分一定ペースで走り続ける練習である。

インターバルよりは格段に楽だが、マラソンペースよりは若干苦しい。

そうした微妙なペースで淡々と走る閾値走は、ランナーから嫌われている練習ランキング堂々のNo.1である。

始めは(余裕やんww)と思えるのだが、終盤には(早く終わりてぇ…泣)と大変しんどい思いをする事になる。

3000mで10分切りを狙うランナーは、3’40″~45″/kmで6000m走れるようになることを一つの目安としてもらいたい(私は3’41″/kmで6000m走れた)。

これより速く走れるならいくらでも速く走って構わない。

ただ、(6000mなら3’50″/kmが限界です)というのでは少々心細い。

ジョグの項目では”ペースなどあまり気にしなくてよい”と書いたが、閾値走ではペースが非常に重要なのである

閾値走は3000mのレースペースより遅い速度で走る事になるが、高い心拍数の中で我慢して一定時間走るシミュレーションも閾値走は兼ねている。

したがって、あまりにも楽々走れるペースでやってしまっては全く意味をなさないし、多少苦しい中で走ってこそ。

足やお尻に乳酸がたまっているなぁとしみじみ感じる快調なペースで走るのが閾値走。

何度も何度も行うことで、同じペースでも少しずつ楽に走れるようになってくる。

 

閾値走ではスピード持久力だけではなく諦めないメンタルも育まれる。

なので、下痢や故障などのアクシデント以外では絶対に止まらず最後まで走り切ってもらいたい。

苦しい事はやる前から分かっている。

それでも取り組む価値のあるのが、やればやるほど効果があるのが閾値走という練習なのである。

なお、6000mを3’40″/kmで走れるようになればハーフマラソン80分切りやフルマラソンサブエガも視野に入ってくる。

3000m10分切りを達成したら、次はもっと距離の長いロードレースに出場されてはいかがでしょう?

 

最後に

以上が3000m10分切りを達成した私の練習法である。

この記事を読んだ方のお役に立てたらこの上なく幸せである。

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2021-11-17

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