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【インタビュー】乗馬体験記・青春駆ける特別編|記事群作成に至った経緯や見どころ、オススメシーンなど

質問その3:『青春駆ける』の見どころ/お気に入りの場面は?

リポーター
3つ目の質問!本シリーズ『青春駆ける』の見どころを教えて下さい
かめ
見どころは3つあります。
  1. 国体にまつわる様々な描写
  2. 困難に対し、何を考え、どう行動するか?
  3. 恋愛シーン (高1・高2・高3編)

この3つです

リポーター
まずは①から教えて下さい
かめ
はい。

『青春駆ける』の執筆にあたり、国体に関する出来事には特に力を注ぎました。どうして出ることになったのか国体予選中はどんな気持ちだったのか国体本戦の競技中に何を見、何を考えていたのかなど、記憶を掘り起こせるだけ掘り起こしてみて言葉で描き出しました。国体にスポットライトを当てたのは、私の乗馬人生が国体を中心に回っていたといっても過言ではないから。とんでもなく密度の高かったあの日々について、私が感じたのと同じ熱量を感じられるよう文章にしたのでぜひ読んで欲しいです(*≧∀≦*)

リポーター
国体関係では何年生編がオススメですか?
かめ
初々しさの残るvol.6 中3編[青春駆ける 中3編]、乗馬だけに向き合って臨んだvol.8 高2編[青春駆ける 高2編]の2つが特にオススメです。どの巻から読んでもスッと入っていけるように作っていますが、もしどこから読めばいいかお迷いでしたら中3編か高2編から読み始めてみて下さい👍
リポーター
分かりました。次に②について教えて下さい
かめ
先ほども申し上げましたが、私の乗馬人生は必ずしも順風満帆ではありませんでした。上手くいったことなどごく僅か。失敗の方が圧倒的に多い。年単位の絶不調に陥った経験もしばしばあります。辛くて辛くて辛くて辛い。時々楽しくてまた辛い。困難に直面した際、”この壁をどう乗り越えてやろうか”と考え、行動する様子を見てもらいたいです。乗馬での困難、受験での困難、そして恋愛面での困難などよりどりみどり
リポーター
困難を乗り越え一皮むける、と
かめ
そうです。『青春駆ける』では、私が少しずつ大人になっていく様が克明に描写されています。ただ、どんな経験を経ようと根本はやはり変わりません。私の行動の軸となってきたものは何なのかに着目して頂きたいです
リポーター
では最後に③について解説お願いします
かめ
私は中高一貫の男子校生。本来ならば彼女なんて逆立ちしてもできないはず。ですが幸運にも、乗馬クラブで大変素晴らしい出会いがありました。高一で出会い、高二で付き合い、別れたのち高三で再会しました。彼女 (Aちゃん)にどう心惹かれ、どう弄ばれたのか (??)をご笑覧いただきたく存じます。まぁ、Aちゃんとの会話では私はあまりカッコいいことは言っていません。なので恋愛シーンでは私ではなくAちゃんに注目してお読み下さい
リポーター
分かりました。では、『青春駆ける』のなかで著者のかめさん自身が気に入っている場面はどこですか?
かめ
最終話・第十巻の最後の場面です[青春駆ける 大学生編]
リポーター
どのようなシーンなのでしょうか?
かめ
ひとことで言えば、自分が何のために馬と駆けてきたか”を自覚したシーンになります。

大学馬術部へ念願の入部。ウマ漬けの毎日を獲得しました。部活では自身と組織とのすれ違いに懊悩し、最終的には馬術部を退部する決断を下す。”辞めよう”と決断するまで何日も何日も悩みました。しかし、”乗馬を嫌いになるのだけは避けなきゃいけない”と苦渋の選択を下したのです。退部後、これまで趣味で続けてきていたランニングを本格的にやる事にします。目標はマラソン3時間切り。届きそうにないと思われた目標へ挑戦した方が面白いと思ったから。なんと、翌年には早くも達成してしまいます

リポーター
早いですね!!
かめ
走るのを辞めても良かったのです。だって目標を達成しましたから。ここで私は考えました。”走るのを辞めたらどうなるだろう?”と。情熱の源を失ってしまって腑抜けのようになるんじゃないか?今まで全力で生きてきた人生、歩みを止めた瞬間に躓くんじゃないか。ならば走り続けるしかない。走らないという選択肢はない
リポーター
なるほど…
かめ
乗馬を辞めてようやく気が付きました。今まで乗馬へ情熱を捧げて頑張ってきたのは『生きる原動力』を得るためだったのだ、と。情熱を注いで倍加させ、みなぎる力を源に日々を懸命に生きるためなのだと。生きるために駆けねばならない。いつまでも、どこまでも駆けなきゃいけない。駆ける手段が馬から自分の脚に変われど駆けねばならない。駆けるおかげで力が得られますし、対象が乗馬でもランニングでもやる事に全く変わりはありません
リポーター
駆けるのは、生きるためだ、と……
かめ
その通りです。

駆け続けなきゃいけないなんて苦しいじゃないかと思われがち。ですが、逆に言えば、駆け続けている間は必ず命を繋げます。私にとって『駆ける』とは、生への安心感を得る行為なのです。”今日も走れる。なら大丈夫だ👍”と胸をなでおろすことができる。本当はじっとしていても安心感を得られればいい。私の体はそうは出来ていないのでこれからも駆け続けるでしょう

 

質問その4:私にとって『乗馬』とは?もう乗馬、やらないの?

リポーター
4つ目の質問に移ります。かめさんにとって『乗馬』とはなんですか?
かめ
『鏡』です
リポーター
鏡、ですか?
かめ
はい。

乗馬は自らの全てを投影してくれるピカピカの鏡ありとあらゆる等身大の自分をリアルタイムで見せてくれます。カッコいい自分、喜んでいる自分など、観たい自分だけが映るのならば都合が良いけれどもそうはいかない。競技で思い切り大失敗して痛い目に遭う自分も映す。乗馬をやればやるだけ鏡の鏡面が大きく・綺麗に。それに伴い自己理解がおのずと進んでいくのです

リポーター
暗闇 (不調) の最中では鏡には何も映りませんね…
かめ
そうなんです。だから”何としても鏡を見てやろう”と目を凝らして見るようになり、自己理解の解像度 (自己解像度)が飛躍的に向上します。何もかもが順調な時に能力が高まるわけじゃない。順調な時ほど実は左程成長しておらず、苦しい時、思い通りに行かない時こそ爆発的に成長しています。好き好んで絶不調を迎える人などいるワケがない。けれども不調になったなら仕方がない。「自分の糧にしてやろう」ともがき、ジタバタするのみです
リポーター
長い長いトンネルを抜けた先では…?
かめ
生まれ変わった自分と出会えます。次の新しいステージに立ち、笑顔で快調にぶっ飛ばす自分がいます。自己解像度が高まったおかげで、鏡に映る自分を拡大して見ても決してぼやけません。より詳細な自己分析が可能となり、馬術の深層へ一段、また一段と迫っていけるというわけです。私にとって、乗馬とは『鏡』。自らの飛躍と内省のため、10年間、壊れそうなほど徹底的に見続けました
リポーター
かめさんにとって大切な乗馬。今はやっていらっしゃいませんよね。もう乗馬、やらないんですか?
かめ
今は時間とお金の都合で乗馬をやるのを見合わせています。大学院を修了し民間企業へ就職したらまた乗馬をやり始めたいなぁと思っています。昔と違って今は思考力が高まっているから技術の飲みこみも早いはず。性格も昔より随分おおらかに変わりましたし、昔より今の方がずっと上手く馬に乗れるのではないかなぁ、と。体力は問題ありません。一応、100kmマラソンランナーなので✊
リポーター
二回目ですよ、それ笑
かめ
アレっ、そうでしたっけ?まぁいいや笑。

私は馬がとにかく好き。乗るのも好きだし触るのも好き。傍から見るだけでも心が癒される。できるだけ馬とかかわっていたい。馬なしでは生きていられない。自分にとって馬は不可欠。

私には一つ、目標があります。叶えられるか分かりませんが、もう一度国体のダービーに出て表彰台へ立ちたいんです。ダービーは自分が最も多く出てきた種目。勝ちを逃した、あと一歩の所で失敗したなど、たくさんの思い出が詰まっています。あの青春の日々に新たな思い出を新しいページに書き足してみたい。あわよくば優勝!ダービーの金メダルが欲しい!

リポーター
おぉぉ!いいですね~!
かめ
ダービーへ出場するためにもランニングを辞めるわけにはいきません。体力や気力、入賞への執念を維持・向上させておかなきゃいけませんから。ランニングは自分の体と深く向き合えるスポーツ。馬と向き合えない間、自分と向き合い一層の自己理解に努めるつもりです。もし本当に国体へ出て入賞出来たらきっと大泣きしちゃうだろうなぁ。この夢、絶対に叶えたい。残りの人生のライフワークとして胸の中へ大切にしまっておきます

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