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2023年6月に読んだ13冊の本一覧

2023年5月に読んだ16冊の本一覧

2023-05-31

読んだ本一覧

  1. 【読書】日本文学:夏目漱石全集4 三四郎 それから (5/26~6/3)
  2. 【読書】HowTo:反応しない練習@草薙龍瞬 (6/3~6/4)
  3. 【読書】社会科学:神道 見えないものの力@葉室頼昭 (6/4~6/5)
  4. 【読書】日本文学:夏目漱石全集5 彼岸過迄 行人 (6/6~6/12)
  5. 【読書】日本文学:夏目漱石全集6  道草 (6/13~6/17)
  6. 【読書】HowTo:ファスト教養 10分で答えが欲しい人たち@レジー (6/18-6/19)
  7. 【読書】芸術:日本美術史@山下裕二 (6/20)
  8. 【読書】日本文学:美しい星@三島由紀夫 (6/20~6/23)
  9. 【読書】HowTo:地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」 (6/24)
  10. 【読書】日本文学:夏目漱石全集7 明暗 (6/25~6/30)
  11. 【素読】日本文学:紫の火花@岡潔 (5/31~6/12)
  12. 【素読】HowTo:思考の整理学@外山滋比古 (6/13~6/21)
  13. 【素読】日本文学:歎異抄@唯円 (6/22~6/26)

 

読んだ本の感想

【読書】日本文学:夏目漱石全集4 三四郎 それから (5/26~6/3)

  • 面白度:4.5/5
  • 読後感:4/5
  • 再読欲:5/5

漱石前期三部作を9日間で一気読み。この頃の漱石さんは大変朗らかな作風です。特に『三四郎』は読んでいて何だかウキウキしてくる。地方から上京する三四郎くんの周囲に翻弄される様が北大へ入りたての自分を想起させ、(あー、自分もこんな感じだったなぁ…)と過去を懐かしく思い出します。三部作の中で一番好きなのが最終作の『門』という作品。主人公・宗助の妻・御米 (およね)さんの言葉遣いがたまらなく好みでキュンキュンしました。三部作は作品それぞれで完結しているので一つずつ読んでも楽しめる。しかし全作通読すれば繫がりが見えてくるからソレを楽しむのもまた一興。

 

【読書】HowTo:反応しない練習@草薙龍瞬 (6/3~6/4)

  • 面白度:5/5
  • 読後感:2/5
  • 再読欲:1/5

本屋で見つけて気になっていた本をAmazonの中古でお安く購入。ブッダを引き合いに、この世のあらゆるストレスから無縁になる術を易しく説いてくれる本。本書を読んで以降、何かイラっとする出来事があっても心中で「反応するな、反応するな…」と呟いて済ませるように。コレだけでストレスが霧消するから人間って本当に不思議です。仏教徒の顔が穏やかに見えるのは”反応しない練習”をたくさん積んできているから。私も現代社会の波にのまれながら”反応しない練習”を重ねていきます。

 

【読書】社会科学:神道 見えないものの力@葉室頼昭 (6/4~6/5)

  • 面白度:4/5
  • 読後感:2/5
  • 再読欲:1/5

神社へ頻繁に通ってはいるものの、そもそも”神道”についてあまり知識がありませんでした。『神道とは何か?』を学習すべく本書を買って読みました。神道に教義はありません。生き方そのものが神道なのです。天からの恵みに日々感謝し、背筋を伸ばして日々健やかに・にこやかに生きていくのが神道であります。日本にどうして神道が根付いたのか興味が湧き、また別途本を買って神道史を学びたいと思いました。

本書、内容自体は素晴らしいんです。しかしどうも句読点や語尾の表現が気持ち悪くて弱らせられた。この作者の本を読むことはおそらくもうありません。せっかく良い内容にもかかわらず表現で随分と損しています。

 

【読書】日本文学:夏目漱石全集5 彼岸過迄 行人 (6/6~6/12), 夏目漱石全集6 心 道草 (6/13~6/17)

  • 面白度:5/5
  • 読後感:4.5/5
  • 再読欲:3/5

漱石後期三部作を読みました。前期三部作から後期三部作の間に漱石さんは修善寺で大喀血をし、そこから作風が以前と比べて少々暗くなっていきます。決して読みにくいわけではない。波瀾万丈な出来事(外向き)ではなく心理描写主体(内向き)のストーリーへと変化しただけなのです。私としては前期よりも後期三部作の方が好き。人間の本質は歓喜によりも悲哀に満ちたとき現れますし、そこで人がどう行動するかへもの凄く興味があるからです。

後期三部作の中でも最終話の『心』が一番印象に残りました。”先生”がどんな気持ちで遺書を書いたか、想像するだけで自分の胸が張り裂けそうになるからです。あまりにテーマが重厚過ぎて再読欲は低めです。半年ぐらい間を開けなきゃまた読む気になれません。

 

【読書】HowTo:ファスト教養 10分で答えが欲しい人たち@レジー (6/18-6/19)

  • 面白度:5/5
  • 読後感:1/5
  • 再読欲:1/5

世間で用いられる『教養』という言葉の使い方へ徐々に違和感を覚えるように。自分とインフルエンサーとで『教養』が示す内容が全く違うのではないかと思ったのです。教養系YouTuberの動画を見ても教養を得られた実感がない。(こんなものばかり見ていたら頭が悪くなる)と嫌悪感さえ抱いたほど。本書を読んでみて”予感は当たっていた”と分かりました。

  • 自分:コスパ度外視で”人生を豊かにするため”好奇心ベースで吸収するもの
  • 世間:”手っ取り早く成果を出すため”利益ベースでコスパ良く学習するもの

と『教養』の示す内容が180度異なっていたのです。自分は国から給料を貰いながら研究している恵まれた身なのでコスパ度外視で本を読める。しかし、余裕のない現代社会に放り込まれたら私もコスパを重視し出すかもしれない…

現代社会と『教養』に焦点を当てた本書は非常に興味深い。しかし本書も”コスパ良く”『教養』の正体を説く本なのでおそらく再読はしないでしょう。

 

【読書】芸術:日本美術史@山下裕二 (6/20)

  • 面白度:4/5
  • 読後感:1/5
  • 再読欲:3/5

研究の発表資料デザインのヒントを得るため図書館で2週間レンタルしました。古代から現代までの芸術作品のエッセンスを吸収できて勉強になりました。私、大学受験では社会科目に日本史を選択したんです。2年連続でセンター試験 (現:共通テスト)で92点を取るほど勉強に熱中。日本史の教科書で見た覚えのある写真をまた見られて (懐かしいなぁ…)と思いました。定期的に図書館から借りて読み返したい資料集です^ ^

 

【読書】日本文学:美しい星@三島由紀夫 (6/20~6/23)

  • 面白度:5/5
  • 読後感:5/5
  • 再読欲:5/5

三島由紀夫さんの有名な作品は大学三年生の時に一通り読みました。新潮文庫から出版された三島文学 (40作近く…?)は全部読んだ。中でも『金閣寺』は別格中の別格。最初の数行を読んだだけで「ホンモノやわ…」と愕然とさせられます。6/20~6/23にかけて読んだ『美しい星』はまた別の意味で別格です。自分が何のために生きるか?崇高な目的を深~く考えさせられる一冊。終盤には『カラマーゾフの兄弟』における大審問官を連想させる一章があります。一読しただけじゃサッパリ分からん。夏休みの間にもう一度読んで内容を咀嚼したい所。

 

【読書】HowTo:地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」 (6/24)

  • 面白度:1.5/5
  • 読後感:1/5
  • 再読欲:1/5

やはりビジネス書は苦手ですね… ページをめくるにつれどんどん”読みたくないアレルギー”が重症化します。

 

【読書】日本文学:夏目漱石全集7 明暗 (6/25~6/30)

  • 面白度:5/5
  • 読後感:5/5
  • 再読欲:5/5

『明暗』は漱石さんの最後の作品。未完成なままお亡くなりになられました。それまで仲の良かったとある夫婦にひょんなことから亀裂が走る。主人公・津田 (男)が過去の未練を晴らしに元・婚約相手のいる温泉へ向かうのですが、元カノと出会ってしゃべっているうちに急にストーリーが終わってしまう。未完の作品はその後の展開を想像するのが面白い。円熟した漱石さんの作品はただでさえ非常に面白いのに、ソレが未完とあっては想像 (妄想?)に拍車が入って止まらなくなるのです。ひょっとすると漱石文学で最も面白いのは『明暗』かも。次点に『心』か『行人』が来て、その次は『吾輩は猫である』ですね。

 

【素読】日本文学:紫の火花@岡潔 (5/31~6/12)

  • 面白度:3/5
  • 読後感:3/5
  • 再読欲:1/5

日本史上最高の数学者として呼び声の高い、岡潔 (おか きよし)さんのエッセイを音読しました。「研究には情緒が不可欠だ」とか「詰め込み教育はダメだ」とかいった主張には完全同意ですが、別書『春宵十話 (しゅんしょうじゅうわ)』とほぼ同じ内容だったのでまた読みたいとは思いません。『春宵十話』の方が文字が大きくて音読しやすいんですよね…笑。『紫の火花』はフォントが小さい!音読じゃなければきっと途中で投げ出していたに違いありません。

 

【素読】HowTo:思考の整理学@外山滋比古 (6/13~6/21)

  • 面白度:5/5
  • 読後感:3/5
  • 再読欲:5/5

北大初年度から一年に一度は読み返しているお気に入りの作品を音読しました。大学受験から脳を解毒し、自分で物事を考えるヒントを事あるごとにくれた本。今までは黙読で読んでいたのを今回初めて音読で通読。黙読で見逃していた細かな事項を残らず拾えて良かったです^ ^。東大や京大でロングセラーなだけあって勉強の本質が詰まっています。大学初年度は教養科目ではなく『思考の整理学』を教えたらいいのでは?

 

【素読】日本文学:歎異抄@唯円 (6/22~6/26)

  • 面白度:4/5
  • 読後感:4/5
  • 再読欲:1/5

現代日本は仏教と神道という二宗派がケンカせず共存している。したがって仏教だけ、神道だけ勉強するわけにはどうしても行かないのです。『歎異抄』は親鸞聖人の弟子が後世に向けて残した作品。悪人正機説を始めとして様々な教えが書かれています。西洋哲学が研究の方向を”己”に向け始めたのはつい数百年前。「考えに考えて考え抜くこと」をテーマに歴史を蓄積してきた。しかし仏教は数千年前から”己”を主軸に歴史を蓄積。西洋と違い、「言葉で考えないこと (無差別智で考えること)」をテーマに人の幸せを模索してきた。私としては仏教的な「考えずに考えること」の方が性に合います。だから『歎異抄』で説かれた教えが結構しっくりと来るのです。しかし「考えずに考える」ことを実践するには、『歎異抄』に書かれた「コトバ」自体が実践の妨げになるのです。再読の機会はもう訪れないかと思いますけれども、ふとした時に読みたくなる可能性があるので蔵書として保存します。

2023年7月に読んだ15冊の本一覧

2023-07-31

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