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練習内容の詳細解説
ジョグ:距離ではなく時間で負荷を管理。 (楽だなぁ)と思えるペースで時計を見ずに走っていた
練習の大半を占めるジョギングでは、練習前に(最長○○分走ろう!)と走行時間だけ決めてから走り始めておりました。
感覚がイマイチな時は早めに切り上げて終了し、逆に絶好調の時でも最長時間以上はケガ予防のため走りませんでした。
レース4か月前は60分ジョグを基礎練とし、それからレースが近づくにつれ70分、75分、……と練習時間を少しずつ延ばしました。
平日の最長ジョギング時間は120分ほど。余力は週末のロングジョグに温存しておき、平日はサクッと簡単に練習を済ませました。
ジョグのペースに関しては、コレはもう完全に毎日感覚で決めていました。
ランニングウォッチを見て微修正するのではなく、その日その日に (楽だなぁ)と感じるペースで体調に合わせて走っていました。
具体的なペースは4’50″~5’05″/km。
ただ、調子が良ければ平均4’45″/kmペースで走った日もあるし、逆に週末にロング走をして迎えた翌週の火曜など疲れが抜けきっていない日は5’15″/kmぐらいのペースでした。
手首にランニングウォッチを巻いて走っておりましたけれども、走り始めて1km後にウォッチの動作確認を済ませて以降は練習終了まで時計を見ませんでした。
自動ラップ音は集中を乱されるのでそのアラーム音はミュートにし、練習時間の終了を知らせるサウンドが鳴るよう設定してから走り始めておりました。
なお、ジョグも含め、以降に述べる練習はすべてアスファルト上にて行いました。
以前はウッドチップなど不整地コースでも練習をしていたのですが、不整地だと着地衝撃による前腿の強化が走行距離の割に捗らず、(効率が悪いなぁ)と感じて不整地を使わなくなったのです。
加えて、(どうせウルトラ本番ではアスファルト上を走り続けるのだから、練習でもアスファルトの上を走って慣れておくべきだろう)と考えました。
固い路面を走りぬくにはその路面に馴染んでおかねばなりませんし、普段からアスファルトの上を走っておけば自然と慣れられるはずだと思ったのです。
ちなみに、すべての練習は文字通り朝飯前、一日の最初の食事の前に実施しました。
私の場合、普段から一日二食 (11時&18時から各30分程度)ですので、起きてすぐトレーニングをし、練習後落ち着いてから食事を摂るというスタイルでした。
空腹状態で走れば脂肪燃焼回路を刺激しながらトレーニングができ、燃費の良い体質を作り上げることが可能です。
ウルトラを走るうえで燃費ってすごく大切です。体内のエネルギーをどれだけ有効活用できるかが失速し始める地点を左右するのです。
橋ダッシュ:ピッチと姿勢を強く意識し、ジョグ後に数本、フルパワーで駆け上がった
橋ダッシュは普段のジョギングの後にしていました。
距離は100m、勾配はキツめ(10度ぐらい?)の上り坂、回数はジョグの疲れによって3~5本と幅を持たせていました。
橋ダッシュでは自身の最高出力を高めることを目標とし、その日に発揮できる自分のフルパワーで一本一本ダッシュしました。
馬力が上がるに伴いレースペース走行時の余裕度が高まりますし、体感で決めている普段のジョグペースも自然と上がってきますので、自身の練習を全体的にレベルアップさせることが可能となります。
橋ダッシュはピッチと姿勢に注意して行いました。
なるべく足の回転数を上げることで足の回りを良くしたり、地面からの反力を最大限有効活用できるフォームを作ったりしました。
橋ダッシュをやっていて良かったのは、足の筋肉の弾力性が格段に高まった点になります。
橋を全力で駆け上がる際には足へ強い負荷がかかるのですが、そうした練習を無理のない範囲でやっていたらいつの間にか筋肉のしなやかさが格段に増加しました。
特に効果があったのはふくらはぎです。柔軟性が高まった結果、一か月の走行距離を500kmまで増やしても全く違和感が生じませんでした。
私、昔はロング走をするたびにふくらはぎをケガしていたんです。しかし、今回のウルトラに向けてジョグ後に橋ダッシュをやるようにしてみた所、ケガする予兆すら見られないままウルトラの大会を迎えられました。
なお、橋ダッシュは即効性のない練習です。
やっても最初は効果がみられず、
と私自身、何度かやめてしまいそうになっていました。
しかし、やれば必ず最大出力は向上しますし、『ケガしにくくなる』ですとか『フォームが崩れにくくなる』ですとか地味でも大切な所に効いてきます。
効果が出るまで3か月ほど継続してやってみてください。3か月後には今よりワンランク高いステージで練習できるようになっているはずです。
また、もし近くに橋や坂道などお手頃な上り坂がない場合、平地でダッシュして頂いても全く問題ありません。
平地では最大出力を発揮する際に上り坂より速いスピードが必要となるため、ジョグ後、もしくは十分にウォーミングアップを済ませた後など、筋肉を十分温めてからケガしないよう注意して行って下さい^^
ロング走:練習前に決めた時間中、終始楽なペースを維持し続けた。脂肪燃焼効率向上のため、必ず無補給で練習を遂行した
ウルトラサブ10を目指す上で、ロング走は一番大切な練習です。
普段のジョグも橋ダッシュも、この後述べる筋トレも、ロング走でのパフォーマンスを向上させるためにやったと言っても過言ではありません。
もちろん練習のために練習をしてしまっては元も子もないのですが、ロング走をまともに走れるようにならなければ100kmの完走は見えてきません。
ウルトラの走りに直結する実戦力を養えるため、ロング走はウルトラトレーニングの中で最も重視して行っていました。
ロング走では普段のジョグと同じく、練習前に走行時間を決めてから走り出すようにしていました。
ただジョグと大きく異なるのが、決めた時間は意地でも走り通すようにしていた点です。
ジョグでは体調がすぐれなければ早めに切り上げ翌日に備えていたものの、ロング走では体調が悪いなりに (どうやったら楽に走れるかな??)と試行錯誤しては知り抜いておりました。
というのも、練習の段階で長い距離から逃げていては”逃げ癖”がついてしまいますし、どんなコンディションでも完走することで”完走力”なるものが身に着くのではないか?と考えたからです。
150分なら150分、180分なら180分、何が何でも路上で走り続けていたおかげでメンタルを鍛えることができました。
ウルトラって終盤は超ツラいですから、そんな中でも動けるよう精神面を鍛えておくと本番で苦しくなってから馬鹿力を発揮できます。
根性論みたいになってしまってホンマ申し訳ないのですが、ウルトラに関してはごめんなさい、メンタルはめちゃめちゃ大事です。
エネルギーも脚力も尽きたとき、頼れるものって心しかないのですから (一度ウルトラをお走りになれば私の申し上げた言葉の意味がお分かりになるはずです)。
具体的なトレーニング方法として、まずペースは終始楽な速さで走っていました。
ペースはレース本番で走るのと同じ速さ。私の場合だと4’45″~5’05″/kmでの巡航でした。
走行時間に関しては、レースが近づくに伴い少しずつ延ばしていきました。
120分(レース4か月前)→150分 (レース4~2.5か月前)→180分 (レース2.5~1か月前)と、段階的に走る時間を増やしました。
”無理して増やした”というよりも、”意図せず自然と増えた”という感覚でした。
ロング走を何回もしているとメンタル面でも肉体面でも持久力がすごく高まりますから、(前まで走っていた時間じゃ物足らない。もっと走りたい!)と思って勝手に走行時間が増えちゃいました。
最終的にはウルトラ6週間前の週末に
- 金曜:120分間走 (約24km)
- 土曜:150分間走 (約31km)
- 日曜:195分間走 (約40km)
と3日間で90km以上の走行ができるようになりました。
50km以上の練習はダメージを鑑みて一度もやらず、走行した総距離でもって強化していったという形になります。
なお、コレは結構重要なポイントですが、ロング走は必ず無補給(飲み食いなし)で走り通すようにしていました。
キロ5分程度で180分も走れば体内の糖質はおおよそ枯渇しますけれども、ソコをあえて無補給で練習して枯渇状態を作れば、ロング走のたびに体の糖質貯蔵可能量を少しずつ増やしていけるのです (註:そこそこ危険なのでオススメはしません)。
私の場合、最初は150分、距離にして約30kmの走行でエネルギーが枯渇してしまう状態でした。
しかし、粘り強くロング走を続けた結果、最終的には200分、走行距離40km以上の無補給ランでも (まだまだいけるぞ!!)と戦意に満ち満ちた状態で練習を終えられておりました。
起伏走:レースより険しい坂を上って自信をつけ、下りでは速くなりすぎないフォームを探りながら走った
ウルトラサブ10を目指すにあたり外せない練習が起伏走です。
起伏走とは読んで字のごとくアップダウンのある道を走る練習であり、やればやるほどレースで通用する実戦力を大幅に向上させられます。
私の場合、起伏走はレースに向けて計4回実施しました。
ホントは3週間に一度の頻度で実施したかったのですけれども、出張や大雪などで坂道コースを多用できずに四度の実施にとどまりました。
その4回の起伏走において、毎回レースより遥かに険しい坂道を登坂するようにしておりました。
具体的な斜度は最大25度。平均でも7~8度はある坂をグイグイ駆け上がっていきました。
こうしためちゃめちゃ厳しい坂を上ることで、自身に自信を付けられます (←意図せず駄洒落になっちゃいました)。
おかげでレースでは
と坂をのんでかかることができ、実際に激坂区間をそこまで苦労せずに乗り越えられました。
また、上り坂では心拍数がウソみたいに跳ね上がります。
ゼーハー言いながら必死に登坂することで馬力や心肺機能がよく鍛えられ、坂道はもちろん、平地をも楽に走れるようになってきます。
一方で下り坂では、なるべくペースが上がらないフォームを探しながらずっと走っておりました。
下り坂では着地の度に足 (特に前腿) へ強烈な衝撃がかかりますが、その衝撃はペースが上がるに伴いどんどん大きくなっていきます。
その否応なく受ける着地衝撃をどこまで抑えられるかがウルトラで良いタイムを出すために重要となります。
着地衝撃を防ぐことは不可能。それを踏まえ、”如何に足へのダメージを抑えるか”と頭を絞っていく必要があるのです。
私の場合、下り坂では背中の腰の少し上の部分に力を入れることでエンジンブレーキを掛けながら走れるようになりました。
最初は太ももを使って文字通りフットブレーキを掛けながらゆっくり下る練習をしていたのですが、それだとバーッと坂を駆け下りるのと同じぐらい腿が疲れてしまっておりました。
そこで姿勢や筋肉の使い方を色々と変え、”あーでもない、こーでもない”と走り方を研究してみました。
すると、ウルトラ1週間前に行ったレース前最後の起伏走にて”コレだっ!”という感覚を得られまして、その感覚を忘れずレースまで持って行った結果、本番では下りで暴走せず力を温存できて9時間1分で帰ってこられたわけであります。
上記の”背中の腰の…”云々の感覚は十人十色だと思います。
なので読者の皆さんも下り坂で各自色々とお試しになり、各々にピッタリな坂の下り方を見つけていただきたいと考えています。
走るトレーニングの解説はコレで以上になります。
最後に、筋トレとその他の補強トレーニングについて説明します。