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【理不尽】国体に向けた乗馬の練習で特にキツかったものTOP3

第一位:160cmの大障害を飛越 (高二)

vol.8 高校2年生、恋に乗馬に|青春駆ける ~馬術に情熱の全てを捧げた10年間の成長の足跡~

2023-08-29
  • 心のキツさ:★★★★★
  • 技のキツさ:★★★★★
  • 体のキツさ:★★★☆☆

キツかった練習・第一位はダントツでコレ。忘れもしない高二の夏、この世の地獄を体験しました。

 

高二の8/2、人生初の彼女ができた。お相手は同じ乗馬クラブの子。沼に突っ込み泥だらけになったのを大笑いされた女の子です。彼女ができて欣喜雀躍。翌朝、乗馬クラブでニヤニヤしながら厩舎掃除。あまりに幸せそうな私を見た先生から、まだ何も伝えていないのに「お前、彼女でもできたのか?」と図星を指されて冷や汗をかく。まさか交際12時間以内に誰かにバレるとは思ってもおらず、驚愕しながら「…はい」と返すので精一杯になりました。

12時過ぎから障害レッスン。乗ったのは前述のオーロラくん。その日の練習はコンビネーション。横木やクロス、垂直障害をリズミカルに飛越する練習です↓

C障害の初期設定値は80cm程度の高さでした。それの遥か上をバコーンと飛ぶと、先生に20cm上げられ100cmに。100も難なくクリアします。次の110、その次の120も問題なく完飛しました。私、これまでにオーロラと120cmまでなら飛んだことがあります。次の130cmは未経験の領域。先生に「飛べーい」と言われて飛越する自信がありませんでした。しかしオーロラ、優秀です。130もあっさり飛越しました。”こんなに余裕で飛越するのか?!”と思わず拍子抜けしたほどです。

さらに10cm上がって140cmに。140なんてもはや壁。怖い。向かうのが恐ろしい。 (いつになったら練習が終わるんだ…)とげんなりし始めました。飛ばねば練習は終わりません。覚悟を固め、オーロラをコンビネーションへとアプローチしてC障害へ。オーロラ、さすがに一瞬、躊躇。でも根はやはりいい子です。「おりゃー!」と140の上を完飛。飛越後、「どう?ぼく頑張ったでしょ?」と言わんばかりに私の方を見つめてきました。「頑張った頑張った。えらいえらい」と顔や肩を撫でてあげた。

練習はまだまだ終わりません。さらに10cm上がって150に。150cmなんて国産馬、ましてサラブレッドで飛越するものじゃないんですよ。強靭な肉体を持つ外国産馬でようやく飛越できるかどうかって感じ。私、ついつい弱音が漏れます。「先生。コレは厳しいんじゃないですか……?」と。先生はたちまち激おこぷんぷん丸に。「黙って飛べ!はよ行けや!オレもこんな高いの飛ぶの怖いけどと全く取り合ってくれません。もはや諦めの境地に到達。やらなきゃ終わらないんですもの。オーロラに「頼むぞ」と願をかけてコンビネーションへと向かいます。A、Bと難なく飛越し、そのリズムで150のC障害を完飛。もうね、嬉しくて涙が出ましたよ。「オーロラ、頑張ってくれてありがとう…泣」と。まさか150を飛越できるだなんて思ってもいませんでした。飛越後、150の障害を振り返って見て (すんごいもの飛んだなぁ…)とあっけにとられた。

ウチの先生は超ドS。これぐらいでは終わってくれない。「ついでに行っとけ~」と160cmの障害を用意。オーロラもビックリ。「オレ、コレ飛ぶの?」と目を見開き私を凝視してきた。「残念ながらそうらしいぞ」とオーロラに苦虫を噛みながら宣告を下す。”やるしかない”と気持ちを高めていざ、大障害の待つコンビネーションへ。いくら優秀なオーロラといえども160cmは高くて落とす。4回連続であと少しの所を前脚が触れて落としてしまった。

ココで先生、「次落としたら坊主にするぞ」とまさか、まさかのご発言。彼女ができて12時間以内に坊主ですか。そりゃないよ、先生笑!。坊主頭で彼女とデートだなんてそんなのイヤだ、毛を生やして行きたい。オーロラに「頼む、あと一回でいいから完飛してくれ…」と半泣きで必死に懇願しました。オーロラ、「分かった、おれに任せろ」と勇み足でコンビネーションへ。今度は160を完璧に飛越。「ありがとう、ホントにありがとう…」と再度泣きながらオーロラへお礼。

オーロラから降り、馬体を丸洗いしてキレイに手入れ。坊主にならずとも済んだお礼にいつも以上の丁寧な手入れ。洗い場にて先生から、「彼女できたんやから160ぐらい飛べて当たり前や」と謎の叱責を食らいます。私が大障害を飛越させられたのはどうやら彼女ができたからみたい (←よく分かりませんね)。ちなみにこの日の約2か月後、クラブ内でオーロラと130cmのコース走行を行い、無落下で走り切りました。160を飛越したおかげで130がすごく低く見えました。

 

最後に

国体に向けた乗馬の練習で特にキツかったものTOP3は以上です。今回取り上げなかったモノ以外にも

  • 鐙なしで100cmのコース走行
  • 鞍なしで他の会員さんのレッスンに混じって45分間のフラットワーク (*障害飛越も)
  • ポニーで高さ80cm/幅2mのオクサー障害を飛越 (*飛越できずに自分だけ障害の2m向こう側へ吹っ飛ばされた)

などエクストリームな練習を行ってきました。

乗馬の練習は心技体ともに極めてハード。中高生の若い時期だからこそできたモノが多いです。キツければキツいほど記憶に強く残るもの。中高生ライダーの方には”大人になった時に良き思い出となるだろう”と割り切ってもらい、大変な練習にもめげずに頑張っていただきたいなと思います。

 

以上です。

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