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【理不尽】国体に向けた乗馬の練習で特にキツかったものTOP3

こんにちは!馬術競技から陸上競技に転向したマラソン自己ベスト2時間47分の北大工学系大学院生のかめ (D1)です。 小学4年生から大学2年生まで乗馬を10年間やっており、中学3年次には国体優勝、中3から高3まで4年連続で国体入賞を達成しました。この記事では、国体に向けた乗馬の練習で特にキツかったものTOP3をご紹介します。

  • 全国優勝に向け頑張っていらっしゃる全国の少年ライダーさん
  • 乗馬の技術を高めるヒントを得たいとお考えのベテランライダーさん

こうした方々にピッタリな内容なので是非最後までご覧ください。

かめ
それでは早速始めましょう!

 

第三位:夏休み恒例8頭コース (中三&高二)

国体

vol.6 中学3年生、国体で勝つ|青春駆ける ~馬術に情熱の全てを捧げた10年間の成長の足跡~

2023-08-27
  • 心のキツさ:★★★☆☆
  • 技のキツさ:★★☆☆☆
  • 体のキツさ:★★★★★

第三位は『夏休み恒例8頭コース』。その名の通り、夏休みに毎日8頭もの練習をこなす特訓になります。中三と高二の2期間実行。体力的に本当に辛くてヒーヒー言いながらやっていました。

全国の乗馬クラブは人手不足に悩んでいます。募集をかけても応募が来ず、スタッフさんは青息吐息で朝から晩まで働いていらっしゃる。特に骨が折れるのは午前中の厩舎掃除。一人で何頭もの馬のお部屋を掃除するのは重労働。お疲れのスタッフさんからしてみれば、厩舎掃除を手伝ってくれる人の存在がすご~く有難い。まして、スタッフさんよりたくさんの数の部屋を掃除してくれる人は神様に見える。タダで掃除して下さる神様に対して乗馬クラブは何かお礼をします。私の場合、ソレが「好きなだけクラブの馬に乗っていいぞ」というモノだったのです。

厩舎掃除後、その日に乗っても構わない馬を乗馬の先生から教えて頂く。その場で「じゃあ○○と△△と□□に乗ります」と返事し乗る馬を確定させる。馬乗り放題コースがスタートした頃は一日3頭前後の運動。午前中・午後・夕方の三回に分けゆっくりと馬に乗る形。コレなら体は疲れません。一頭一頭集中して乗るから体よりも頭の方が疲れたぐらい。

ところが中三の夏休み半ばから乗る馬の数が増えていきます。「コレとコレとコレと……とコレに乗っとけ」と8頭もの馬を指定されるように。そりゃまぁ、たくさん乗せていただけるのは非常に嬉しいんですよ。でもね、量にも限度がありまして笑。集中して乗れる限界が一日3頭だったのに、急に倍以上の馬に乗ったら頭や体がおかしくなります (←頭は元々おかしいですが)。初めて一日8頭騎乗した時は腕がちぎれるかと思いました。最後の方なんて駆歩中、馬の首振りについて行けずにあわや落馬しそうになったほど。コレ、怖いのが、翌日もその翌日も8頭乗らなきゃいけないんですよね。ボロボロな体で翌日、乗馬クラブへ向かうのがめちゃくちゃ気が重たい。いくら元気な中高生と言えど、一晩寝たぐらいじゃ体は回復しきらないのです。休養日は乗馬クラブの休業日 (火曜日)のみ。週6で8頭乗り続けたのがキツかった練習・第三位です。

かめ
高一で8頭コースをやらなかったのは乗馬クラブの人手が充足したのも一因ですが、中三でやった8頭コースがあまりにキツすぎて”やりたくない”と拒否反応が生じたからです。高一の国体で失敗した原因を (8頭コースをやらなったせいかな?)と考え、高二では再び地獄の8頭コースをやって己を鍛えることに

 

第二位:水濠障害練習。下水の沼に落馬 (高一)

vol.7 高校1年生、連覇はならずも|青春駆ける ~馬術に情熱の全てを捧げた10年間の成長の足跡~

2023-08-28
  • 心のキツさ:★★★★★
  • 技のキツさ:★★☆☆☆
  • 体のキツさ:★★☆☆☆

第二位はダービーの練習。中でも水濠練習が大変でしたね。

馬術競技には何種類かあります。私の場合、馬と一緒に障害物を飛び越える”障害馬術”というモノをメインにやっていました。障害馬術の中でも異彩を放つのが『ダービー競技』になっております。ダービーとは、丸太や段差、水濠に笹など、自然物からなる障害物を飛越する競技です。通常の障害飛越とは異なり、自然物を飛び越えるのには少々特別なテクニックが必要。踏切り位置の調整、飛越中の騎手の姿勢、飛越後の操作など、障害それぞれでコツが違うので事前に練習しておかねばなりません。

中三の7月に国体本戦への出場が決まり、そこから10月初旬の本戦に向けて乗馬クラブで障害作り。坂道の真ん中に穴を掘って坂道障害を作成したり、土を固めて丸太を組み合わせてバンケット障害を作成したり↓

バンケット

その他にも平地に穴を掘り水を貯めて水濠障害を作りました。日焼けで真っ黒になりながらも障害を作って下さった方々には大変感謝しております。

中三では国体のダービーにて3位。”あと一つ障害を完飛できれば優勝”…という所で落下し勝ちを逃しました。高一で迎えた国体のダービーでは何としてでも勝ちたかった。優勝した二段階障害飛越競技よりもダービーへの思い入れは強かったです。高一の夏はダービーの練習に一層熱を注ぎ込みました。自馬ではもちろん、クラブの馬にも乗せて貰って連日、特訓を実施。昨年よりもダービー系障害の飛び方が上手くなりました。昨年までは勢いに任せて障害に突っ込む形でしたが、一つ歳を重ねた高一の今では落ち着いて障害へアプローチできるように。

そんな中、悲劇が起こりました。8月初旬、夏休みのある日。障害練習後に先生から「今日も水濠やっとけ」と言われ、「はい、分かりました」と応じて馬と水濠に向かいます。水濠障害の練習を行うのは何ら珍しくありません。これまでにもう何十回もやっているし、今回も同じ要領でパパっと飛越して終わりにしよう、と。問題なのは、その日に騎乗していた馬 (愛称:オーロラ) が水濠初体験だったこと。初体験だと水濠が怖いですから水に近寄るのを嫌がるはず。予想通り、オーロラは水に入りたがりません。「イヤだイヤだ!」と水たまりの前で停止し全く動きません。その様子を見た先生が後ろから鞭を持って追いかけてきます。前には水、後ろからは鞭。 (さすがに水の方がマシだ)と観念したのか、オーロラは水濠障害をバコーンと飛び越えました。

通常、一度飛越に成功したら水濠障害に馬は慣れます。 (な~んだ、ちゃんと飛べるじゃないか♪)と次は怖がらずに飛び越えるのです。ところがオーロラは違いました。再度水濠へアプローチすると、障害直前で「やっぱイヤだ!」と入水を嫌がり右にギュギュっと急旋回。ソコに待ち構えていたのは臭い臭い下水の沼。水濠から沼まで3mほどの距離があるも、オーロラは止まり切れずに沼へダイブしてしまいました……

沼へ落ちた衝撃により沼の中でオーロラから落馬。オーロラともども沼の中を顔中泥だらけで陸地へと泳ぐ。コレを見た先生は「お前、何やっとるんや笑!」と腹を抱えて大笑い。その様子を見ていた他の会員さんも「ごうくん、なにしとるん笑!」と大笑いです。コッチは下水を飲んで溺れそうな所を必死に泳いで耐え忍んでいる。傍から見れば笑い事だろうけど当事者としては笑い事じゃない。先に陸地へ着いたのはオーロラ。近くにいた会員さんに捕獲していただきました。その1分後に私も上陸。「臭ーい!」「まぁ、そうでしょうね…」散々な目に遭いました。

かめ
一番悲しかったのは、当時好きだった女の子の目の前で下水の沼に入っちゃったこと。女の子の前でカッコよく飛越し「カッコいいっ^^」とチヤホヤしてもらう予定だったのに、全身汚物まみれになって大笑いされるだなんて屈辱でしかありません

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