3,554 ビュー

アディゼロジャパンとアディゼロボストンの違い



この記事ではアディゼロジャパン4アディゼロボストン8の8つの違いについて解説していく。

以下ではアディゼロジャパン4をジャパン、アディゼロボストン8をボストンと略すことにする。


 

重量・履いた時感じる重さ

シューズの重さではジャパンの方が軽量である。

両者の違いは20g程度。両方のシューズを両手で持ってもハッキリと違いを認識できるほどの差はない。

若干ボストンの方が重いかな(?)と感じる程度の差しかない、と私は思っている。

 

しかし、実際に履いて走ってみると明確に重量感の違いがある。

ジャパンの方が数段階軽いように感じるのである。

ジャパンボストンよりアッパーの作りが薄い。

なのでボストンよりフィット感が良くなっている。

そのフィット感の違いから、走っている時足の動きに遅れずしっかりついていってくれる感覚はジャパンの方が強くなっている。

フィット感が良い上ボストンより軽量だから、走っている時ジャパンの方が軽く感じるのである。

ボストンのフィット感が悪いと言っているのではない。ボストンだってフィット感は抜群だ。しかし、ボストンのアッパーがジャパンよりも分厚く作られているのでシューズの紐で締められる程度に限界がある。そのためフィット感ではジャパンの方が上なのである。

 

ソールの厚さとクッション性

ミッドソール(Boostフォーム)はボストンの方が若干分厚い。

また、実際履いて走った時感じるクッション性はボストンの方が高くなっている。

ジャパンを履いてマラソンペースで走ると

  • アシックスのターサーシリーズを履いた時感じるような足の突き上げ感はない
  • だがマラソンなどの長い距離を走った時足の裏がしびれる感覚がある

それがボストンだと

  • ホカオネオネみたいにフカフカ地面を走っている感覚はない
  • だがジャパンよりクッション性があるので長距離でも足裏が痺れず走り切れる

私はこういった感想を持っている。

 

ジャパンで足裏がしびれるのは私の走り方が悪いせいかもしれない。

だが、ボストンを履いて長い距離を走った時は足裏が全く痺れないので、ジャパンよりボストンの方が高いクッション性を持つことは確かである。

 

反発力

反発力はジャパンの方が強い。

ボストンジャパンも同じBoostフォームを搭載しているが、反発力はジャパンの方が強いと断言できる。

4’15″/kmで走る時により楽に走れるのはジャパンの方だし、400mのインターバル走にて3’20″/kmで走る時に楽に走れるのもジャパンの方である。

 

反発力の差が生じる理由は、シューズの裏側にある。

写真上部のシューズ(ボストン)と下部のシューズ(ジャパン)を見比べると、両シューズの中央部分に付いている銀色のパーツに違いがある。

このパーツはトルションシステム(日本語で”ねじれシステム”)というのだが、このパーツが持つ役割が二つのシューズでそれぞれ異なっているのである。

 

ボストンの銀色のパーツは足の内側のかかと部分まで伸びている。

それに対してジャパンは土踏まずあたりのみの補強となっている。

それにより

  • ボストンの方がシューズが曲がりにくくねじれにくい⇒足の過度なねじれを抑止し、適切な動きをガイドしてくれる
  • ジャパンの方がシューズが曲がりやすく自由な動きができる⇒シューズのしなりによって大きな反発を生み出す

このような違いが生じるのである。

 

サブ4を目前としている私の父はボストンジャパン両方のシューズを愛用しているのだが、サブ4寸前の父でもボストンジャパンの反発力の差を感じることができた。

私の父より感覚が鋭いサブ3.5,サブ3レベルの方ならもっとシビアに反発力の差を感じ取ることができるはずである。

 

安定性

安定性はボストンの方が良い。

ジャパンも一般的なレーシングシューズと同じぐらいの安定感はある。

だが、ボストンジャパンの数段上を行く安定性を持っている。

 

安定性の差が生まれる理由もシューズの裏側にある。

上の写真を見ると

  • ボストンはフラットソール(前足部と後足部がつながっている)
  • ジャパンはセパレートソール(前足部と後足部が分かれている)

となっている。

フラットソール(ボストン)だと着地時に足裏全体で着地できる。

一方でセパレートソール(ジャパン)ではかかと部分とつま先部分でしか地面に接地することができない。

この接地面積の差が走行時の安定感の差となってランナーに作用する。

 

ジャパンよりボストンの方が接地面積が大きく、したがって安定性が高い。

足裏全体で衝撃を分散できるため、ボストンの方がレース後半になっても筋疲労を抑える効果もある。

フラットソールのシューズはピッチを細かく刻んで走るランナーに向いている。それはピッチ走法だと地面を蹴って進む必要が少ないためである。足裏全体で着地できるランナーはもちろんだが、”かかとから着地するけどピッチは多い”というランナーもフラットソールのシューズがオススメである。

通気性

通気性はジャパンの方が良い。

 

高温多湿な日ではボストンを着用すると足が蒸れてしまうことがある。

だがそのような日でもジャパンでは一切足が蒸れることはない。

これはジャパンボストンのアッパーの分厚さに起因するものである。

ボストンよりジャパンの方が薄いアッパーとなっているためジャパンの方が通気性が高いのだ。

 

定価

定価はボストンの方が2,200円安い。

Adidasの公式サイトでは上記の値段で購入できるが、実はAmazonや楽天ではもっと安く買える

Adidasさんにはナイショね。

 

Boost含有率

Boost含有率(ミッドソールに含まれるBoostの割合)はジャパンの方が多い。

ジャパンは90%、それに対してボストンは55%である。

 

耐久性

アウトソール、ミッドソール、アッパーの耐久性はボストンの方が高い。

 

アウトソールはボストンの方が2倍ほど分厚く、ジャパンよりはるかに長持ちする。

また、ミッドソールにはBoostに加えEVAをかませてあるため、同じ距離を走ってもBoost含有率90%のジャパンよりBoostのへたりが小さくなっている。

さらに、アッパーは分厚く丈夫な素材を使用しているため、ジャパンよりクタクタになるスピードが遅くなっている。

概して、ボストンジャパンより頑丈である。

 

ボストンとジャパンの使い分け

私はボストンジャパンの両方を使用しているが、練習内容によって使い分けをしている。

以下ではその使い分けをご紹介する。

キロ4分を切るスピード走ではジャパン

インターバル走、閾値走、1kmダッシュではジャパンを使用している。

ジャパンの方が高反発な為、より楽にスピードを出せて質の高い練習を積めるからである。

 

キロ4分半~5分ではボストン

ジョグやロング走で出すスピードのキロ4分半~5分ではボストンを使用している。

このぐらいのスピードでは反発力より安定感が欲しいため、フラットソールのボストンを私は使用している。

4分半でもジャパンで走ることはある。

だが、ジャパンではあまりにも楽に走れてしまうため、基本的にはボストンで走ることにしている。

 

フルマラソンではジャパン

サブスリーを達成したレースではジャパンを使用した。

ボストンよりクッション性が劣る分レース後半足に疲労がたまるのだが、その疲労を考慮しても弱点を上回る”反発性”というストロングポイントを私は利用したかった。

ボストンを使用していたらもっと楽に走れたかもしれないが、私はあまりピッチを刻む方ではないのでボストン向きの走りはできない。

なので、レースでジャパンを選んで正解だったと私は考えている。

 

無人島に1足持っていくなら?

もし無人島に1足だけ持っていけるとしたら、私はボストンを持っていく。

私のお気に入りはジャパンなのだが、ボストンの方が耐久性が高いので長く使用できる点はかなり大きい。

キロ4分までだったらボストンでも十分カバーできるし、フラットソールなため無人島の悪路でも十分な安定性をもたらしてくれると思う。

それゆえ無人島にはボストンを持って行った方がより質の高い練習を積めるだろう、と私は考える。

無人島には行きたくないが、万が一無人島に行くことになったら私はボストンを持っていきたい。

 

まとめ

これまでの話をまとめた表を以下に示す。

ボストンとジャパンは似ているようで違う。

この記事で読者さんの疑問が解消されたなら幸いだ。

 

以上です。

かめ
最後までご覧頂きありがとうございました!!

男性用⇓

女性用⇓


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA