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vol.5 中学2年生、壁にぶつかる|青春駆ける ~馬術に情熱の全てを捧げた10年間の成長の足跡~

前回までのあらすじ

小6の春休みからディーちゃんに騎乗。おてんば娘の気まぐれに振り回されて”乗っては落ちる”の繰り返し。出場した競技では連戦・連勝。順調な滑り出しを果たしたかに見えるも、小障害から中障害へのステップアップで躓くことに。ディーちゃんからスプラッシュへ鞍替えし、1週間後にクラブ内コンペ。100cmで優勝するなどスプラッシュの凄みを実感する日々。ただ、11月の競技では中障害の壁に直面。全く上手く走行できずに翌年・春を迎えたのでした……

vol.4 中学1年生、勝ちまくる|青春駆ける ~馬術に情熱の全てを捧げた10年間の成長の足跡~

2023-08-25

 

私が情熱の全てを捧げた10年間の乗馬生活について、『青春駆ける』と称して記事を執筆しております。

先日の第四巻では中学1年生の一年間について記しました。本記事ではシリーズ第五巻・中学2年次における乗馬生活の一年間について書きます。

かめ
それでは早速始めましょう

 

5月:競技会で6走行中5失権。(自分は何をやっているのだろう…)と本気で落ち込む

スーパーホース・スプラッシュとともに冬から春にかけ練習を積みました。その成果を試すため3月、香川県の大会に出場。110cmのコースを2回完走できました。拒止や障害の落下など思い通りにはいかなかったものの、最低限、完走はできてひと安心。

一つだけ大きな問題が。スプラッシュを気持ちよく走らせてあげなきゃ馬がリズムに乗ってこないのに、どの程度のスピードを出せばいいのか私が分からなくなってしまったのです。所属している乗馬クラブ (以下、MRC)では冬に大雪が積もります。腰の高さまで雪が積もるので屋外では練習不可能です。MRCには屋内にも練習馬場がございます。その練習馬場、屋外と比べて1/4程度の大きさなのです。小さい馬場では屋外よりも少し遅いペースで走ることに。遅く走らなきゃ角を曲がり切られず、壁と激突してしまうからです。冬季期間中、スプラッシュや他の馬に乗って”遅い”ペースで練習していました。すると、屋外で培ったペース感覚が狂って遅いペースが普通になっちゃったのです。雪が解けた3月以降、屋外での練習を再開しました。ただ、屋内での感覚をなかなか戻せず、3月の競技会でも遅いペースでコースを回ってしまいました。遅いペースでスプラッシュを走らせると障害を飛び越える時にかなりもたつきます。障害を飛ぶのに必要なパワーを得るため後ろ足で深くしゃがみこみ、飛び越えるまでに普通よりコンマ数秒遅れるような感覚です。スプラッシュは器用なので何とかこなせてしまいます。ですが、それでも遅いペースにはあまり慣れていないから、快調なペースで障害を飛ぶよりだいぶ苦しい飛越となります。生き物はみな、本能的に苦しさから逃げたいモノでしょう。(障害を飛び越えるのが苦しいのなら飛びたくないわ)と拒止されてしまう形。

中学2年次の最初の半年はスピード感に悩まされた期間でした。5月に出場した山口の大会でもスピードの無さが仇となりました。スプラッシュの他にもう一頭の馬と一緒に出たのですが、6回の走行中、なんと5回も失権 (落馬や拒止などで競技続行の権利を失うこと)してしまったのです。一大会で5回も失権する人なんて後にも先にも私ぐらいしかいないほどの惨状。障害飛越に必要なスピードを見誤り失権してしまったり、開き直ってハイペースで走ってカーブを曲がり切られず失権してしまったり。何をやってもうまく行かず、どうしたらいいかも分からない。I先生から「失権王やないか」と冗談を言われても何ら応じられませんでした。 (自分は何をやっているのだろうか…)と脳内が混乱、大混乱。今まで築き上げてきた自信は脆くも崩れ去りました

絶望の中での唯一の救いは、他の乗馬クラブから大会に出場していた同世代の女の子らにモテたこと。競技が失敗続きで落ち込む私に後ろから抱きつき励ましてくれたお姉さんも (2歳年上だったかな)。もう少し良い気分のときに抱きついてくれたら喜べたのに。しかも、わざわざI先生の目と鼻の先でギュッと抱きつかなくてもいいでしょうに。ヘタに私が二やついちゃったら、I先生から「調子乗んなよ」とこっぴどくシバかれていたはず。もっと心置きなく喜べる状況でハグを受けてみたかったなぁ…

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