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vol.5 中学2年生、壁にぶつかる|青春駆ける ~馬術に情熱の全てを捧げた10年間の成長の足跡~

学校でのいじめについて

小学4年生から始まったいじめは中学に入っても続きました。いじめっ子と離れるために中学受験へ挑んだのに、苦労して掴んだ合格の先に奴らが待ち受けていたのです。なんと私、嫌がらせを受けていた奴らの大半と同じ中学になりました。しかも中高一貫校のためあと6年間、学校で顔を合わせることに。そう分かった時の絶望たるや、凄まじいものがありました。 (何のために頑張ってきたんだ。コレなら受験せず公立中学へ進学した方が良かったじゃないか…)と。

唯一の救いは中学の生徒数。ひと学年6クラス・270人という大変な大所帯でしたから、”必ずしも同じクラスになるとは限らない”という安心感。実際、中学に入って最初のクラスには奴らの顔はありませんでした。 (良かった。コレで解放される!)と嬉しくてたまらなかったです。けれどもいじめは続きました。なんと奴ら、私のクラスメートにウソや出まかせをたくさん吹き込み、私のクラスメートに私へ嫌がらせするよう遠巻きに仕向けていたのです。殴る・蹴るといった物理的な攻撃はさすがになかった。しかし「ケツアゴ!」と身体的特徴を揶揄されたり (全然ケツアゴじゃないんですけど)、奴らから吹き込まれたであろう悪口を言われたりしていました。憧れて入った修道での生活に楽しみは何一つありません。「早く週末が来ないかなぁ…」と月曜の一限から思っていたほど。中一における修道生活の記憶が全くないんですよね。担任の顔しか覚えていないほど漆黒の日々な中一でした。

中二に入ると新クラス。いじめっ子とおさらば出来るチャンス。私の希望は叶わなかった。なんと新旧いじめっ子と同じクラスに。廊下で新クラスの名簿を見たとき「嘘だろ…」と思わず言葉が漏れた。よりによって一体どうしてこいつ等と同じクラスなのか。意外にも、中二の1学期 (4月~7月)までは穏やかな日々が続きました。 (やっとこいつ等もいじめるのを辞めてくれたか)と一息つけた期間です。しかし凪は嵐の前兆。夏休みが明けた途端に最大級の被害に見舞われました。モノを隠されたり殴られたりと毎日本当に散々な目に。胸ぐらを捕まれ私のYシャツをビリビリと引き裂かれたことも。いったい何が憎くて私をそこまでいじめるのでしょうか?私から彼らに危害を加えたことなど一度たりともありませんのに。担任が事なかれ主義でいじめをなかったことにしようとするからいじめは苛烈に。目の前でひとが殴られているのにどうして”じゃれ合い”と見なせるのだろうか笑。あんなので先生が務まるのなら私にだって先生が務まる。教員免許が如何に役立たないかを中二にして早くも実感しました。

彼らと同じ場にできるだけ居たくありませんでした。よって、学校行事はなるべく休んで乗馬クラブへ行っていました。遠足や体育祭はもちろんのこと、男子校生にとって唯一女子と接せられる文化祭までも休みました。学校でいじめっ子と顔を合わせるより乗馬クラブで馬に会う方が楽しかったから。実は、乗馬クラブにも少なからず女子がいました。同世代のお嬢さん、少し年上のお姉さん、けっこう年上でも綺麗なお姉さんなど、視界のどこかには女性がいらして出会いには事欠かなかった形 (恥ずかしくて話しかけられなかったけれども)。中学に入っても私の居場所は学校ではなく乗馬クラブ。当時の夢は医者や技術者ではなく乗馬クラブのインストラクターでした。

 

学校での残虐で過酷ないじめは中2の12月初旬まで続きました。ある日を境にパタリと止まって私を驚かせたものです。いじめっ子に聞きました、「なんで今までお前は僕をいじめてきたんだ」と。主犯格の子、何も言い返せません。ここぞとばかりに問い詰めました。目を見つめ、心をえぐるように何度も何度も質問しました。主犯格、とうとう白状します。『アイツに「いじめろ」と言われたからだ』と。彼の指差す先には私を小学時代にひどくいじめてきた奴 (K) が。KもKで酷いけれども、人に言われたから人をいじめるだなんて悲しすぎて何も言えなかった。主犯格の子からKに吹き込まれた話を全部教えてもらいました。「ソレ、全部K自身のことやぞ」と教えてあげたとき「マジかよ…」と主犯格は茫然としていました。それ以降、Kは周囲からの信頼を失い徐々に落ちぶれていきます。嘘にウソを塗り重ねた結果、誰からも信じて貰えなくなったのですね。

4年半にも及ぶ長いいじめから解放され、青々と晴れ渡った師走の空の下でグ~っと背伸び。「もう毎日怯えなくていいんだ」と嬉しくてたまりませんでした。精神状況が良くなったおかげか、学校での成績が急上昇。中1では学年270人中200位だったのに、中2の二学期には21位にまで上がったのです。馬術・学業ともに中3以降、飛躍的にレベルアップします。勢いに乗って国体優勝までしてしまいますがそれはまた次回のお話。

 

~中学3年生編に続く (*8/27投稿予定です*)~

国体

vol.6 中学3年生、国体で勝つ|青春駆ける ~馬術に情熱の全てを捧げた10年間の成長の足跡~

2023-08-27

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