私は札幌に住む現役理系大学院生である。
大学一年次の6月にジャガイモの芽を誤って食べ、一週間ほど高熱を出した激レアな経験がある。
この記事では、ジャガイモの芽を食べた時のアレコレについて書き記していく。
- ジャガイモの芽を食べたらどうなるのか知りたい人
- 実際に食べた経験のある人の経験談を知りたい人
こうした方にピッタリな内容だと思うので、ぜひ最後までご覧頂きたいと思っている。
それではさっそく始めよう。
よ〜し、今日はシチューだ!
アレは大学祭終了直後の出来事である。
(そろそろ本格的に料理を作ってみたいなぁ)と思い、不器用な自分でもできる料理について、ネットや図書館を駆け巡って考えていた。
一週間の熟考の末、シチューを作る事にした。
シチューにした理由は
- 材料を鍋に放り込むだけのお手軽料理だから
- 6月なのに肌寒く、何か温かい料理が食べたかったから
この2つである。
シチュー作成の決心を固め、クラシルで「シチュー」と検索してみた。
しかし、そこに出ているレシピはどれも複雑怪奇、卵かけご飯しか作った経験のない私には作れそうにない代物だった。
”初心者にもできる!”と書いてあるクセにみじん切りなど高度なスキルが要求されたし(みじん切りなんかできるわけないでしょ笑!)、塩コショウ少々と書いてあるのを見て「少々ってどれぐらいやねん!」とツッコミが止めどなく溢れ出てしまった。
そこで、頭の中で何となく(ニンジンとジャガイモと玉ねぎが入っていればまぁOKでしょ)と単純に考え、スーパーへ材料を調達しに行った。
何か少し黒いけど、まぁ加熱したら大丈夫っしょ!
リュックへ購入した食材をぎっしり詰め込み、すぐさま調理作業へと取り掛かった。
まずは新品の鍋に水をはり、火をつけて沸騰するまでぼーっとしていた。
しかし、沸騰して初めて”まだ野菜を切っていない事”に気が付き、急いで火を消し野菜を切った。
ニンジンに関しては皮をむくのが面倒だったので包丁でテキトーに10等分して鍋に入れ、玉ねぎについては皮を剥いで二等分し、辛さ成分で号泣させられながら細かくカットしていった。
そして最後に、この記事の主人公・ジャガイモ君の調理へと取り掛かった。
100均で買ったピーラーを用いて外側の皮を丁寧に剥ぎ取り、x, y, z軸方向にそれぞれ2等分していった。
何か少しだけジャガイモが黒いような気がしたものの、(まぁ、気のせいだろう)と思い直し、ジャボン!と鍋へ放り込んだ。
私が手を洗わずにジャガイモを触ったから汚れていたように見えたのかもしれず、もし万が一ジャガイモの芽だったとしても加熱すれば大丈夫だろうと甘く見ていた。
あれ、様子がおかしいぞ…?
野菜を入れ終え、ルーを投下して20分煮た。
鍋のふたを開けてみるとクリーム色のシチューが出来上がっており、あまりの嬉しさに大興奮で家中をはしゃぎ回った。
試しに鍋へスプーンを差し入れ、シチューの味を確認した。
あまりに熱くて舌を火傷し、猫舌の本領を発揮してしまった。
気を取り直して試食に再チャレンジし、「非常にまろやかでコクのあるシチューだ」と知ったげに自画自賛しておいた。
試食を終え、いよいよ本格的に食べようと思い、手持ちの丼にシチューを取り分け、自室の席に着いたのであった。
食べ始めた10分後ぐらいまでは良かったのである。
あまりの美味しさで思わず涙が出てしまい、(自分は天才なのだろうか)と錯覚してしまった。
しかし、少しずつ喉が痛くなってきた。
決して喉を火傷したから痛くなったわけではなく、じわじわと喉の通気口が狭まっていく感覚があった。
当時の私は(まぁ、もうちょっと食べればよくなるだろう)と何の根拠もなしに考えていた。
あまりにお腹が減っていたから体の具合が悪くなったのであって、この美味しい絶品シチューを完食すればすぐ元気になると思っていた。
声が、出ない…!!!
体が決定的におかしくなったのは食事開始30分後である。
息をするのが苦しいほど喉に苦しさを覚えていき、その場で(なんでなんでなんで?!)と大パニックに陥った。
事態を整理するため言葉を出そうにも、喉から声を出せなかったのである。
(ヤバい、声の出し方を忘れちゃったかな…)とさらに深刻なパニックに陥り、一人暮らしのため周囲に助けを求められない私はドッと冷や汗をかいたのであった。
あまりにも苦しくて朦朧とし、自分はジャガイモに殺されて死ぬのか…と絶望感でいっぱいになった。
しかし、まだこの世でやり残したものが多くあるため、(ここで死んでたまるか!)と土壇場で踏みとどまったのである。
じたばたしても状況が良くなる見込みはなく、とりあえず風呂場で冷水シャワーで文字通り頭を冷やした。
少し冷静さを取り戻し、状況を把握する余裕ができた。
一体何が原因でこれほど苦しむハメになったのか考えてみると、鍋へ最後に入れたアイツ(ジャガイモ)が原因だと思い至った。
ちょっと黒いけど大丈夫でしょ♪と見逃していたものは、実はジャガイモの芽だったのである。
加熱すれば大丈夫だと思っていたのに全く大丈夫ではなかったし、食べれば食べるほど体内に毒が回って益々苦しみは増していった。
(あの時面倒臭がらずにちゃんと処理しておけばよかった…)と深く反省し、40℃まで上がった体温のせいで悪夢にうなされたのであった。
完治まで
ジャガイモの芽摂取事件から3日間は、体温が40℃前後をさまよっていた。
大学へ行く気にもなれなかったのだが、大学へ行かなければ出席点を取れずに好成績を逃してしまうため、歯を食いしばって起き上がり、寝ないよう必死に目をこすりながら授業に参加していたのであった。
3日目までで一番辛かったのが、声が出ないのに英語のスピーキングの講義に参加せねばならなかった時である。
当時の英語の先生は講義中に生徒を指名して英語の歌を歌わせるお方であり、折悪しく指名された私は作り笑顔で声を絞り出して歌唱したのであった。
5日目ごろになると、体温は37℃前後まで低下していた。
とはいえ、私の平熱は35.5℃と低めのため37℃でも少々だるく、(この苦しさはいつまで続くんだよ…)とうんざりさせられていた。
そこで、スーパーで奮発してハーゲンダッツ(ストロベリー味)を購入した。
子供のころ、熱を出した時だけ親がハーゲンダッツを買って食べさせてくれたのを思い出し、(あぁ、懐かしい味だなぁ…)と一人感慨に耽ってむしゃむしゃと食べた。
5日目を境に、私の体調は劇的に良くなっていった。
7日目には喉の苦しさは完全に消え去り、10日目には体のだるさもなくなっていた。
何が原因かは定かではないが、一因はハーゲンダッツ投与にあると考えられる。
普段食べ慣れていない贅沢品を摂取したおかげで、内臓が「ヒャッハー!」と喜んだのであろう。
いずれにしても、私はジャガイモ毒から全快した。
ほっと一安心するとともに、”次からはちゃんと皮をむいでから食べる事にしよう”と肝に銘じた。
ジャガイモ恐怖症になるかと思いきや…
普通、ジャガイモにここまで嫌な思いをさせられたら、もう二度とジャガイモを食べたくなくなってしまうだろう。
- 絶対にジャガイモなんか食べないぞ!
- 肉じゃがを食べるにしても”じゃが”抜きで食べるぞ!
このように考えても何ら不思議ではないのである。
しかし、あれほど痛い目に遭わされたのに、私はジャガイモを嫌いにならなかった。
ジャガイモではなくシチューを嫌いになったし(笑)、男子高時代に女子を見かけた時と同じように、スーパーでシチューのルーを見かけたらビクッと立ちすくむようになった。
ここ最近では、カレーを作るためにたっぷりとジャガイモを使用した記憶がある。
ジャガイモが購入時の4/5程度の大きさになるまでしっかりとピーラーで前処理し、ジャガイモをくまなく観察して、芽がついていないかよく確認した上で料理に使用するよう心掛けている。
最後に
私がジャガイモの芽を食べた時の話は以上である。
私の話を教訓に、皆さんには絶対に芽を食べてほしくないと考えている。
間違って芽を食べた時は、特効薬としてハーゲンダッツが有効である。
まぁ、食べないに越した事はないだろうから、皆さんはしっかりと前処理したのち、ジャガイモを料理に使って頂きたいと思っている。
以上です。
母からも祖母からもジャガイモの芽はしっかり取ってねといわれてきましたが,正直そこまで重要視していませんでした(・・;)このような体験談もとてもありがたいです……m(_ _)m
かめさんのブログ,楽しく拝見しています!いつもありがとうございます(*^^*)
ポテ女さん、コメントありがとうございます。
ジャガイモの芽にはホントに気をつけて下さいね。
冗談抜きで死ぬかと思うほど苦しかったですから…
いつも見て下さってありがとうございます(*≧∀≦*)
これからも不定期で更新するので、ときどきのぞきに来て下さい^ ^
マラソンソラマ かめより