私の初マラソンは2018年11月の作.AC真駒内マラソン。
大学生になってランニングを始め、(一度ぐらいはフルマラソンを走ってみたい!)という思いからエントリーを決意した。
ビギナーズラックもあってか、初マラソンでは特にトラブルもなく3時間10分でゴールすることができた。
この記事では、
- 初マラソンで履いたシューズ
- 初マラソンに挑むまでに行った練習
これらについて書いていく。
練習と本番で履いたシューズ
初マラソンを完走するまで、私はシューズを使い分けるという発想を持っていなかった。
それに加え、私はあまりものを持ちたくないミニマリスト気質であったため、全ての練習を1足でこなしていた。
使用していたのはターサージールTS4⇩
このシューズを2018年3月に購入し、11月のマラソン本番までアウトソールがツルツルになるまでずっと履き続けた。
TS4を選んだ決め手は見た目である。
クッション性とか、反発力とか、機能面のことは全く考えなかった。
当時は知識が皆無だったため、シューズ選びに一番大切なのは見た目だと思っていた(今思うとゾっとするぜ…)。
しかも、自分は何となく26.5cmの幅広サイズが合うと思っていたので、スポーツショップでは試着することなくレジに持って行くという内村航平もお顔真っ青なH難度の離れ業をサラッとやってのけたのだった。
前述の通り、全ての練習でTS4を履いていたため、7月ごろにはアウトソールのイボイボが完璧になくなっていた。
ただ、それでも特に問題を感じることはなく、(走っていてもケガしないんだから別にいいんじゃないの?)というノリが全てを解決し、むしろボロボロになってもまだ律儀に足を守り続けてくれるTS4に対してどんどん愛着が湧いてきた。
10月ごろにはさすがにグリップ力に難を感じ始めたためシューズの購入を考えたが、TS4への愛着がシューズ購入願望を上回った事で、結局、マラソン本番は走行距離1,500kmオーバーのボロボロシューズで挑むことになった。
これでよく走り切れたものだ…無知というのは恐ろしいモノである。
むしろその逆で、シューズは2足以上持っていた方がいいし、毎日同じシューズを使うのではなく、適宜使い分けた方が絶対に良いですよという事を伝えたいのだ。
毎日同じシューズを履くと、靴のクッションが回復しないうちにまた使う事になるため、すごい勢いでクッション性が落ちていくのである。
過去の私に言ってあげたい…「ケチらずシューズは2足買え」って。
初マラソンに挑むまでに行った練習
次に、初マラソンを攻略するまでに行っていた練習について書いていく。
当時の私は本当に無知だったが、市民ランナーである父から
と教わっていたので、30km走だけはちゃんとやっていた。
ボロボロシューズでもマラソンを走り切れたのは、30km走をやっていたことが非常に大きかったかなと考えている。
とはいえ30km走だけしかやっていなかったわけではないので、以下では初マラソン前の諸練習について解説していく。
週4~5で早朝練習
まず、練習頻度についてだが、私は週4~5の頻度でランニングしていた。
また、練習時間は必ず早朝(5時半ごろスタート)であった。
なぜ早朝に走ったかというと、ランニングついでに寝癖を直したかったからである。
私は寝る時にベッドの上で酷くのたうち回る習性があるらしく、自分でも笑ってしまうぐらいの寝癖が毎朝ついてしまうのだが、ランニングした後シャワーを浴びれば
- 汗も流せるし
- 寝癖も治るし
- スッキリするし
という一石三鳥が見込めるため、何があっても早起きして早朝に練習することをマイルールとして暮らしていた。
ジョグ
日々のジョグは7.5kmを平均キロ6分ペースで走る事が大半だった。
最初の1kmをキロ7ぐらいで入り、そこから徐々にペースを上げていき、最終的にはキロ5分15秒ぐらいまで上がって終了していた。
当時の私はウォーミングアップをするのが非常に面倒だと感じていたため、最初の1kmをゆっくり走って筋肉や血の巡りを活性化させることでアップの代わりにしていた。
たまに調子がすこぶるよい日があり、そんな日は遠慮せず12kmや15kmぐらい走っていたものの、ほとんどの練習では7.5kmで終了してシャワーを浴び、そこから大学へ行く準備をゆっくりと行っていたのだった。
上で述べたジョグペースは、ダニエルズ計算機で3:10:00と入力して得られるEasyペースよりかなり遅めの速さである。
キロ6ペースでも十分効果のある練習になっていたのは、練習を早朝に行っていたためだと考えられる。
朝飯前の早朝だと、体内の糖質が少ないため、食事後の昼や夕方よりも体の動きが若干悪くなるのだ。
そんなハングリーな状態で練習していたおかげで、いつの間にか脂肪代謝能力が養われて生き、少々小さい負荷でもマラソンを4’30″/kmペースで走り切るための基礎力が養成されたのだろうと考えている。
普段は走る前に食事を摂らないため、マラソンを走っている最中はちょっとだけお腹の違和感があったのだが、糖質をしっかり補給した効果は目覚ましいものがあり、本番では全くガス欠を起こさず完走できた。
あと、すごくどうでも良い話だが、マラソン後夜祭として当時の彼女と行った牛角食べ放題は鼻から牛肉が飛び出るぐらいおいしかった。
あんなおいしいお肉は食べたことがなかったため、あまりのおいしさに彼女の隣で少々涙ぐんだことを記憶している。
ジョグの最後に1kmダッシュ
9月の初めから、ジョグの最後1kmをダッシュして終わるようになった。
この練習を取り入れた理由は、夏休みに帰省した際、市民ランナーである父から
と教わり、(なんだかすごく効果がありそうだ!!)と私の直感が叫んだためである。
ちょうど9月下旬に北海道の美唄(びばい)でハーフマラソンを走る予定があったため、そこで好結果を残せたらいいなと思って1kmダッシュをやり始めた。
今までスピードを出す練習を全くやって来なかった私にとってこの刺激はとてつもなく良い影響があったのだ。
ダッシュをやり始めた当初は、ペース配分を間違え前半から猛ダッシュしたため最後まで息が続かなかった。
しかし、一度コツをつかむないなや、キロ4をちょっと切るぐらいのペースで1kmを走る事が出来るようになった。
たまにキロ4を切れない日もあったが、おおむね3’55″ぐらいで走り切れていた。
こうして心拍数を上げる機会を設けることで、普段のジョグの余裕度が劇的に向上していき、キロ6分ペースでしかジョグできなかったのが、ハーフ直前にはキロ5分半ペースで楽にスイスイ巡行できるようになったのだ。
この1kmダッシュのおかげで、9月の美唄ハーフは当時の自己ベストを3分更新する1時間32分でゴールできた。
また、マラソン本番まで継続して1kmダッシュを取り入れた結果、練習では一度も4分半ペースでペース走をやらなかったのに、本番では4分半ペースで何の問題もなく走ることができたのである。
初マラソンを走り終わり、この1kmダッシュの練習法が以下の書籍に書かれている事を父から教わった⇩
この本を熟読し、他の練習法も自分の練習に取り入れたのが、初マラソンから1年後にサブスリーを達成する布石となったに違いない…私はそう確信している。
(おそらく)最重要だった30km走
初マラソンの前に、計3回の30km走を行った。
一度目は真夏の7月初旬、二度目と三度目はマラソンの5週間前と3週間前にそれぞれ行った。
まず、一度目の30km走は、札幌市南区にある定山渓温泉へ入浴するために実行した。
マラソン練習のために行ったのではなく、札幌駅から定山渓温泉までの交通費を節約したかったから30km走ったのである。
当時の私の最長走行距離はハーフまでで、30kmも通して走った経験は一度もなかった。
市街地を抜けてどんどん少なくなる交通量に(本当に道は合っているのだろうか)と不安になり、スマホとにらめっこして道順を何度も何度も確認して温泉にたどり着いたことをよく覚えている。
乳首擦れが酷かったので、乳首に尋常じゃないほどお湯が染みて大変苦しい入浴となったが、全身の疲労物質が一気に抜けていく感覚があり、お湯から出る時には(絶対またやってやろう)と心に決めたのであった。
マラソン5週間前と3週間前の30km走は”マラソンを走り抜く足作りをする”という真面目な目的で行った。
一度目も二度目も同じコースで行った。
コース上に適度な起伏があり、獲得標高がおおよそ200mぐらいになる道をアプリで必死に探して30km走った。
途中でエネルギーや脱水症状にならないため、背中にリュックを背負い、自家製の経口補水液とエネルギージェルを入れて、普段のジョグと同様に朝飯前の早朝から30km走った。
5週間前の30km走は25kmから足が止まってしまい、平均ラップも5’30″/kmとさほど速くはなかった。
何がいけなかったのだろうと一生懸命分析したが、結局何も分からなかったので、(マラソンを走るための脚がまだ出来上がっていなかったのだろう)と楽観的になることによって、失敗したことを深く考えないようにした。
”今度は絶対イーブンで走り抜くぞ!”と強く決心して行ったマラソン3週間前の30km走では、失速するどころかビルドアップして終えることができた。
平均ペースはキロ5ペースで、最後1kmはキロ4分で終了し、心身ともにマラソンを走り抜く万全の態勢が整った状態で本番に挑んだのだった。
最後に
私が行っていた練習は
- 7.5km(6’00″/km)のジョグ
- ジョグのラスト1kmはダッシュ
- マラソン前に3回の30km走
この3つである。
シューズもケアも何もかもいい加減だったため、これで3時間10分という記録を出せたのは完全なるビギナーズラックである。
事実、初マラソンの翌年に出場した千歳JAL国際マラソンという大会では、同じような調整をしたにもかかわらず3時間19分と凡走してしまったので、上の練習方法で結果の再現性がとれないのは間違いない。
ただ、素人の間は恐れ知らずであり、ビギナーズラックのおかげで初マラソンでもある程度良い記録を出せる可能性があるため、これから初めてのマラソンに出場なさる方々は
- 自分自身に期待して
- 楽しく走って
- 笑顔でゴールする
これらの事を目標として、30kmの壁なんて気にせず気楽に走ってもらえたら嬉しいなと私は思う。
私から伝えたいことは以上です。