マラソン練習で一番辛いのはLT走
ただいまマラソン2時間40分切り (サブ40) を目指して練習しています。サブ3ぐらいまでならジョグとダッシュと起伏走でクリアできましたが、サブ40となるとそうもいきません。インターバル走やLT走で能力拡張へ挑む必要が。口から心臓が飛び出るんじゃないかというほど苦しい練習に耐えるのです。大変な練習の朝は起きるのでさえ憂鬱。辛いのが分かり切っている練習へ自ら足を踏み入れねばなりませんから。
普段のジョグやロングジョグは楽なんです。鼻歌を歌いながら周囲の景色を眺めてルンルン気分で走れるでしょう。中強度走もまだ快適に走れます。ひとたびペースやリズムに乗れれば後は練習終了まで淡々と足を前へ運ぶだけ。けれども、インターバル走は苦しいです。CVインターバルやVO2インターバルなど、マラソンペース以上のペースでバーッと走る練習は辛い。レストを長くとっては練習になりません。回復しきる前に走り始め、それを何回も繰り返すのは億劫。
インターバル走よりも辛いのがLT走。乳酸がたまって足が重くなるペースをレスト無しで20~30分刻み続ける練習。サブスリーを達成したときはキロ4がLTペース。サブ40を目指すなら3’35″/kmぐらいがLTペース。LT走は一番嫌いな練習。練習前にどれだけ覚悟を固めても、ランニングウォッチのスタートボタンを押すときはブルっと身震いがします。
LT走の何がそんなに辛いのか
果たしてLT走の何がそんなに辛いのでしょうか?ペース自体はインターバル走よりも遅いからむしろ楽なはずなんです。
LT走の速さは半殺しペース。めちゃくちゃキツいわけでもなければ、かといってルンルンで走れるほど楽でもない。距離を重ねるにつれて足へジワ~っと疲労がたまってくるのです。だんだん足が重くなり、腿が上がらなくなってなってきて、脚が己の意思に反して減速を試みます。当然、疲労がたまったからといってペースを加減するわけにもいきません。「コラ!何やってんだ。ちゃんと働け!」と叱咤激励して無理やり動かすのです。
LT走は意志力を消耗する練習。脚は疲れるし、脚を動かすために心をフル活用するから心もグッタリしてしまいます。LT走は心を休める暇がありません。ペースが乗ってきたら意志力が不要になる中強度走と違い、最後まで自らの意思でペースを作り、維持することが求められるからです。足への負担以上に心への負担で辛さを感じているように思います。インターバル走よりも遅いペースなのに辛いのはメンタルへの負荷が原因。
どうやったらLT走が辛くなくなるか
LT走を辛くなくなる方法はありません。LT走は万人にとって辛いもの。サブスリーレベルのランナーだって、サブ40を狙っている私にだって、世界記録を狙って走っているトップランナーにとっても辛いはず。なんせ足へ乳酸がドバドバ出てきますから。どれだけ腿を前へ、前へと動かしたくても足が言うことを聞かないのです。もしも貴方にとってLT走が辛くないなら、貴方のLTペースはもっと速いのかもしれません。あるいは、辛ければ辛いほど快感を覚える超特殊体質なマゾヒストなのかも…
辛さを完全に消し去る方法はありません。辛さに慣れ、辛さによる苦痛を抑える方法なら存在します。簡単な話、何度もLT走をこなせば良いのです。「LT走の辛さはこんなものなんだよ」と己の心へ負荷を受容させましょう。「辛さ」とは、精神へのダメージのこと。「苦痛」とは、辛さが肉体へもたらすダメージのこと。”LT走なんだから辛くて当たり前”と心が納得すれば、「辛さ」が「苦痛」を誘引しなくなってきます。私自身、LT走やLTインターバルを重ねるにつれて心が負荷を受け入れ、LTペースにおける苦痛度がどんどん下がってきました。
我々の目指すべき境地とは、【辛さはあるが苦痛はない】状態かもしれません。メンタルが悪化しても体へ悪影響を与えぬようにする工夫、メンタルが良いときは体へ良い影響を与えられるような細工が必要ですね。
今週の練習
- 9/23 (月):100分ジョグ (4’53″/km) @ウエーブライダー27
- 9/24 (火):80分ジョグ (4’49″/km)@ライトレーサー5
- 9/25 (水):10000m LT走 (3’31”-3’36”-3’35”-3’35”-3’34”-3’35”-3’35”-3’35”-3’36”-3’35”) @アディゼロジャパン5
- 9/26 (木):90分ジョグ (4’47″/km) @ライトレーサー5
- 9/27 (金):中強度ハーフマラソン (3’58″/km) @アディゼロジャパン5
- 9/28 (土):オフ(広島へフライト&53回目の献血)
- 9/29 (日):100分ジョグ (4’41”/km) @ウエーブライダー27
週間走行距離:120km
先週まで8000mが限界だったLT走を2000m延長して10000mまで。6000mまでは余裕。6000~9000mが苦しくて、ラスト1000mは苦しさから解き放たれました。苦しくても意外とペースが落ちません。上げようと思えば上げられるだけの余裕度があります。LTペースでの余裕度がもう少し必要。たかが3’35″/kmで足が重くなっているようでは話にならない。来週は8000m@3’30″/kmか、12000m@3’35″/kmの予定。どちらにするかは当日のコンディション次第。やりたい練習は前者です。
LTペースでの強化を始めた途端、中強度走のペースがキロ5秒近く上がりました。中強度走でキロ4分を切って巡航できたのは今週が初めて。軽々とハーフまで行けてしまいました。LT走でゲロを吐きそうな思いをしながら鍛錬しているだけに、キロ4ぐらいでもさほど苦しくありません。そこまで頑張って走っている感じがしません。呼吸も、腕振りも、脚の筋肉の出力にもまだまだ余裕度があります。サブ40ペースの3’48″/kmで走っても案外楽かもしれません。福知山のコースは起伏だらけ。平地で走るよりも苦しいだろうから、LTペースや中強度走のレベルをもっともっと高めておく必要があります。
来週の練習計画
- 9/30 (月):90分ジョグ@ライトレーサー5
- 10/1 (火):80分ジョグ+坂道ダッシュ@ウエーブライダー27→内定式
- 10/2 (水):オフ(札幌へフライト)
- 10/3 (木):100分起伏走@ウエーブライダー27
- 10/4 (金):60分中強度走@アディゼロジャパン5
- 10/5 (土):80分ジョグ@ウエーブライダー27
- 10/6 (日):8000mLT走@アディゼロジャパン8
予定週間走行距離:105km
再来週のウルトラ本番に備え、練習量を少し落として疲労を抜きます。週間130kmが当たり前の状態で週間100kmしか走らなければ相当楽なはず。ウルトラは今年のターゲットレースではないから本格的なピーキングするつもりはありません。しかし、せっかく出るなら笑顔でフィニッシュしたいので、最低限の疲労抜きぐらいはしておこうかなぁ、と。再来週はもっと練習量を減らす予定。レース直前2日間は完全休養にして本番に備えます。