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【福知山マラソン2024】全てを絞り出した42.195km ─ 学生ラストレース2時間42分14秒

レース展開その2

30km~40km
41位→30位
38分55秒
19’27”-19’35”
40km~フィニッシュ
30位→27位
8分47秒
ラップタイムその2

30km~37.2km

携行していたジェルを30kmで摂取。直後のエイドでスポーツドリンクと一緒にグイっと喉へ流し込む。32kmから効果が顕れ始めた。脚がほんの少しだけ楽になってきた。サブ40ペースに復帰。まだまだいける。諦めたらダメだ。

後ろから一人のランナー (Bさん) に追い抜かれた。今ならついて行ける。勢いを借りさせてもらおう。サブ40ペースの集団からこぼれ落ちたランナーが前方から数人見えてきた。みな、顎が上がり、苦しそうに呼吸をして打ち上がっている。Bさんの後ろについて一人ずつ追い抜いていく。順位を一つずつ上げるたびに元気が出、サブ40への気持ちが高ぶってきた。

上昇基調のメンタルとは裏腹に、自分の走行ペースは再び落ち始めた。35km過ぎにはBさんにもついて行けなくなった。ジェルの魔力が切れてしまったらしい。もう一つジェルを持っていれば使ったのだけれども。呼吸はまだ余裕。上半身は元気。にもかかわらずペースが上がらない。上げたくても上げられない。いかんせん、脚が重くて動かない。腕を振ってもなかなかストライドが出ない。腿とお尻を何度もパチンと叩いて「頑張れよ!」と闘魂注入。

残り5kmの看板を2時間22分で通過。サブ40するにはラスト5kmを18分で上がらなくてはならない。キロ4より少し速く走って足が攣りそうになっている状態で3’36″/kmを出せというのか。最後の激坂を含めて3分半近いペースが求められるだなんて厳しすぎる。現実的に考えて「不可能」と察した。サブ40達成の夢、ここに潰えり。失速さえしなければサブ40できた。心肺は余裕。脚の強度が足らなかった。まだまだ練習不足だったってことか。甘かったんだな。もっともっと練習しなけりゃならなかった。

サブ40は100%達成できないだろう。ペースを上げる力が残っていない以上、目標タイムの突破は難しいと言わざるを得ない。悔しい。本気で挑んだ挙句、ボコボコにされて。単純なる力負けを喫した。シューズのせいでも運が悪かったからでもない。サブ40に己の力が及ばなかったから負けた。それだけのことだ。自分は、弱かった。

ラスト5km

レースはまだあと5km残っている。この5kmをどう走るかで未来が変わるだろう。本気で走れば来年に繋がるに違いない。最後まで手を抜かなかった自分を褒め、練習不足だった自分の尻を叩いて気持ち良く来シーズンに向かえるはず。逆に手を抜いた場合、たぶん後悔するだろう。目標を達成できないのが分かったからといってレースを投げ出すのではあまりにカッコ悪い。福知山は学生最後と決めて臨んだレース。八年間の学生生活のフィナーレを後味悪く終わることになってしまう。

自分の目の前に用意されているのは、頑張るか、頑張らないかの二択ではない。頑張るか、もっと頑張るか、全てを絞り出して戦い抜くかの三択だ。未来へ繋がるレースがしたい。何年も経って福知山マラソン2024を振り返ったとき、「最後まで本気で走り抜いたんだ」と胸を張って己に誇れるようにしたい。目標には手が届かなかったけれども、せめて清々しい気持ちでフィニッシュしたい。自分の学生生活を象徴するような泥臭いラップタイムを残したい。

最後の激坂を前に大勢の方が「頑張れー!!」と応援してくれた。いつも一人で走っている自分の心へ一人一人のエールがジーンと染み渡った。頑張るよ。最後まで。全部出し切ってやる。体の中に残っている力を総動員して高低差40mの坂を駆け上がる。応援の声は途切れることがなかった。ちびっ子たちに「いっけぇ~!」と背中を押された。ファンランを終えたお姉さまからの「かっこいいよ!男前!頑張って!」との声を真に受けて振り絞る笑。どんなに苦しくても応援されれば頑張れる。皆のエールに力を得て、一人、また一人と追い抜いていく。

フィニッシュ直前、電光掲示板を確認した。2時間42分台の数字を見たとき、悔しさで唇をギュッと嚙みしめた。やはり、サブ40には及ばなかった。ラスト5kmの地点で分かっていたことだけれども、それがいざ現実になってみると辛くて切なくなる。自分はサブ40に値する努力ができていなかった。行うべきだった練習が足りていなかった。さらなるトレーニングが欠かせない。就職後、学生時代以上の真摯さでもってランニングと向き合い、次に出場するマラソンで福知山での無念を晴らしに行きたい。

全てを出し尽くし、フラフラになってフィニッシュ。走行タイムは2時間42分14秒。自己ベストを4分46秒更新した。

限りなき 道を辿りて 及ばねど 玉の汗には 誉れやどりぬ

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