私は札幌に住む現役理系大学院生(M2)である。
夏休みに札幌から実家の広島へ帰るため、小樽から舞鶴まで新日本海フェリーを利用して移動したのだが、”せっかくだしどこか観光しよう”と模索した結果、舞鶴から広島までの通り道にある天橋立を観光することにした。
ただ、ここで一つ問題が生じた。天橋立を発たねばならない時間が09:37と早かったせいで、09:00から営業開始となる展望台行きのリフトやロープウェイに乗ることができなかったのだ。
今後の列車の乗り換えのことを考えても出発時刻を遅らせることは不可能であり、天橋立到着時刻の07:45から出発する09:37までの約110分間で観光することを余儀なくされた形である。
この記事では、有料展望台へ行かず天橋立エリアを2時間以内で最大限満喫する方法について話していく。
- 早朝にしか観光時間を割けない人
- なるべく安く/早く観光したい人
こうした方々にピッタリな内容なので、是非最後までご覧いただきたいと思っている。
それでは早速始めよう。Let’s go!!
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残り110~95分:コインロッカーへ荷物を預ける&智恩寺参拝&自転車をレンタル

爆速で観光できる態勢を整えるため、まずは駅のコインロッカーに荷物を預けることにした。
駅のロッカーには300円と500円の2種類のロッカーがあり、私は手荷物の体積を考慮して300円のロッカーを使用した。
なお、手元に100円玉の持ち合わせがなかったため、道路を挟んですぐそばにある自販機で水を買って小銭を調達した。
高速観光でこうしたタイムロスは命取りとなるから、皆さんには駅到着前に100円玉を何枚か用意しておくことをオススメする。
次に、海までの通り道にあった智恩寺へお参りに行き、仏様から”文殊の知恵”を授かった。
智恩寺には知恵を求め全国から多くの受験生が集まるらしく、私の訪問時にも数組の家族が寺を訪れて熱心に祈る様子を見ることができた。
その後、観光船乗り場にて、高速観光のため必須となる自転車を2時間400円でレンタルした。
自転車のサイズは20インチで、174.8cm/58kgの私には少々小さめではあったものの、この後渡る天橋立がかなりフカフカだったため、ギアが軽めな20インチの自転車でちょうど良かったかもしれないと思っている。
残り95~75分:天橋立をゆっくりと横断

帰り道はおそらく時間的な余裕がないだろうから、南岸から北岸へと渡る際は風光明媚な景勝をじっくりと目に焼き付けておいた。
路面は前述の通りフカフカの砂で、(ココをランニングしたら気持ちがいいだろうなぁ)と考えていると、前から来たランナーと次々にすれ違い、(やっぱ走りたくなるよなぁ…)とココを本拠地としている方が羨ましくなった。
天橋立にはたくさんの松が植えられており、ギラギラとした強い夏の日差しを遮ってくれて涼しさを感じられた。
本当は天橋立神社に参拝して”彼女ができますように”とお祈りしようと思ったのだが、よこしまな考えが神様を遠ざけたのか、残念ながら天橋立内にある天橋立神社を発見することができなかった形である。
残り75~65分:元伊勢 籠神社参拝

天橋立を渡り切り、その足で元伊勢 籠神社(もといせ このじんじゃ)へお参りに行った。
“元伊勢”とは、現在伊勢に祭られている天照大神と豊受大神がもともと丹後の地に祭られていたことに由来している。
中でも籠神社は丹後の一宮(いちのみや, その地域で一番格式のある神社のこと)として君臨する、大変由緒ある神社なのである。
私は今年の3月に関西の企業の最終面接を受けるにあたり、面接前日に元伊勢の外宮(豊受大神社)と内宮(皇大神社)へ参拝した。
そしてそのご利益でもって内定を勝ち取った経験があるため、今回はそのお礼参りの意味も込めて参拝したというわけである。
神様に「その節はどうもありがとうございました」と感謝の思いをお伝えし、「これからも頑張りますので温かい目で見守っていて下さい」と益々のご加護をお祈りした。
やはり私とお伊勢さんの相性は良いらしく、一礼して本殿を後にする際、神様から「頑張りんさい」と言わんばかりにほんのりと温かい視線が感じられた。
残り65~50分:眞名井神社参拝

籠神社内を散策後、奥宮の眞名井(まない)神社へお参りに行った。
神社まではかなりの急勾配を登ることとなり、自己ベスト2時間47分のマラソンランナーの私ですらも息が上がって汗をかいた。
ヒーヒー言って神社へ着くと、そこは少々ヒンヤリするほど爽やかな場所だった。
大きくて瑞々しい生命力を全身に感じ、大学の研究室生活で蓄積されたストレスが一気にビューっと吹き飛ばされた。
本殿へお参りする前に手を清めた際、高天原から流れてきたと伝えられる御霊水をたっぷりと使わせていただいた。
そしていざ本殿と正対すると、心のモヤモヤがカラッと晴れて、(やっぱ神様っているんだな)と思わずにはいられないほど不思議な感覚が私を包んだ。
今までたくさんの神社へ参拝してきたが、ここまで心をプラスな感情で満たしてくれる神社は他になかったように思われる。
伊勢では心が温かくなり、靖国を後にする際には先人たちに背中を見られている感覚を味わうのだが、眞名井神社ほど強い霊感を味わえる場所は他にはなく、(さすが、3000年も前から祈りの場所とされてきただけあるな)と歴史の重みを感じる参拝であった。
残り50~30分:天平観展望所で天橋立観賞

眞名井神社の坂道を全速力で駆け下りて、自転車で天平観(てんぴょうかん)展望所まで漕いでいった。
途中、どこで道を曲がるのかわからなくなって迷子になってしまったものの、手持ちのiPhone7に助けられて、どうにか目的地に到着した。
国道178号線から展望台までの坂道は少々厳しかったが、眞名井神社までの激坂に比べたら全く大したことはなかった。
誰もいない展望所を一人で広々と独占しつつ、天橋立の全容に(きれいだなぁ…)と見とれて立ち尽くす私であった。
なお、天橋立エリアには
- 雪舟観 (東から観る)
- 一字観 (西から観る)
- 飛龍観 (南から観る)
- 昇龍観 (北から観る)
- 天平観 (北西から観る)
という5つの展望所(五大観)があるようで、有名どころとしては③飛龍観と④昇龍観が挙げられる。
飛龍観に関しては駅の南側からすぐリフトに乗って展望台へ行けるので、天橋立で股のぞきをするのがメインの方は飛龍観へ行くと楽しいのではないかと考えられる。
残り30~10分:天橋立を全速力で横断

列車出発時刻が迫っており、まだ乗車券を購入していなかった私は急いで駅まで戻ることにした。
往路は20分ほどかけて横断したが、復路は少々スピードを上げ15分ほどで渡り終えた。
キレイな海を眺めながら自転車を漕いでいた際、浜辺で海水浴をしている方が何十人も見受けられた。
私自身、小学生以来海水浴をしていないので、(久しぶりに泳いでみたいなぁ…)と海にダイブしたい衝動につい駆られそうになった。
残り10~5分:自転車返却&知恵の輪観賞&コインロッカーの荷物回収

借りていた自転車を返却し、小走りで天橋立駅まで向かっていった。
駅前に設置されている智慧の輪を見、何か賢くなれそうな予感がした。
忘れないうちにコインロッカーの荷物を回収し、背中のリュックサックに荷物をギューギュー詰め込み移動する準備を整えた。
(そういえばまだ自販機で買った飲み物を飲んでいなかったな)と思い出し、あまりに喉が渇いていたので500mLのペットボトルを一気にぐびぐびと飲み干した。
残り5~0分:列車チケット購入→乗車

私は実家の広島まで、青春18きっぷでJR線に乗って日本海側を通り帰る計画だった。
ただ、天橋立駅から兵庫の豊岡までは私鉄のため18きっぷが使用できず、豊岡まで移動すべく窓口でチケットを買わねばならなかった。
私は運が良かったらしく、天橋立-豊岡間の運賃を通常より安く済ませられる切符(註:キャンペーン期間は2022年3月12日~2023年3月31日まで)を入手できた。
加えて、この切符は追加料金なしで特急列車にも乗れるため、09:37発の特急たんごリレー号に乗車し移動時間を大幅短縮できた形である。
最後に
有料展望台に行かず天橋立エリアを110分で最大限満喫する方法に関してはコレで以上となる。
かなり慌ただしい旅程となってしまったが、たった2時間以内でもしっかりと観光することができるので、観光にあまり時間を割けない方もぜひ名勝・天橋立に立ち寄っていただき、風景を見るなり神様に包み込まれるなりして非日常を味わっていただきたいと思っている。
以上です。
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