一昨日に公開した履歴書の解説記事(前編)に続き、今回は後編として
- 自己PR
- 資格
これらの書き方について解説していく。
自己PR
スポーツ・クラブ活動・文化活動などの体験から得たもの (ガクチカ)
企業側の視点に立って考えると、応募者には体力や粘り強さ、成功体験などを持っていて欲しいはずである。
というのも、デスクワークとはいえ毎日8時間勤務するわけだからある程度の体力は必須であるし、そう上手く行く事ばかりでもないから諦めず最後までやり抜く力もないと困るはずなのである。
そこで、”私はそうした特性を兼ね備えていますよ!”とアピールできるエピソードを探してみて、大学に合格するまで10年間やっていた乗馬について記す事ことにした。
他にもランニングやブログ執筆など、いくつかの手札を有していた中、(乗馬に関するエピソードが最も熱く語れる)と思ったため、ガクチカには乗馬で頑張った点について少々工夫を凝らして執筆した。
乗馬はスポーツのため体力が養われるし、言葉の通じない馬とのコミュニケーションを図るため粘り強さも自然と培われていく。
それに加え、私は国体優勝経験も有しており、「めちゃめちゃ努力して成功を収めました!」と成功体験も履歴書で語る事ができる。
ただ、これ見よがしに優勝しました!と記すと(コイツは優勝実績を自慢したいだけなんじゃないか?)と面接官に勘繰られるリスクがあった。
そこで、”優勝した”という事実よりも優勝を目指す過程で得られた収穫にスポットライトを当て、文章を構成するよう心掛けた。
私の場合、履歴書には
- どの種類の馬術競技をやっていたか
- どんな練習をしていたか
これらについて、あえて何も書かずに提出した。
面接の際に面接官からその点について質問してもらうのが狙いであり、実際、面接ではそのポイントを含め、狙い通り様々な視点から根掘り葉掘り質問された。
ただでさえ乗馬をしていた人材は珍しい上に、乗馬について熱く語られたらイヤでも面接官の印象に残るであろう。
面接は相手に良い意味でインパクトを与えた者勝ちなので、皆さんも何か面接官に良い印象を与えられるエピソードを探したり作ってみたりすると良いであろう。
だからといって、「アフリカに学校を建てました!」などと話を捏造するのはダメである。
自分の過去を振り返れば何か一つぐらい誇れる経験があるだろうし、履歴書ではソレについて、(多少話を盛って)書けば良い。
趣味・特技
企業が応募者の趣味を知りたがるのは、その人が何を考えているのか、本当の所を知りたいからである。
志望動機やガクチカについてはある程度嘘で飾れるものの、趣味については人間の本性が出やすいのである。
趣味を志望動機や性格テストの結果と照らし合わせれば、
- この人は嘘つきかそうじゃないか
- どの部署に配属したら幸せになれそうか
これらについて、かなり正確な判断を下すことができる。
いくら嘘の鎧で防備を固めても人事の眼はそう易々と騙せないため、就活生は趣味をでっち上げるのではなく、ゲームでも漫画でもいいから本当の所を記せば選考通過率が上がるであろう。
私の場合、本を読むのが大好きなので、趣味には”読書”と記しておいた。
面接官に食いついてもらう材料を提供すべく、海外文学を読んでいる旨も併記してアピールしておいた。
なお、私はドストエフスキーやトルストイといったロシア人作家の本が好きなのである。
しかし、
- 印象だけでアカ(共産主義者)と決めつけられて落選となるのが嫌だったから
- ロシアがウクライナに攻め込んだ社会情勢を踏まえて書かない方が良い気がしたから
以上2つの理由によりロシア文学好きだとアピールせず、「海外文学が好きです」とぼかして履歴書に記した。
特技の項目には本業のランニングについて書き込んでおいた。
“2時間47分”というタイムが特技のレベルに達しているかは正直自信がなかったが、少なくとも一般人よりは速いから特技と言っても差し支えない。
面接ではこのランニングに関してもかなり深堀りされた記憶がある。
しっかりと自己分析して面接に臨んだため、自己ベスト(2時間47分)までどのような過程でたどり着いたのか、頑張ったポイントを具体的に話すことができた。
なお、私にはゾウ🐘の鳴きまねという特技もある。
ただ、それをわざわざ履歴書に書く意味が見当たらなかったため書類には記入せず、面接官から「他には特技ないの?」と問われた時に「実は…」と鳴いてみせるつもりだった。
このように、履歴書はただ埋めればいいわけではないのである。
貴方がいくら実力を持った人間であっても、相手方の企業に(コイツ、欲しい!)と思われなければ落選・不採用となってしまう。
私の長所・特徴
“長所”の項目では粘り強さに絞り、ガクチカや特技で書いた内容と絡めて文章を構成した。
企業が求める人材像にかなうよう、自分はコツコツ努力できる人間ですよとアピールした。
継続力をアピールしようか少し悩んだものの、乗馬やランニングを継続的にやっていた話を既にしたのにわざわざココで再度強調する意味が見当たらなかった。
そこで、ガクチカや趣味・特技で書ききれなかった粘り強さを前面に出し、面接官をグッと引き付けることにした。
また、”特徴”に関しては、自分の限界を超えて頑張れる一途さ・猪突猛進さを前面に押し出した。
もしかしたら”脳筋の体力バカ”と捉えられるリスクもあったのだが、その間違った印象は学歴(北大修士)と面接での応対で完全に打ち消して見せるつもりだった。
言外にバイタリティーを感じさせることで応募者の将来性に期待させ、採用しない理由を一つずつ潰していく作戦であった。
私は性格テストでもバイタリティーが優れているという結果だったらしく、ここで自分の正直さを意図せずアピールできたのであった。
資格
最後に資格について述べていく。
前述のガクチカがしっかりとしていれば、資格の欄には何も書かなくてもOKだと思う。
もし何か資格を持っていればプラス評価になるだけであって、何も持っていないからと言ってマイナス評価になるなど考えられない話である。
ただ、何かアピールできるスキルがあるならば、遠慮せずガンガン書き込むと良い。
私の場合、
- 英検準一級+TOEIC785:そこそこの英語力をアピールするため
- 運転免許:業務で運転することになっても対応できますとアピールするため
- FP3級:将来のことを多少は考えていますとアピールするため
- 日商簿記3級:会社におけるお金の廻り方を知っていますとアピールするため
以上のような目的で、資格を5つ記入した。
なお、ネット上には「FPや簿記は3級程度なら書かない方が良い」といったアドバイスも散見された。
しかし、私は①強い学習意欲があること、および②”企業の部門トップになりたい”という意志があることを面接官に主張するため、3級でもあえて書く決断を下した。
面接で資格について触れられた際は、
と上昇志向のアピールも忘れなかった。
特に、日商簿記2級ではメーカーに不可欠な工業簿記について学べるため、面接での宣言通り、簿記2級合格を目指して頑張っている真っ最中である。
①資格取得時期が2010年2月(小6!)とずいぶん昔だったため
②乗馬と”御社”での業務には何の関係もないため
この2つの理由から書かないことに決めたのであった。
まとめ
私の勝率100%の履歴書に関して言いたい内容は以上である。
この記事をお読みになった読者さんの履歴書作成の一助となれば非常にうれしい。