私は札幌に住む就活勝率100%の現役理系大学院生である。
先日、とある企業の最終面接を受け、その場で内々定を頂いた。
私の就活は1か月半で幕を閉じたわけであるが、内定したのは大企業ではなく中小企業である。
ハナから大企業へ行くつもりは毛頭なく、自分の気持ちを確かめるため大企業の会社説明会に参加し、自分に大企業が向いていないことを確認した上、中小企業へ応募した次第である。
この記事では、私が大企業ではなく中小企業に応募した3つの理由について解説していく。
- 大企業以外にも興味がある人
- もっと広い視点で企業選びを進めたい人
- 大企業を受けているけど(ココでいいのかなぁ…)とモヤモヤしている人
こうした方々にピッタリな内容なので、ぜひ最後までご覧頂きたいと思っている。
それではさっそく始めよう。
周りと一緒の選択をするのがどうしても嫌だったから
私があえて中小企業を選んだ一つ目の理由は、定められたレールに乗って思考停止で大企業へ行くのがどうにも気が進まなかったからである。
私の同級生は基本的に大企業を志望しているのだが、(じゃあ自分も!)と大企業を目指すのが何となく嫌だったわけである。
なぜ嫌なのか?と考えてみると、進路選択に自分の意志が係わっていないから行きたくないのだと推測された。
学部から修士に進学する際、特に何も考えず院進を選んでしまったので、(これからも何も考えず進路を選び続けて大丈夫だろうか…?)と不安になり、よく考えた結果として中小を目指す事にしたのである。
まぁ、大企業へ入った方が世間体が良いだろうし、給料も社会的信頼性も中小勤務よりかは上回っているだろう。
それに、北大の理工系修士学生ならば推薦枠を使用して大企業へ行きたい放題のため、わざわざ中小企業を探して選考を突破する方がむしろ困難な道なのである。
しかし、それを承知していながらも、将来を”何となく”で選ぶのが怖かったのである。
これから激変する社会を生き抜くためには絶えず自分で意思決定する必要があると思ったし、自分が(大企業は嫌だ、中小へ行きたい!)と感じているから中小へ行くべきだと考えたのである。
モノ作りの全工程に携わりたかったから(鶏口牛後の精神)
私があえて中小企業を選んだ2つ目の理由は、モノ作りの最初から最後までに携わりたかったからである。
私のイメージする”モノ作り”とは、以下の5つの段階である。
- 研究:時代に先取りした新技術を開発して
- 技術営業:お客さんから「こんなことができないかなぁ?」と無茶振りされても「はい、やってみます!」と冷や汗をかきながら笑顔で応え
- 開発:既存技術を結集して製品完成までこぎつけて
- 製造:ラボスケールから工場スケールまでモノ作りの規模を拡大して
- 販売:お客さんの元へ「この前言ってたあの商品、完成しましたよ~!!」と持って行く
様々な企業のインターンシップで話を聞いた限りでは、このような流れでモノが作られていくという理解に至った。
大企業と中小企業の間でプロセス自体に変わりはない。
すべてのメーカーに①~⑤の人がおり、互いに助け合って日々モノを作っている。
大企業と中小企業の違いの一つは、関われる工程の幅にある。
大企業では①~⑤のいずれかしかできないのに対し、中小企業では①~⑤の複数、あるいはすべてに携われるのだ。
どうせ何かを作るならば、製品が生まれる前からお客さんの元へ届くまでの全ての工程に携わりたかった。
(中小の方が大変かもしれないけれど間違いなく楽しいだろう)と思ったし、業務で得られる働き甲斐を考えると、中小の勤務スタイルの方が合っているのではないかと直感したのである。
もう一つ私が考えたのは、果たして大企業の中で存在感を発揮できるだろうか?という事である。
大企業には優秀な人材が大勢いるため私の代わりなどナンボでもいるし、いくら頑張っても組織に埋もれてしまうのではないかと思ったのである。
それに加え、仮に何か成果を出したとしても、担った役割があまりに小さいがゆえ、”コレは自分のおかげで成し遂げられたんだ!”という自負が得られない予感がした。
大企業に埋もれるぐらいなら中小企業の部門長として会社を舵取りした方が良いと考え、いわば鶏口牛後の精神で中小企業を選ぶことにしたのである。
規模の小さい会社の方が時代の流れに迅速に対応できると思ったから
私が中小企業をあえて選んだ3つ目の理由は、図体の小さい会社の方が社会を機敏に立ち回っていけると考えたからである。
大企業の場合、組織があまりに大きすぎるが故に一つの物事を決定するのに多くのプロセスを経なくてはならないのに対し、中小企業は組織が小さいので意見がすぐトップの元へ届き、短期間で意思決定まで至るのである。
これからの時代、社会の趨勢がどう変化していくか誰にも全く予想ができず、変化が起こるたび順応できる柔軟性が個人にも企業にも求められている。
GAFAのようなゲームチェンジャーが繰り出す仕掛けに迅速に対応すれば莫大な富を生み出せる一方で、時代に取り残されてしまえばたちまちシェアを奪われ食い扶持に困る世の中である。
現在の私は起業する事を考えておらず、企業の力を借りて社会に何かしら貢献したいと願っている。
だから企業へ就職する事にしたのだが、活躍の場を選ぶ際、少しでもスピーディーに変化へ対処できる会社の方が倒産確率も低いと考えたので、中小企業へ身を置くことに決めたのである。
まぁ、中小企業は会社ごと大企業に飲み込まれる危険がある上、”中小=柔軟な経営スタイル”という等式は必ずしも真ではないと承知している。
しかし、少なくとも大企業よりかは経営トップと近い距離で働けるから(聞き入れてくれるか否かは別にして)意見を聞いてもらい易いのは間違いなく、採用面接で社長良いと話してみて”この会社は柔軟に立ち回れるだろうか?”と判断すれば万事解決な訳である。
まとめ
私が大企業ではなくあえて中小企業を選んだ理由は以上の3つである。
まとめると、
- 周りに流されて大企業へ行くのが嫌だったから。自分の頭で考えた結果、”中小の方が合っている”という判断に至った。
- モノ作りの全工程に携わりたかったから。絶対大変だと思うけれども、働き甲斐を感じながら仕事をしたいと考えたのである。
- 規模感の小さい会社の方が社会を機敏に立ち回れると直感したから。激動の時代を生き抜ける確率は、大企業より中小企業の方が高い気がした。
このような形になる。
社会では「大企業の方が安泰だ」とまことしやかに囁かれているが、これからの時代、本当に何が起こるか分からない。
まさかJALや東芝があのような惨事に陥るなど誰も予想がつかなかったのだから、大企業病に憑りつかれるのではなく、より広い視点を持ち、少しでも生存確率を挙げられる道を模索して頂きたいと思っている。
以上です。
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