こんにちは。馬術競技からマラソンに転向した、マラソン自己ベスト2時間47分の現役北大理系大学院生のかめ (M2)です。
2022年12月18日に開催された沖縄100Kウルトラマラソンの100kmの部を9時間1分で完走しました。
この記事では、沖縄100Kに向けて行った練習のうち、(あっ、コレで絶対サブ10できるわ!)と確信した3つの練習について解説します。
ウルトラサブ10やサブ9を目指す方にピッタリな内容だと思うので、是非最後までご覧いただきたいと思っています。
Contents
ウルトラ8週間前の無補給フルマラソン3時間21分39秒(4’47″/km):心肺機能と体内貯蔵エネルギーに対する自信がついた
最初にご紹介するのはレース8週間前の週末に実施した『無補給フルマラソン』でございます。
無補給とは読んで字のごとく走行中に何も飲み食いしないことを意味しており、補給なしで42.2km走り切れたのは本当に大きな自信になりました。
この練習で手応えを得た理由は以下の3つ。
- 巡航ペースの4’47″/kmがジョギングペースに感じたから
- 最後までエネルギーが枯渇しそうな感覚が全く見られなかったから
- 終盤は減速するどころか、むしろペースアップして練習を終えられたから
まず①に関しては、無補給フル中の走行ペースが本当に楽だったのです。
この練習ではランニングウォッチを見ず、楽に呼吸できるペースでトコトコ走っていたのですが、(すんごい走りやすいなぁ)と思ったペースがウルトラ本番の想定ペース(5’10″±10″/km)よりキロ20秒近く速かったのです。
なので、
とペース余裕度の観点から大きな手ごたえを得られたのです。
100kmなんて無理なペースでは走れませんし、後半のことを考えると”いかに余裕で前半を終えるか”がものすごく大切になってきます。
次に②に関しては、レース中のエネルギー補給頻度を減らせるという意味合いで嬉しく思った次第です。
私、ウルトラランナーとは思えぬほど内臓が弱く、すぐ消化不良を起こしてしまいがちな体質なんです。
だからレースではできるだけ補給回数を減らして胃腸を使わぬようにしたかったのですが、無補給で42.2km走れたことで
と己のカロリー貯蔵量に自信を持つことができたのです。
実際、サブ10を達成した沖縄100Kでもエネルギー系の補給は一度で済み、それでもって終盤までエネルギーが枯渇せず、ほぼ一定ペースで押していくことができていました。
最後に③に関しては、脚力に手ごたえがありました。
無補給フル実施前は(40kmも走ったら流石に疲れるだろう)と覚悟していたものの、いざ走ってみれば最後まで筋肉が痛くならず、体感的に感じた筋肉へのダメージはごく僅かだったわけであります。
終盤に差し掛かるにつれ出力は衰えるどころかむしろ高まり、ラスト1kmは4’25″ぐらいまで上げてフィニッシュすることができました。
あまりに上手く走れた結果、(コレはサブ10貰ったわ👍)と確信するに至ったのです。
3日間で120分-150分-195分間走:疲労状態でも一定ペースを出力できる自信がついた
次にご紹介するのは『120-150-195』です。
ウルトラ4週間前の金・土・日にそれぞれ120分・150分・195分間走り、合計で96kmもの走り込みを行いました。
本番は”一日”で100km走るのだから、せめて”3日間”で100kmぐらいなら走れるようになっておきたいという願いを込めた練習になります。
4年前に沖縄で初ウルトラに挑戦する際に似たようなことをやっており、そこでまぁまぁな結果を得られたため、今回のウルトラ前にもやろうと決意したのです。
120-150-195でサブ10を確信した理由としては、最終日の195分間走において、走り始めから疲れていたにも関わらず最後まで足を動かせたからです。
疲労状態でもレースペースを出力できたことで、本番の60km以降でもペースを維持できるイメージを膨らませられるようになりました。
イメージってすごく大切です。上手く行く想像がつかないのに本番で成功する確率なんてものすごく小さいですからね。
私は100kmを博打ではなく確実に快走したいと思っていました。だから、本番前に後半に失速しないイメージを持てたのは大きなプラス材料だった訳であります。
ちなみに、もし本番まであと1か月あったならば、木・金・土・日の4日間で120-150-180-180をやってみようと思っていました。
この超ハードトレーニングをクリアできたら100kmでも筋肉痛なしでゴールできる気がしますので、次回のウルトラ練習期間には120-150-180-180をやってからレースに臨もうかなと考えています。
なお、60km走や70km走をやらなかった理由は、本番なみのダメージを練習で負いたくなかったからというものになります。
もし練習でこうした超ロングランをやった場合、練習後3~5日程度はオフにして体をケアせねばならず練習が中断してしまうし、潜在的な内臓疲労の蓄積により体調が悪化するリスクをも秘めておりますので、トレーニング効果よりもそのデメリットの方が大きいと判断したのです。
私が月間800kmや1000km走るシリアスランナーだったら60km走をおそらくやっていただろうと思います。
しかし私のような月間500km程度のランナーには、60kmや70kmは一度に走る距離として少々長すぎると思うのです(せいぜい50kmが限度です)。
加えて、60kmも70kmも一度に走ればメンタルが疲れてしまうはず。
本番まで取っておくべき火事場の馬鹿力もいくばくか消費してしまいかねませんので、超ロング走をやるメリットが分からなかったというのが正直な感想になります。
斜度20%以上の激坂での起伏走:脚力の確認&下り坂を効率良く下れるフォームを発見
最後にご紹介するのは『超激坂での起伏走』です。
勾配は平均7~8%。最大斜度20%以上の坂を何度も上り下りしていました。
起伏走の上りでは心肺機能や推進力を強化でき、下りでは着地衝撃耐性をメインに鍛えられます。
平地での走り込みよりも倍近く効率的に強化がはかどりましたので、起伏走は私のウルトラ対策に不可欠なトレーニングだったなとつくづく感じているのです。
私が超激坂での起伏走で手ごたえを感じた理由としては、
- 本番より遥かに険しい坂を乗り越えられて自信がついたから
- 極端にブレーキをかけずに下り坂を駆け下りるフォームを見つけられたから
この2つが挙げられます。
沖縄のコースには何個も急坂があってかなりハードなわけですが、練習でそれ以上にハードな激坂を走ったおかげで(本番はコレより楽なんだから大丈夫だ♪)と本番を気楽に迎えることができました。
実際のレースでも急坂を前にして (これしきの坂でヘコたれると思うなよ!)と坂を前に強気のポーズを取れましたし、激坂での練習にはかなりの恩恵を受けられました。
また、以前から下り坂での走り方に難を抱えていたのですが、繰り返し繰り返し坂を下る練習をしたおかげでなるべくブレーキをかけず下る感覚をついに会得できました。
前腿を使った”フットブレーキ”ではなく、背筋全体を使っていわば”エンジンブレーキ”をかけられるようになり、おかげで下りで足へのダメージを抑えながら脚力を休ませ回復させられるようになったのです。
下りでの効率走法はレース本番でも大いに役立ち、足が痙攣しそうな時に下りで休めたおかげでその後の上り坂を越える力を蓄えられました。
起伏走、やって損はありません。特に野辺山や飛騨高山、奥武蔵など、激坂レースに挑む方には必須な練習だと思います。
最後に
ウルトラマラソンでサブ10を確信した3つの練習についてはコレで以上となります。
その他の練習内容については以下の記事に詳しく書きましたので、更なる情報をお求めの方そちらをどうぞご覧下さい。