先日、学振DC1用申請書作成体験記の前編を公開した。
今回はその後編として、提出までのアレコレについて記していく。
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4/26 同期と申請書の見せ合い (提出期限3週間前)



申請書は提出期限の3週間前に無事に完成させることができた。
指導教員に見せて既にOKをもらっているし、外部受け入れ機関でお世話になっている方にも申請書を見せ、アドバイスや高評価を頂いていた。
ただ、私はまだ幾ばくかの不安を抱えていた。
私が申請書を見せたのは私と同じ専門分野の方だけであるため、もし異なる専門分野の方に申請書の審査をされた際、ちゃんと研究意図について理解してもらえるか自信がなかったという訳である。
そこで、大学院の同じ専攻に所属する博士進学仲間に声をかけ、「DC1の申請書を見せ合わない?」と相談を持ち掛けてみた。
彼と私とは違う専門分野なので違った視点からの意見をもらえるだろうし、同級生がどれだけの研究業績を積み上げているか少し気になっていたという事情もある。
ありがたいことに、彼は二つ返事で相談を快諾してくれた。
そして、彼の研究室の居部屋を使わせてもらい、彼の申請書をじっくりと読ませて頂いた。
彼の申請書を読んでみて、(専門分野が違うだけでこれだけ理解するのが難しいのか…)と伝える難しさを痛感した。
たしかに”何か凄そう”なのは伝わってきたし、フォントの工夫のおかげで読みやすい資料に仕上がっていたものの、研究内容のレベルがあまりにも高すぎるため私の持つ知識では理解できず、何を言っているのか把握するため何回も何回も章を行ったり来たりして読み直す必要があったのである。
彼も私の申請書から同様の印象を受けたらしく、非専門家向けに内容の抽象度を下げることで互いの意見が一致した。
申請書にいくら夢を詰め込もうとも、それの価値を審査員に理解してもらえなければ不採用となるから、削りに削った内容をさらに削り、核心だけをもっと分かりやすい言葉で書き直そうと決意した。
また、彼と研究実績を比べてみて、私は割と頑張っている方なのだと発覚した。
学会発表数や受賞歴、フェローシップ内定数に関しては彼と私で同数だったが、私は彼より筆頭論文が2報多く、彼からも「すごいね!」と激賞された。
博士進学者が毎年いる彼の研究室では筆頭論文1報+受賞1回+国際学会発表1回がDC1内定の目安と見られており、すべて満たしている私はどうやら同世代の”すごい”レベルに属するようである。
一方で、私の研究室は私が久々の博士進学者のため、博士進学について相談できる人が周囲に居らず、”DC1申請時点でどのぐらいの研究実績があれば通るのか”分からない状態でず~っと頑張る必要があった。
どこまで頑張ればDC1に受かるか分からないから自身の限界まで追い込み研究するしかなく、限界突破の積み重ねによっていつの間にかそれなりの実績を重ねられた模様である。
彼と近況報告など数々の話をし、互いの健闘を祈って解散した。
その足で私の研究室に戻り、記憶が鮮明なうちに修正すべき点を修正した。
5/2 あっ、まだタイトルを決めていなかった…! (提出期限2週間前)



研究計画の抽象度をド素人にも理解してもらえるレベルにまで下げ、ついに満足のいく申請書が出来上がった!
いよいよ完成版をJSPSの電子申請システムへアップロードするわけだが、私はここで少し足止めされることとなった。
というのも、申請書作成に没頭していたせいで研究題目を一切考えておらず、申請書の審査区分に関しても全く検討していなかったため、申請書をアップロードする段階にも進めなかったのである。
そこで、研究室のホワイトボードに自身の研究の肝を何個か書き出してみて、それらを統合するいい感じの研究題目をやっとの思いでひねり出した。
また、審査区分に関しては、自身の研究とダイレクトに関与している区分が2つしか見当たらなかったので、決めるのは割と簡単だった。
どちらに出すかは鉛筆転がし指導教員と相談して決めたが、念のため、申請書を見せ合った同期と審査区分が被っていないことをLINEで確認しておいた。
これとほぼ同じタイミングで、指導教員に評価書をアップロードしてもらった。
申請書と違い、評価書は受け入れ研究者(DC1の場合は指導教員)だけしかアップロードできない仕組みになっているため、期限に遅れないよう、なるべく早めにアップロードを済ませてもらうのが吉と考える。
5/15 いざ、提出! (提出期限前日)



私の所属する大学ではDC1採択率向上のため、申請書をJSPSへ提出する前に総務部の方が一度、申請書に間違いがないかチェックして下さる制度が設けられている。
私もそのシステムを有難く利用させてもらい、5/6 (提出期限10日前)にメールで担当の方へ申請書を送信した。
「何も問題が無かった」との連絡を受け、安心して提出することが可能となった。
本当は翌日の16日まで見直ししたのち申請書を提出したかったのだが、16日は札幌からつくばの研究施設へ出張する移動日となっていたので提出をド忘れしてしまう危険性が高く、確実に提出できる15日に提出することにした。
提出する前に北海道神宮へ行き、これかで何事もなく申請書を書き上げられた感謝の気持ちを神様へ真心こめてお伝えした。
その足で大学の研究室に戻り、パソコンの前の椅子に鎮座し、



と気合を入れ、提出ボダンをえいやっ!とダブルクリックしたのであった。
最後に
学振DC1の申請書作成体験記はコレで以上となる。
採択結果が明らかになるのは10月上旬~中旬とのことなので、結果が分かり次第すぐに報告することにする。