【学会発表】電池ガチ勢だけの学会で口頭発表した感想

私は札幌に住む現役理系大学院生である。

つい2時間ほど前、日本中の電池ガチ勢を集めた学会でオンライン口頭発表してきた。

この記事では、通算5回目となる今回の学会発表の感想を色々と記していく。

前置きはこの程度にして、さっそく記事を始めよう。

電池ガチ勢だけの学会で口頭発表した感想

「本当に面白い研究でした」と言ってもらい、思わず涙が出そうになった

この学会に参加する寸前まで、私は学内で募集がかかった博士課程進学希望者対象の奨学金に応募すべく、申請書作成に追い回されていた。

そして、申請書作成にあたり、

  • 自分の研究にはどういった意義があるのか
  • 自分にしか出せないオリジナリティーは何なのか?

こうした事を来る日も来る日も悩み続けていた。

今までは好奇心を原動力にひたすら手を動かしていただけであり、(そもそもこの研究は何のためにやっているのか?)と考えるのは恥ずかしながらコレが初めてであった。

目の前に広がる空白の研究計画書をどう埋めようか途方に暮れ、つくばでお世話になっている受け入れ研究者さんに科研費申請書を見せてもらったり,どうにか理屈をこじつけたりして奨学金応募の申請書は完成した。

私が博士課程に進学する3つの理由

2021-11-02

 

自分で言うのもアレなのだが、私は自分の研究を非常に魅力的に思っている。

というのも、電池の世界では電池容量を上げたり動作電圧を上げることに目が向けられがちである一方、液中のイオンがどう動いているか&どんな速さで動いているかをメインで調べている研究者などほとんどいないため、私の研究が電池製造にあたり盲点となっているポイントを次々と指摘していける可能性がある, つまりスナイパーの役割を果たせると考えているためである。

ただ、私”以外”の研究者が「面白い!」と思ってくれる自信はさほど大きくはなかった。

私は人と笑うポイントがずれていたり、人とは真逆の観点で物事を見てしまう習性があるため、(自分の研究は果たして周囲に理解されるのだろうか…?)と、申請書を書きながら不安ばかりが募っていった。

 

今回の学会発表で嬉しかったのが、質疑応答で複数名から質問を頂いたことである。

中でも特に嬉しかったのが、自分が勝手にベンチマークとしている研究グループのボスから、質問の前後に「本当に面白い研究でした」と言って貰えたことである。

自身の研究に興味を示してもらえただけでも有難いのに、尊敬している研究者から「面白い」と言って頂けて思わず涙が出そうになった。

(自分の研究が誰にも理解されず自己満足で終わってしまうのではないか)と思っていただけに、

かめ
あぁ、面白いと思ってくれる人もいるのだな…

と、心の不安が急速に引いていったのであった。

もしかしたらお世辞で言われたのかもしれない。それでも、自身の研究に対して「面白い」と言って貰えた経験がなかったので、ホントにホントに嬉しかったのである。

 

大半の質問に対し、ちゃんと答えられるようになっていた

2月の卒論発表で大失敗して悔しさを味わって以降、そこで味わった屈辱を胸に秘めてひたすら勉強と研究に励んできた。

B4の時は週2~3本しか論文を読まなかったのを毎日1~2本読むように習慣化したし、専門分野の基礎を固めるべく身銭を切って教科書を購入し、半年に一冊のペースで読みこんでいった。

また、自分のゼミの担当回では、指導教員から「やりすぎだよ」と止められるぐらい徹底的に準備した。

  • もう二度とあんな屈辱感を味わいたくない
  • 次こそはもっといい発表をしてやる…!

こんな感じで、臥薪嘗胆の要領で、毎日ぶっ倒れる寸前まで追い込んできた。

卒論発表をしてきました

2021-02-08

 

その努力の甲斐あってか、今日の学会発表では大半の質問に対して自分なりに答えられた。

また、質問者の質問に答えるので精一杯になるのではなく、一度冷静になって自分の頭で考えを整理し、それから言葉を紡ぎだす余裕すら感じられた。

研究室に配属されて以来、自分に対して「コレを勉強しろ」と言ってくれる人がいなくなったので、勉強方針も使用テキストもすべて自分で決めて突き進んできた。

(果たして勉強方法は正しいのだろうか…?)
(勉強した気になっているだけではないか?)
と何度も来た道を振り返りながらも進み続けた今日までだったが、進んできた道が間違っていなかった事は今日の質疑応答の手応えで十分確認ができた。

 

質疑応答で新たな論文の種を思い付いた

学会で発表するメリットの一つは、自分の頭では思いつかなかった視点から研究の改善点・新たな研究の種が見つかる点である。

発表時間中は数十人(今日は数百人)の聴衆と一緒に思考活動を行えるため、毎回必ず何か新しい発見があるのである。

一人で掌握できる範囲には、誰しも限度というものがある。

全く考えてもいなかった盲点から質問が飛んでくると頭の中でビビッときて、ラジカル反応のごとく研究テーマが浮かび上がってくるのである。

 

今回の発表においても、質疑応答の途中で1, 2つ、面白そうなテーマが見つかった。

ソレは実際の電池を動作させる上で重要となる概念の一つで、しかも私の使用している実験装置を使えば世界で最も明解な値を得られそうだ。

あぁ、だから研究って面白いんだ。

B4の時までは学会発表をただの罰ゲームだと思っていたものの、修士課程に入って研究に目覚めた途端、学会が一種のエンターテインメントへと変貌した。

 

自分の研究内容における理解の漏れが確認できた

ここまで自身に都合の良い事ばかり書いてきたが、今回の発表が完璧だったかと言ったら全然そんなことはないと思っている。

というのも、4分間の質疑応答で5つのご質問を頂いたが、そのうち満足のいく回答をできたのは3つであり、残り2つは自分の勉強不足で質問者に逆質問してしまったからである。

自分の研究内容すら完全に理解しきれていない事を知り、(研究の世界は突き詰めればキリがない世界なんだなぁ)と改めて研究ワールドの奥深さを感じた次第である。

足元がグラついている状況なのに新規の研究テーマをやるなんて不可能だと思うので、 まずは基本に立ち返り、本当に分かっているか一つずつ確認しながら理解度の向上を図っていきたい。

 

最後に

今日の学会発表の感想は以上である。

これからも精進し、来年は現地でもっといい発表ができるように頑張りたい。

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