私は札幌に住む現役理系大学院生(修士)である。
2021年4月に大学院へ入学し、現在大学院生歴は7ヵ月半である。
この記事では、学部4年生から大学院生になって感じた5つの変化について解説していく。
大学院生活についてイメージを膨らませたい大学生にピッタリな記事だと思うので、是非最後までご覧頂きたいと思っている。
それでは早速始めよう。
Contents
B4からM1になって感じた、私に起きた5つの変化
“気が付いたら勉強する”という浪人生時代の習慣が復活した



大学受験浪人生時代、私は勉強以外にする事がなかったため、暇を見つけては勉強していた。
平日は夕方予備校から帰ってきたらヒマになるので家でも問題集を開いて問題を解いていたし、週末になれば予備校の授業すらないため家や予備校でひたすら自習していた。
そして、大学生になり、体に染みついた習慣は立ち消えたかに思われた。
しかし、最近自分の振る舞いを振り返って紙に書き出してみると



と、まとまった時間はもちろん、スキマ時間すらも勉強で埋め尽くされていたと今更ながら気が付いたのである。
私がやっている勉強とは、
- まとまった時間:大学院の専門の勉強
- スキマ時間:自身の研究における先行研究の論文読解
主にこれら2つである。
息をするように自然と机前の椅子へ鎮座し、1分後には雑念から解放されて菩薩の如き集中力で作業に取り掛かる。
大学院生活は自分で希望して掴んだものなので勉強させられている実感がまるでなく、正直言って勉強するのが面白くて仕方がないのである。
研究生活を送るようになり、新しい知見を一つ一つ生み出していく大変さを身にしみて感じるため、教科書を開くたびに(一行一行に科学者の汗と涙と愛と勇気が詰まっているんだなぁ…)と、しみじみとした思いに浸るのであった。
そんな訳で、私は毎日最低3時間は勉強している。
(こんな一生懸命頑張っている自分になぜ彼女ができないのか…?)と疑問を抱いていたが、毎日3時間も勉強に費やしていたら女性が寄り付くわけがないじゃないか笑。
もしも彼女が欲しいなら、勉強時間の幾ばくかをマッチングアプリいじりに割き、自分の実験装置を”○○ちゃん”と呼ぶ変な性癖から叩き直すべきである。
こんな初歩的な間違いを犯していたなんて…私は自分自身に大変遺憾である。
論文を読み解くスピードが爆上がりした



私が勉強好きな人間であることは上で述べた通りである。
あまりに勉強が好きすぎて、学部4年次から自身の研究と関係のある英語論文を週に2~3本のペースで読み漁っていた。
始めは(いったいなに訳分からん事言ってんねん…)と、一つの論文を読破するのに数日~数週間かかってしまう事もざらにあった。
しかし意地になって続けているにつれ、周辺知識が身についてきたおかげで徐々に読解スピードが上がってきたのである。
大学院生になった今、論文を読むスピードは平均40分/paperまで跳ね上がった。
そして、読んだ論文を全て印刷保存した結果、研究室の自分の机の状態が大変な事になった笑。
論文を印刷して読むのは
- PCの画面上で読んでも全然頭に入らないから
- 論文の図や大事な説明に書きこみながら読み進めたいから
この2つが主な理由である。
私の脳内には知識が蓄積されていき、目の前の論文の山は日に日に厚みを増していく一方である…
論文を沢山読んだ結果、自分で論文を書く際の引用文献探しに全く困らなくなった。
というのも、引用したい文献の8割は既に読んで手元にあるため、ゴソゴソッと論文ファイルを漁って目当ての品を探すだけで片付いてしまうのである。
また、同じ研究室で自身とは全く異なる研究をしている人の研究報告も内容をおおよそ理解できるようになった。
大量の論文を読む過程で”筆者が一番言いたい事は何か?”というエッセンスを抽出できるようになったため、その手法を少し応用・転用すれば他人のゼミ発表にも(完全ではないが)ある程度ついて行けるのである。
褒められる回数がすごく減った



高校生から大学生になり、世間から急に大人扱いされるようになった。
呼び名が「○○くん」から「○○さん」に変わったし、見知らぬ人から道を聞かれる際にも「ねぇねぇそこのお兄ちゃんww」から「あの…すみません」と扱いが格段に良くなった。
その一方、人から褒められる回数が半減したように感じている。
別に誰かから褒められるのを生き甲斐にしていたわけではないものの、褒められないより褒められる方が嬉しいには違いないので一抹の寂しさを覚えたのは認めざるを得ない。
大学院生になり、今まで褒めてくれた先輩が就職して後輩を持つようになると、人から褒められる機会は片手で数えられる回数にまで激減した。
実験である程度の成果を出しても、「あの人(私の事)なら当たり前だよね~」と軽くスルーされるようになった。
コレはきっと、先輩や先生方と”研究の上では”対等に扱ってもらえ始めた証拠なのだろう。
そもそも褒めるとは目上の人間が目下の人間に対して行う行為であるため、努力して実力をつけるのと相関して褒められる回数は減っていくものなのである。
それは分かっているのだが…やっぱり誰かから褒められたい。
私は交友関係が極端に狭く、しかも男しか友達がいないので、たまにかわいい女の子から



とひと言声をかけてもらえるだけで限界を超えて力を発揮できるのである。
あ~、心の底から彼女が欲しい!!!
年上でも年下でも同い年でもいいから彼女ができて、頭をポンポンされながら上目遣いで「いつも頑張ってて偉いねっ!」なんて言われてみたいぞっ!!
体が発するシグナルをより敏感に察知できるようになった



大学生になり一人暮らしを始め、実家暮らし時代より遥かに一人でいる時間が多くなった。
家に帰っても「おかえり~」と言ってくれる人は誰もおらず、服を着替えて寝る時まで私が世帯主として下宿の全権を掌握している。
誰とも言葉を交わさぬ日は珍しくなく、大勢の浪人仲間がいた浪人時代よりも口数の少なさでは圧倒していた。
自分の面倒は自分で見て、自分の機嫌も自分でとる…私は誰よりも早く新しい生活様式とやらを採り入れていたようである。
大学院生になると人と口を利く貴重な機会だった授業がオンライン化し、口数は単調減少の一途をたどっていった。
そしてそれに伴い、私の心の中の”リトルかめ”との自己対話が一層盛んに行われた。
- 自分は何を目指しているのか?
- 何が好きで、何が嫌いなのか?
- 自分が一番大切なものは何か?
- 心の拠り所はどこにあるのか?
など、毎日沈思黙考し、己とひたすら向き合い続ける日々である。
その結果、体が発する些細なシグナルでも鋭敏に察知できるようになり、ストレスやアレルギーが深刻になる前にうまく迂回できるようになったのである。
私はHSPという些細な出来事に敏感に反応する気質を持ち、人が鼻水をすすったり貧乏ゆすりをしたりする音に耐えられないミソフォニア(音嫌悪症)という脳の障害をも抱えて生きている。
さらに、昔から花粉や食事に対するアレルギーが重度であり、人より何倍も様々な事に気を付けて生きて行かねばならないのである。
自分の心のアラートをすぐ察知できるようになったおかげで本当に生きやすくなった。
後輩にみっともない姿を見せられないため、休みたい時でも頑張らねばならぬ時はあるが、休むべき時に体が出すサインを見逃さなくなった影響で燃え尽き症候群を余裕で回避できている。
カルビと二郎系ラーメンを食べられなくなった
札幌の名店・ラーメン孝一郎のコウジロウ
大学生から大学院生になって食事面で大きく変わったのは、今までは余裕で食べられていた脂っこい食べ物を胃が受け付けなくなった点である。
焼肉の食べ放題に連れて行ってもらってもカルビは注文しなくなったし、トントロを同じ網で焼かれたらそれだけで胸やけがするほどである。
また、あれほど大好きだった二郎系ラーメン(本家含む)も食べられなくなった。
開店時間に店の前を通ると、
- 脳は「食べたい!」と主張して口の中に涎を発生させるが
- 胃と腸は「食うな!」と言って食欲を全力で減退させようとする
という奇妙な現象が起こり、列に並ぶ気力すら奪われてしまうのである。
よく考えてみると、食事全般に興味を失ったような気がする。
最近は毎日同じメニューの昼食を摂っているし、考えるのが面倒なときは夕食すら昼食と同じ献立で済ませてしまう。
私の昼食とは
- 大豆入り玄米(250~300g)
- 味噌を塗りたくった豆腐150g
- 生卵&ゆで卵
- 鯖缶(水煮・食塩抜き)+ぬちまーす(天然塩)
この定番セットであり、コレらを年中機械的に口の中へと放り込んでいる。
特に切り詰めている実感がないのでメニューを変える必要性を感じず、二郎系ラーメンがなくてもQOLを揺るがすほどの影響はない。
某・ハンバーガーチェーンのハッピーセットは私のメニューをパクったものである。ハンバーガー(玄米)、ポテト(豆腐)、おもちゃ(ゆで卵)にジュース(鯖缶)と完全に同じ構成のため、私に特許料を支払って頂かないと困るのである。
もし私に彼女ができたら、彼女に心配をかけたくないのでもう少し多品目な食事を摂ると考えられる。
しかし、こんな”ハッピーセット”ばかり食す私にはそもそも女子が寄り付かないはずである。
そうした自覚があるなら少しでもまともな食事を摂ればいいのに、私は面倒臭がり屋なのでそんな努力すら怠ってしまうのである。
嗚呼、華の大学生活…夢にまで見た憧れのリア充生活はいったい何処へ雲隠れしたのか…
最後に
大学生から大学院生になって感じた変化は以上5つである。
まとめると、
- いつの間にか、気付いたら勉強するようになっていた
- 論文読解スピードが爆上がりした
- 褒められる回数が劇的に減った
- 体の発するシグナルをより敏感に察知できるようになった
- 脂っこい食べ物が食べられなくなった
このような形になる。
普段からランニングをやっているおかげで体力面は充実している。
あとは彼女ができれば完璧だと思うので、今後もハッピーセットを食べ、英気を養いながらスキマ時間に勉強していきたいと思っている(違う)。
以上です。