私は札幌に住む現役理系大学院生である。
先日、フルマラソンで2時間50分切り(サブ50)を達成した。
この記事では、私が今後マラソンでこれ以上のタイム更新を目指さない理由についてお話ししていく。
走力向上を目指さないからといってランニングを辞めるわけではないが、”サブ50”という生涯目標を乗り越え、今後について色々と思う所があったので、この通り記事にしてみようと思い立った。
それでは早速始めよう。
Contents
今後フルマラソンで自己ベスト更新を目指さない理由
もう充分満足したから



最初の理由は、(もうこれで十分だ)と満足できたからである。
最初は3kmも走れなかった自分がマラソンをキロ4分ペースで走れるようになり、(ここまで成長できた自分はホントにすごいぞ!)と心の底から自分をほめてやれたからである。
私は小学生時代に受けたいじめのせいで自己肯定感があまり高くなく、無茶をしたり自傷行為に走ったりと自分自身を徹底的に苦しめてしまう傾向があった。
そんな中、自分自身で自分の頑張りを生まれて初めて認められたため、ここで一度歩みを止めて楽になってみようと考えたのだ。
振り返ってみると、私には自分が打ち立てた目標を達成できた経験があまりないように思う。
- 高1で国体連覇を狙った時はメダルすら貰えなかったし
- 大学受験では自分に不相応な京都大学を受験して見事に跳ね返されてしまったし
- 大学入学後にプログラミングを専門としたフリーランスを志すも、全くモノにならず諦めてしまったし
- 華の大学生活を送るつもりが、学歴コンプレックスのせいで周囲と打ち解けられず漆黒の4年間を過ごす羽目になったし
今まで自分の望みをあまり叶えられなかった人生だった。
ランニングに関しても途中で挫折してしまいそうになったものの、(ココで諦めたらクズ人間として生きて行くハメになるぞ!)と毎日のように己を咤激励してキツい練習を乗り切った。
4年半コツコツ練習した成果がこうして報われた今、何とも言えない充実感に浸っている。
これ以上タイムを削るのは命を削るのに等しいから



月に400km走るランナーの私だが、実は気管支炎のため喉が弱い。
それに加え、心臓もあまり強くないので、早朝にトラックでインターバル走をやった日は夜になっても心拍数が下がらず、なかなか寝付けない事もしょっちゅうであった。
歯を食いしばって鍛錬してきたものの、冷静に考えて「これ以上追い込むと寿命を縮める事になりはしないか?」と少し怖くなってきた。
私はランニングを人生削減ツールではなく人生充実ツールとして捉えているため、今よりもっとハードな練習が必要となる自己ベスト更新を目指すのは人生を削るので辞めておこうという判断に至ったのであった。
マラソンでは承認欲求が満たされないと知ったから



私がサブ50を目指した理由の一つには、心の奥底にくすぶっていた承認欲求を満たしたいという思いが存在していた。
可愛いお姉さんから




とキャーキャー騒がれたいがために、今まで文字通り身を削ってひたすら修行に励んできた。
ところが現実はそう甘くなく、マラソンを速く走れるようになるにつれて




と女子だけではなく男子までもサーっと身を引いてしまった。
承認欲求を満たすどころか、私は日に日に変人扱いされるようになった。
これ以上速くなっても女子にチヤホヤされる事はないだろうし、承認欲求を満たすために自己ベスト更新を目指すのはもうやめることにした。
また、ランニングをやっていない人からすれば2時間59分(大学3年次のベストタイム)も2時間47分(修士1年次のベストタイム)も同じように聞こえるらしい。
だから、そうと知ってしまった以上は頑張り甲斐もないというものである。
自分を鍛えるだけならジョギングと筋トレで十分であり、マラソンでのベスト更新を目指す必要はないと考えられる。
ランニング以外にもやりたい事がたくさんあるから



学部生の間は特に何かやりたい事もなく、ただ漫然と日々ランニングをして過ごしていた。
ところが大学院に入り、やりたい事ややるべき事が雨後の筍のように沢山姿を現してきた。
- 大学院の研究:ニッチな分野で世界一になりたい
- 海外文学の読書:もっと多様な価値観を身につけたい
- 簿記やFP:お金について学び、今後の人生を少しでも楽にしたい
- 語学:自身の市場価値を上げるため、日・英以外の第三言語を身につけたい
など、自分の興味がランニング以外にもあると分かった。
これらをすべてやり切るにはランニングにばかり時間を割いてはいられず、サブ50を達成した今がマラソンバカを辞める一つの潮時かなと思ったのである。
サブ50は言うまでもなく、人生における成功体験の一つである。
努力の過程やその成果は今後の私のアイデンティティーとなるだろうし、ここまで自分を育ててくれたランニングから完全に離れるのはランニングに失礼だろうと考えている。
だから、ランニングに割り振っていた労力を他に廻す形で今後はうまくやりくりしたい。
最低でも月200kmは走って心肺機能や体型を維持・管理し、ランニングで汗をかいてスッキリしてから上記のやりたい事に邁進する。
最後に
私が今後マラソンで自己ベスト更新を目指さない理由は以上4つである。
まとめると、
- もう十分満足したから。やれるだけやり切った!
- これ以上のタイム削減は寿命削減に等しいから
- マラソンでは承認欲求が満たされないと知ったから
- ランニング以外にもやりたいことが沢山あって、ランニングにばかりかまけていられなくなったから
このような形になる。
この記事はあくまでマラソンで自己ベスト更新を目指さないという意思表示であって、もっと少ない練習時間で結果を出せそうな種目(1,500mや3,000m走)に参戦しないとは必ずしも限らない。
マラソンレースが開催されない今、トラックレースにもかなり興味が湧いてきたので、今後はトラックに転向する可能性も含め、色々と選択肢を検討していきたいと思っている。
以上です。