起伏走(中盤~終盤):高心拍に体を慣らす&足の柔軟性と頑丈さを強化
ロングジョグの次は起伏走である。
急勾配の道を2時間以上走り続ける、いわば”ロングジョグの強化版”である。
起伏走をやった目的は2つある。
- 上り坂を走る際の高心拍を我慢して走り、高心拍の中で走るのに慣れる事(後のフェーズで行うインターバルの準備)
- 上り坂で足首や膝裏の柔軟性を養い、下り坂の着地衝撃で前腿と膝周りの頑丈さを強化する事
この2つの目的で起伏走を実施した。
シューズはライトレーサー3というそこまで分厚くない練習シューズを使用した。私の場合、薄いシューズの方がケガ発生率が低い傾向があるので、長い距離を走るからといって厚底シューズを使用せず、基本的には薄めのシューズで練習していた。
起伏走を何度もやると、普段のジョグがすごく楽に感じられてきた。
また、膝より下の柔軟性が上がり、もはやケガをする予感すらしなくなってきた。
下半身の筋肉は締まってきたし、脱力しているにもかかわらず前より楽に推進力を生みだせるフォームに変化した。
速いペースの練習をこなせる基礎が整った所で、私は第4段階のダッシュへと進んだ。
私の住む札幌の市街地には坂らしきものが存在しないため、坂を求めて熊の出没ポイントまで行って練習していた。
幸運にも熊とは出くわさず、身の危険も感じずに済んだが、もし熊に襲われていたらシャレにならないので、山を走る方は熊鈴とか唐辛子スプレーといった身を守る道具を装備して行かれるようお願い申し上げます。
ダッシュ(中盤~終盤):最大出力の強化
いきなりインターバル走をやるのではなく、ワンクッション挟んでダッシュを実施した。
なぜワンクッション挟んだかというと、この時点ではまだ練習に速い動きを一度も取り入れていなかったのでフォームにあまりキレがなく、インターバル走をやったところで満足の行くタイムやペースで追い込めないだろうと考えたためである。
もっさりとしたフォームでインターバルしてふくらはぎをケガするよりも、少しだけ時間をかけて動きを大きくしてからの方が心身にとって効果的な練習ができると思った。
そこで、私はジョグ後にダッシュを3~5本やり、体に刺激を入れてから練習を終えるようにした。
ダッシュは土トラックの直線を利用して実施した。
85mほどの直線を9割程度の力で走り、曲線を歩きで繋いで次のダッシュに向けて息を整えた。
前述の通り、今まであまり速い動きを練習に取り入れていなかったので、ダッシュをやればやるほど最大出力が上がり、速く&ダイナミックに走れるようになった。
また、心拍数が完全には下がり切っていない状態で次のダッシュを実施したため、いくらかVO2maxにも刺激が入ったのではないだろうか?
CVインターバル(終盤):LT2とVO2maxの漸進的な同時強化
ダッシュでスピードに自信を付け、最終段階のCVインターバルを実施した。
CVインターバルとは、ざっくり言えば10,000m(10km)のレースペースでのインターバル走である。
私の場合、事前に10,000mTTを実施し、そのタイム(36’31″=3’39″/km)を元にトレーニングペースを算出した。
ダニエルズで言うとTペースとIペースの間の速さであり、遅すぎも速すぎもしない絶妙なペースなのである。
TペースとIペースの間で走るため、LT2とVO2maxを同時に強化できる。
あまり即効性のない練習だけれども、繰り返し実施すれば少しずつ能力が高まっていく。
トレーニングのバリエーションとしては
- 1,000m×7, rest 60秒
- 1,600m×5, rest 90秒
- 2,000m×4, rest 120秒
こうしたものがある。
私は気分に応じて上記の選択肢から練習をチョイスし、毎回必ずクリアできるペースを設定していた。
私のCVペースは3’45″/kmであり、2か月で8回ほどCVインターバルをやったところ最終的には3’35″/km前後で2,000m×4をクリアできるようになった。
一回一回の実力の伸びはそこまで大きくはないものの、やり続けられれば必ず大きく飛躍できる練習だと感じた。
CVインターバルはハイパースピードという練習シューズで行った。
なぜならば、(レース用のメタスピードスカイを使うとあまりに楽にクリア出来てしまって実力が向上しないだろうと考えたため)である。
メタスピードスカイはハイパースピードより1kmあたり10秒ほど楽に走れるのである。
メタスピードスカイの助力は本番まで取っておきたかったため、私は普段の練習でメタスピードスカイを一度も使用しなかった。
最後に
私がマラソンを2時間47分で走った練習法の概略は以上である。
今後、マラソンタイムトライアル6か月前からの全練習メニューを投稿する予定だ。
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