金銭面に漠然とした不安を抱えていたので、博士課程入学から卒業までに必要なお金を計算してみた

私は札幌に住む現役理系大学院生(修士課程)である。

夏休みを利用し、企業のオンラインインターンに参加したりロシア文学を読んだり社会情勢の行く末に思いを巡らしたりしてリア充生活(笑)を営んでいる。

この記事では、博士課程進学~卒業に必要なお金と収入源について検討していく。

私は修士課程の2年間ではやり切れないほどやりたい事を抱えており、修士卒業後のD進を検討しているのだが、進路選択にあたり漠然とした金銭面の不安を抱えているため、具体的に計算を行い不安を解消したいと思ってこの記事を作成してみようと考えた。

 

それでは早速始めよう。

出費

授業料:535,800円/年

私は国立大学に通っていて、年間授業料は535,800円である。

学部・修士の6年間は親に支払ってもらっていた(いる)が、博士からは自分で支払って大学へ通うつもりである。

これからは自分の身銭を切るので、より一層気を引き締めて研究に邁進するだろう。

今まで自分で支払っていなかっただけに(一年間でこんなにかかるのか…)と愕然とさせられた一方、私大理系ならこの倍以上の学費を支払うのだから、国立大に通えている私はまだ恵まれている方だと考えられる。

 

家賃・光熱費:72万円/年

次に光熱費は60,000円/月×12ヵ月の72万円である。

もっと安い下宿、もしくは大学の寮に住めばコストカットできるのだが、生活の質を落とし過ぎると心がすさんで研究どころではなくなってしまうから、修士課程における生活環境を変えずに博士課程に挑む予定だ。

 

食費:18~30万円/年

私は食にあまりこだわりがなく、しかも大学に入学してからずっと一日二食生活を続けている。

なので食費が割と安目で、年額だと2.5万円/月×12ヵ月=30万円を計上する。

”30万円”とは趣味のランニングを一生懸命やっていて大量の食料を摂取せねばならない時の食費であり、今後ランニングから研究に軸足を移して走る量を減らせば年額18万円(月1.5万円)にまで食費を減らしていけるだろう。

ただこれも上と同じで、あまり食費を削りすぎるとQOLが急降下して研究どころではなくなってしまうため、最低でも月2万円は食費に費やし、栄養のあるものを体内に摂り込み生活を充実させる必要があると考えている。

 

積み立てNISA:20~40万円/年

博士課程進学自体が投資みたいなものなので、M1の7月に始めた積み立てNISAを一旦辞めるのも一つの考えとして保有している。

ただ、積み立てNISAの非課税投資枠は繰り越しができないのに加え、博士課程の間もできるかぎり投資を続けて富を増やしていきたいと目論んでいる。

だから、後述する学振DCや次世代研究者挑戦的研究プログラムに採択された場合は満額の40万円を引き続き投資していき、もし採択されなかった場合は投資よりも博士生活を何とかすべきなので0円~20万円を投資したい。

投資額はネットで簡単に変更できるから、そこは臨機応変に対応していく。

【積み立て投資】大学院生が第一種奨学金でインデックス投資をしてみた結果(1か月目)

2021-08-31

 

書籍代:6~12万円/年

私は月に7~10冊ほど本を読む。

最近はロシア文学(の邦訳)にハマっており、M1の夏休みにはトルストイの”戦争と平和”を1か月かけて完読した。

同じ本を繰り返し読む事もあれば、メルカリや本屋で本を調達して読む場合もある。

最低でも月に0.5万円は本に費やしているため、年間6~12万円程度を本の購入枠に割いておきたい。

専門書を研究室の経費で購入できると最近判明したため、月々の書籍代は上記の7割程度に収まる可能性がある。そうすればもう少し暮らし向きが良くなるはずである。

 

合計:授業料込みで1,695,796~2,075,796円/年, 授業料抜きで1,159,996~1,539,996円/年

①学費、②家賃・光熱費、③食費、④投資、⑤書籍代全てを足すと、

  • 授業料込み:170~205万円
  • 授業料抜き:115~150万円

これぐらいの金額が一年間に必要となる。

授業料込みの場合と抜きの場合を記述したのには理由があるので、次の収入の章にてご説明したい。

 

収入(仮)・財源

学振DC1:240万円+100万/年

博士進学にあたって課題となる経済面の問題を全て吹き飛ばしてくれるのが学振DCである。

学振DCは、日本学術振興会の科学研究費助成事業の一環として博士課程に研究奨励金を贈る制度である。

採択されたら月額20万円の奨励金が貰え、更に年間100万円前後の研究費もついてくる。

私は学振DCのDC1枠(D1から3年間支援を受けられる)に採択されるべく研究を頑張っており、現在は筆頭2本目の論文を通すべく悪戦苦闘している最中である。

DC1の採択率は例年2割程度とかなりの狭き門である。コレに採択されて特別研究員となれば研究者としても多少の箔が付くらしい。

 

次世代研究者挑戦的研究プログラム(次プロ):220~290万円/年

2021年10月からスタートするこのプログラムも、私の経済面での問題を解決する手段となりうるかもしれない。

次世代研究者挑戦的研究プログラム(略して次プロ)は科学技術振興機構(JST)による博士学生支援パックで、採択されれば年間220万円以上の生活費50万円前後の研究費が支給される。

幸いな事に、私の属する大学には467名の採用枠が設けられており、しかも私も”Society 5.0を牽引するDX(註:デジタル・トランスフォーメーション)博士人材”となるための研究を行っているので、私はこのプログラムへの応募資格を十分に満たしていると考えられる。

また、申請期間が学振DCとほとんど被っていて、申請用紙を見ると学振DCよりも簡単に申請できそうだから、学振DCの書類準備をしていれば割と楽に次プロにも応募できそうである。

DC1と次プロは異なる団体が設けている制度のため、学振と次プロ両方に採択されてしまう方が現れるだろう。”学振に採択されたから次プロを辞退する”という辞退者を見込んで次プロが採用枠を拡充する可能性もあるので、JSTの今後の動向には注目していきたいと思っている。

 

JASSO第一種奨学金:1,464,000円/年

学振DCにも次プロにも採択されなかった場合、第三の選択肢として奨学金を借りる。

博士学生の場合、JASSOからは第一種奨学金(利子無し)を月額12.2万円借りる事ができる。

修士課程在学中の今も第一種奨学金を借りられたので、博士になって奨学金を申請する羽目になったとしてもおそらく借りられるだろうと踏んでいる。

また、博士課程の場合、学業成績や研究実績が良い場合には奨学金返済免除となる場合があるみたいだから、奨学金を借りることになっても落ち込まずに返済免除を狙って死に物狂いで研究に打ち込むつもりだ。

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RA:年間授業料相当

ウチの大学の場合、博士課程学生を対象としたRA(リサーチ・アシスタント)制度が設けられている。

RAはTA(ティーチング・アシスタント、実験や授業の助手みたいなヤツ)の強化版で、諸々の業務を担当する見返りに大学の年間授業料相当をいただける(授業料支払いが免除になる?)制度である。

学振DCや次プロに採択された学生は応募できず、経済的に困窮している学生を対象として大学側が手を差し伸べてくれるのである。

だから、もし奨学金を借りるハメになっても奨学金だけで年間支出を賄えるし、お金が博士進学を諦める理由にはならないのである。

とはいえ、奨学金は借金なので、数百万円もの借金を抱えて社会人になるのは非常に苦しい船出である。願わくば学振DCに採択され、経済面の不安を吹っ飛ばしたいものだ…

 

つくば滞在:1万円/週

私は大学の実験室ではなく、つくばの某・研究機構で研究させてもらっている。

札幌から出張してつくばに滞在するのだが、つくば出張1週間につき太っ腹の指導教官から1万円の出張手当が支給される

B4の時は9週間つくばへ出張したから9万円が支給されたし、M1の現在は既に5週間ほどつくばに行ったので5万円が支給された。

行けば行くほど出張手当が付くし、札幌の下宿の光熱費が浮くので、博士課程に進学したら雑所得の非課税枠20万円を超えない程度につくばへ出張させてもらい、ガンガン研究を進めつつ手当で懐をホッカホカに暖めたいと考えている。

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修士課程在学中の第一種奨学金:100~150万円

最後に、修士課程在学中に借りている第一種奨学金を財源として期待している。

積み立てNISAに20万円ほど費やしたとはいえ、まだ150万円以上の手付かずのお金が存在する。

積み立てNISAで投資したお金もすぐに換金して引き出せるため、ドクター進学直後にはいざとなったら200万円以上の軍資金が私を後押ししてくれる訳である。

少しでも自由に使えるお金を増やすために、何としてでも修士課程の奨学金の返済免除を勝ち取りたい。

 

最後に:お金の問題は解決しました

今まで金銭的な面で漠然とした不安を抱えており、それが理由でドクター進学を躊躇していた。

しかし、ちゃんと具体的な数値を算出してみたら、案外問題なくやって行けそうであった。

不安が払拭された今(M1の9月)やるべきは、学振DCや次プロ採択に向けて一生懸命研究業績を積み重ねる事である。

また、博士進学後を見据え、自身の今後の研究ビジョンを少しずつ描いていきたいと考えている。

 

以上です。

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