私は現役北大院生(修士)である。
大学院入学後、オンライン授業を受けている。
この記事では、現役学生が日々感じているオンライン授業のメリットとデメリットについてお話しする。
- 大学進学を前に(オンライン授業ってどんな感じなのだろう…?)と不安に思っている受験生
- 大学院に進学予定の現役大学生
こうした方々にうってつけの記事だと思うので、ぜひ最後までご覧頂きたいと思っている。
それでは早速始めよう。
Contents
オンライン授業のメリットとデメリット
メリット
私が感じるオンライン授業のメリットは以下の4つである。
- どこにいても受けられる
- 何をしていても受けられる
- (オンデマンドなら)何回だって巻き戻せる
- リアルの場での試験がないのでかなり気が楽
それぞれ一つずつ解説していく。
どこにいても授業を受けられる



オンライン授業の良い所は何といってもコレだろう。
対面授業ならば大学へ行って椅子に座って90分間講義を受けなきゃならなかった一方で、オンライン授業ならばそもそも大学でなくともネットが通じているあらゆる場所から出席できる。
実家や下宿はもちろん、新幹線や特急での移動中にだってOKだし、マックやスタバといったFree-Wifiのあるお店だけでなく、なんとバカンス先でだって受けられるのだ。
2020年度から大学生活を始めた学生は対面授業をほとんど経験したことがないだろうから分からないかもしれないが、我々のような年老いた人間が大学にいた時代には大学へ行かないと授業を受けられず、それはそれは面倒臭かったので、大学時代から場所に拘束されず自由に時間を使える今の世代を本当に羨ましく思うのである。
オンライン授業のメリットは教員側も享受している。
従来の対面講義ならば急な出張が入った時には休講にしてどこか別の日に補講を入れなければならなかったのに対し、オンライン授業になってからは出張先でもササっと講義ができるので予定通りに授業を終えられるのである。
私の研究室の指導教員は非常に忙しいのでしょっちゅう出張に行ってしまうのだが、「出張先でも学部生用の講義ができる~!^^」とたいそうお喜びの様子であった。
学生にも先生にも喜ばれている方式、それがオンライン授業なのである。
何をしながらでも講義を受けられる



対面授業中に先生の目の前で食事を摂ると、基本的には教室から追い出されてしまう。
私の学部時代の友達には教室の最前列で食堂のラーメンをすすって食べていても追い出されなかった奴がいたが、そのような人間はほんの一握りであってレアケースである。
基本的には
- 寝ずに
- 食べずに
- しゃべらずに
- スマホをいじらずに
講義を受ける事を要求される。
先生の機嫌を損ねると単位を落とす可能性があるため、学生もそれなりに真面目に講義に参加している様子である。
ただ、オンライン授業となれば話は別。
食事を摂りながら先生の話を聞いてもカメラをオフにしているのだからバレないし、室内が暑ければ上半身裸になってパソコンの前に鎮座するのもまた一興である。
イヤホンで講義音声を拾いながら腕立て伏せしても構わないし、とにかく講義時間中ずっと回線をつないで会場にいさえすればそれで出席したことになるのである。
何をしながらでも講義を受けられる、それがオンライン授業の良い所だ。
(オンデマンド授業なら)何回だって巻き戻せる



対面授業ならば、もし何か分からない説明をされたとしても、その時間まで時空を巻き戻すことなど不可能だった。
分からない事を分からないまま授業を終えてしまい、頭にはてなマークが渦巻いている状態で次の講義or家へと向かわねばならなかった。
質問をしようと思っても、大教室の中で手を挙げて「すみません、今のところがよく分かりません」と発声できる勇者はなかなか存在しないだろう。
対面授業には自分のペース/理解度に合わせて勉強できないという致命的な弱点があり、それがイヤだったので高校時代の私は授業を一切聞かず独学で受験勉強を進めたのであった。
しかし、オンライン授業、それもオンデマンド形式になれば、何度も不明な箇所を聴き返すことができる。
パソコンで講義映像を見ているため疑問点は即座にGoogleで解決できるし、もし先生が何を言っているのか分からなければネットでもっと分かりやすい説明をしてくれているサイトを探せばいい。
週に一回というペースが遅いと感じるならば毎日2講でも3講でもどんどん進めていけるし、(今はちょっと他の予定で立て込んでいるから後でゆっくり見たいな)と思ってもその望みをかなえることが可能である。
大学院の講義はオンデマンド形式が大半なので、ガンガン進めていきたい私には本当にありがたい授業形式である。
成績評価がレポートonlyなので試験の心配をしなくて済む



最後のメリットは、単位を取るのが楽な点である。
対面授業ならば中間試験や期末試験のためにヒーヒー言って対策していたのに対し、オンライン授業ではリアルの場での試験が基本的に行われないのでレポート形式での評価となる場合が多いのである。
評価方法は様々である。
- 毎回の講義の感想を提出フォームにアップロードする形式
- 何か一つ授業に関係する論文の内容をプレゼンファイルにまとめて提出する形式
- 問題だけがWEB上にアップロードされていて、それを1~2か月後(ターム末)までに提出する形式
全てにおいて共通しているのがあまり試験の心配をしなくて良い点であり、大学院に入学して私は久々に心の平穏というものを味わったのであった。
大学入試を始めとするペーパーテストでは、その日に出された問題との相性によって成績がかなり変動してしまう。
どんな問題が出るかは試験が開始されてからじゃないと分からないのでいくら勉強して挑んでも報われない可能性があるし、過度に緊張してしまえばテストどころじゃなくなって全く実力を発揮できないまま終えてしまうかもしれない。
「それも実力のうちだ」と言われてしまえばおしまいなのだが、評価をテストではなくレポート形式にして提出期限に余裕を持たせれば受験者の思考の深さや多様な価値観をしっかりと引き出せると考えられる。
”ヨーイドン!”で解答させられるペーパーテストは個人的にかなり苦手であるため、オンライン授業になってレポート形式で評価が決まる形式になって私は非常に助かっている。
デメリット
一方で、オンライン授業には3つのデメリットが存在する。
そのデメリットとは、
- 授業があるという事をついつい忘れがち
- 音声やカメラをオフにしていないとプライベートがだだ漏れになる
- (先生方にはホント申し訳ないけど)YouTuberの勉強動画の方が何倍もよく理解できる
この3つである。
以下で一つ一つ解説していく。
授業教室に行かなくて良いので授業の存在を忘れがち



前の章で、オンライン授業の良い所は「どこにいても受けられる点だ」と説明した。
勉強するのに場所を選ばなくなったのは本当に素晴らしいと思うし、事実、私はオンラインになったおかげで非常に恩恵を受けている。
ただ、対面授業ならばその日に講義がある事を覚えていられたのに、オンラインになってからは授業をすっぽかしてしまうというケースがあちこちで頻発している。
全く悪意はないし、サボろうと思ってサボっているわけではないのだが、講義の出席があまりに楽すぎるために、授業の存在を忘れがちな傾向にある。
私の場合、ある一つの講義(ライブ形式)を既に2回も欠席してしまっている。
次またやらかしてしまうと落単(単位を落とす事)にリーチがかかっちゃうため、本当に気を付けようと思っている。
ミュート&カメラオフにするのを忘れていたら大変な事になる笑



オンライン授業のメリットの項で”何をしながらでも講義を受けられる”とお話しした。
確かにそれは間違いない。違いないのだが、よくよく注意する必要がある。
カメラやマイクを切っていればいかなる振る舞いを取ろうともバレずに済むが、ついうっかりONのままにしていたり何かの拍子に切り替わってONになってしまえば貴方の防備が丸裸になってしまう。
- 先生の悪口をこれ見よがしに言っていたのが全て先生にだだ漏れだったり(私じゃないよ)
- (絶対にバレない)と油断してPCの前で食事を摂っていると、その様子がカメラに映し出されて恥をかいたり(コレも私ではない)
ミュートやカメラを切っておかないと大ごとになりかねないので、その点がオンライン授業の怖い所だなと感じた。
やはり、オンラインとはいえ講義はある程度真面目に受ける必要がある。
せっかく高い学費を支払って大学へ行っているのだから、授業を早送りにしたり好き放題したりするのではなく、一つの講義から何かしら吸収できるものを探して自分の力にしなくてはならないな…とこのブログを書きながら私は反省した。
YouTuberの動画の方が正直何倍も分かりやすい



反省した直後にこんなことを書くと(反省してないやん笑)と思われるかもしれない。
ただ、コレは事実なのでここにハッキリと書かせて頂く。
正直言って、大学教員の講義は非常に分かりにくい。
教員よりYouTuberの出す動画の方が何倍も早く&深く理解できるし、動画を見た後の満足度も桁違いなのである。
まぁ、これはある程度仕方がないと思う。
大学教員の仕事は授業だけではなく研究や雑務など多岐に渡るのに対し、YouTuberは動画を見てもらわないとお金が入ってこない人気商売なのでどちらがより力を入れて動画を作るかは明白なのである。
でも、こちらとしても高い学費を払っているので、教員様にはせめて学生が理解できるレベルまで話の次元を落とすか動画編集を外注するかしてもう少し分かりやすい動画を作って欲しい。
全然教える気がなくイヤイヤやっている様子を見せられると何だか空しくなってくるし、YouTubeの方が分かりやすいとなったらもはや大学の存在意義すら疑われるようになってしまう。
最後に
オンライン授業のメリットとデメリットは以上である。
個人的にはメリットを多く享受してはいるけれども、もう少しクオリティーの高くて分かりやすい授業を受けたいなとも思う。
今はまだ対面からオンラインになったばかりなので、教員たちも授業方法を色々と試行錯誤中なのだろう。
私が大学院を卒業する頃、つまり今の学部1,2年次の学生が大学院生になる頃には受けられる授業の質が今より高くなっているといいなと願っている。
以上です。
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