【驚天動地】大学生の間に読んで衝撃を受けた2つの小説について話したい

私は現役北大院生(修士)である。

大学生時代は月に8~10冊ペースで様々なジャンルの本を読み漁っていた。

この記事では、沢山の本を読んできた中で特に印象に残っている2つの小説を紹介する。

もし人に「何か面白い本はあるか?」と聞かれたら秒で「コレとコレ!」と返答できるぐらいの素晴らしい2冊なので、

  • 現在大学生で、何か本を読みたいけれど何を読めばよいか分からない人
  • 現在大学院生で、大学時代に本を読んでこなかったのを後悔している人

こうした方々にぜひ読んで頂きたい記事となっている。

 

それでは早速始めよう。

私が小説を読む理由

衝撃を受けた小説について話す前に、そもそも私がなぜ小説を読むのかについて少々触れておきたい。

 

私が小説を読むのは、現代社会とは異なる時空間の世界を訪れて現実逃避をしたいからである。

私は生まれつき非常にストレスをためやすい気質(いわゆるミソフォニア)であるため、

  • 人が鼻水をすする音に集中力を妨げられたり
  • 他人が怒られているのを見ると自分まで胸が締めつけられてしまったり

大半の人であればスルーできる事であっても見逃せず、毎日ほんのささいなイベントでぐったり疲労してしまっている。

私にとって小説とは、そうした日々の患い事から目を背けさせてくれる貴重な存在なのである。

ページを開くやいなや登場人物が私を大いに喜怒哀楽でさせてくれるし、本と向かい合っているうちに毎日のストレスがみるみるうちに抜けていって楽になれるのである。

 

私が小説を読む理由は現実逃避をするためなので、現実を呼び起こすような大衆小説は読まないように心掛けている。

読書している時間まで心を現実に晒したくないし、基本的に大衆小説には感情移入できないので面白いとも思わない。

私が以下で”小説”と言っているのは純文学(芸術性に重きを置いた文学)の事である。

純文学は純文学でも、

  • 現代より数十年以上前に書かれた小説
  • もしくは海外で書かれた小説の日本語翻訳Ver.

大学時代、私はこれら2つに絞って小説を読んできた。

 

私が小説を読む理由は以上である。

次に、この記事の本題である、大学時代に読んで衝撃を受けた2つの小説について書いていく。

 

大学時代に衝撃を受けた小説2選

罪と罰(ドストエフスキー):潜在意識をグサッと貫かれた小説

私がこの本に出会ったのは大学3年の夏休みである。

大学院への進学を決めていたので就活をするのでもなく、かといって何かやりたい事があったかというと特段したい事もなかった。

あ~、ヒマだなぁ…と下宿のベランダで日向ぼっこしていた時、ふと

かめ
なんか重~い本読みてぇなぁ…

という謎の衝動にかられた。

人生観を揺さぶる小説に出会いたいと思い、ネットで数冊の本を候補として見つけ、紀伊国屋札幌店で立ち読みしてみた結果、(ドストエフスキーの罪と罰が良さそうだな)と直感的に思って購入に至ったのである。

罪と罰…名前からして危険なにおいがプンプンした。そんな危険なにおいに惹かれて上下巻をまとめ買いしたのである。

 

この小説を一言でまとめると、殺人犯・ラスコーリニコフが殺す予定の無かった人まで殺してしまってから「すんません、人殺しちゃいました」と自白するまで追い詰められていく過程をこれでもかと言葉で再現した作品である。

人を殺す場面や主人公の葛藤している様子があまりにもクリアに浮かんできたため、

  • なんでこんなに上手く表現できるんだ…!!!
  • 続きが気になってウズウズするが、目の前に迫りくる恐怖が恐ろしくてページをめくるのが怖い…

感心したり戦慄したり慌ただしい小説であった。

私は中学生の頃、同級生にちょっとしたいたずらをした事があったが、その時の罪悪感を思い出して(あ~、あんな悪い事しなけりゃ良かった…)と半泣き状態にまでなってしまった。

この小説を読む前は忘却の彼方(潜在意識の奥深く)にあったそんな出来事を、罪と罰は「オメェ、忘れてないか?」と昨日会った出来事であるかのようにまざまざと思い出させてきたのである。

 

何か罪悪感を抱えている人にとって、罪と罰の読書体験は戦慄の大嵐となるはずだ。

それが良い事か悪い事かは人次第だと思うが、この本を読めば(もう悪い事は絶対にしないでおこう)と自然と思えてくるだろう。

私は罪と罰に出会えて本当に良かったと思っている。

  • 人を殺すのは良い事なのか、それとも悪い事なのか
  • そもそも”良い事””悪い事”とは何なのか
  • 神はいるのか
  • 自分は何を信じ、何を大切にしているのか

こうした人生の課題を大学3年生から考え始められたので、この書籍と巡り合わせてくれた本の神様には心より感謝申し上げる。

 

人に勧めるか否か

罪と罰は学生全員にオススメしたい。

自己啓発本を50冊読むよりはるかに多くの事をこの本は教えてくれる。

東大の教授陣はドストエフスキーの中でも”カラマーゾフの兄弟”を推奨しているみたいだが、いきなりあの分量に挑戦するのは大変だろうから、カラマーゾフを読むための前準備としても罪と罰はオススメである。

ドストエフスキーのアクの強さを存分に味わいたい方は新潮文庫を、読みやすさを重視したい方は光文社古典新訳文庫を買うと後悔しないだろう。

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金閣寺(三島由紀夫):一度読んだら忘れられない、美とは何か?を考えさせられる作品

私がこの本に出会ったのは大学3年の秋である。

夏休みのほとんどを海外文学の読書に費やしており、そろそろ何か日本人作家の本も読みたくなってきた頃合いであった。

そんな時、北大生協の書籍コーナーへ行き、ふと手に取ったのが金閣寺。

  • 日本の文豪の本はほとんど読んだことがなかったから(何か読んでおかなくてはいけないな)と思っていたし
  • 金閣寺という作品も名前だけは知っていたので

良い機会だと思って購入してみることにしたのである。

 

この作品が印象に残っている理由は、金閣寺消失という歴史的事件の過程(著者によるフィクション)が妙に共感できたからである。

  • 吃音を持つ主人公・溝口が”美しさ”に対して抱く嫉妬
  • 憎しみを募らせていくにつれて高まる社会への報復意欲
  • 金閣寺の美しさと、自分は持つことのできないその美しさを永遠に自分のものにしたいと願う主人公の心情
  • 金閣寺を燃やし、本当に自分のものにしてしまった彼の結論

全てにおいて(何となく分かるなぁ…)としみじみとさせられたのである。

私がもし主人公であれば、金閣寺を燃やしてしまわずに、愛してやまない金閣寺の中で自殺していただろう。

人間のコンプレックスをここまでリアルに表現している作品を、私は過去に読んだことがない。

 

金閣寺の内容は、文中のこの一言に尽きるだろう。

私が人生で最初にぶつかった難問は、美ということだったと言っても過言ではない。

美とは何か、
どうすれば美を手に入れられるのか、
どうしても美が手に入らないと分かった時どうするのか、、、
など、私は金閣寺を読んでいる時に沢山の事を考えさせられた。

正解のない問いに頭を悩ませるのは非常に困難であるが自分なりの解を導き出せたときは何とも言えない爽快感が頭を吹き抜けるのである

 

人に勧めるか否か

金閣寺に限らず、三島由紀夫の作品は語彙が高尚であるため現代人には読みにくい。

それに加え、金閣寺は特に哲学的で想像力をフル回転させる必要があるので、金閣寺の読みにくさは三島作品の中でも三本の指に入るほど図抜けているといえるだろう。

従って、読書経験の豊富な方にはオススメできるが、そうではない方にはオススメできないというのが正直な所。

初心者さんが金閣寺にアタックしたければ、金閣寺の前に”潮騒”を読み、三島作品に頭を慣らしてからにするのが良いだろう。

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ちなみに、私が一番好きな小説がこの潮騒である。

ページ数は200ページほどと一般的な現代小説と同じぐらいだし、この作品は三島作品の中でも語彙レベルが平易なので圧倒的に読みやすいため万人に推奨できる。

 

最後に

他にも印象に残った作品は数多くある。

  • ムーン・パレス(オースター):大学2年の夏に出会う。貧乏生活をしていた当時、まるで自分の事を書いているんじゃないかと自己投影し、貪るように読了した。
  • こころ(夏目漱石):大学4年の春に出会う。コロナ騒動のせいで大学登校が制限され、一人で病みそうになっていた時に読み、先生と一緒に消えてしまいたくなった記憶がある。

もちろん、今まで読んできた全ての本が自分好みだったわけではないが、とにかく何も考えず数打ちゃあたるの精神で乱読した結果、本棚に入りきらないほどの良書と出会えたのだろうと思う。

これからも己の精神を豊かにするために小説を読んでいきたいし、今までより更に自分を変えてくれる本が見つかればいいなと思っている。

 

以上です。

【活動振り返り】私が大学院生初月にやったこと

2021-05-02

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馬術競技からマラソンに転向した北大工学院のM1|国体馬術競技優勝&8回入賞|10000m36’33”|マラソン2°47’50”|100kmレース10°19’17”|英検準一級|TOEIC785点|ラン歴5年|乗馬歴10年|英語の学術論文2報(電気化学)|月間2万PVのブログ運営中|コメントやご相談はTwitterのDMまでお願いします。