私は現役北大生である。
あと1週間で大学を卒業し、4月からは同じ研究室で北大大学院生として研究活動を行っていく。
この記事では、昨日私が行ってきた学会についての感想を述べる。
1月に参加した冬季研究会、2月に合った卒論発表と比較してどの点が成長したか、また、どうした点が課題なのかを書き表したので、興味のある方はご覧になって頂きたい。
それでは早速始めよう。
発表した内容
3/24、私は電気化学会という学会に出席し、海外の学術雑誌に受理された論文の内容について口頭発表した。
発表時間は12分、質疑応答には2分の時間が設定されており、この時間内に論文内容を最大限伝えるために、春休みをぶっ潰してひたすらプレゼン作りを行っていた。
発表タイトルは「レーザー干渉計を用いた磁場中の銅電解に伴うイオン濃度分布のその場測定」という題目である。
電極に電流が流れると電極で溶解反応や析出反応が起こる。
私の研究は、そうした電気化学反応の際に
- 電解液中のイオンが電極近傍でどういった濃度分布となっているか
- 更に磁場を印加したらその濃度分布はどう変化するのか
こうしたものを干渉計という道具を用いて調査した実験である。




この研究が現社会に役立つかと言われると…正直疑問である。
現段階では「私の卒業に役立ちます!」としか言いようがない。
ただ、もしかすると、20年後や30年後に私の研究が役立つタイミングが訪れるかもしれない。
いま役立つものはすぐ役立たなくなるため、いま無駄に見えるものに積極的に種をまいておき、そのテーマが萌芽しそうになった時に第一人者として社会を引っ張って行けたらよいのではないかと思ってこのテーマを研究した。
次に、口頭発表の出来について述べる。
口頭発表:めちゃめちゃ良かった
口頭発表は過去イチ上手く行ったと自己評価している。
今まで何十回も練習してきたおかげでよどみなく話せたし、オンライン発表の利を活かして原稿を見ながらプレゼンを進めたため、話を脱線させず、視聴者に対して内容を論理的にお伝え出来たのではないかと考えている。
1月の支部会・2月の卒論発表と場数を踏んできてようやく極度に緊張しなくなったし、(伝わらなかったらどうしよう…)とネガティブになるのではなく(これがオレの生き様だ!!)と言わんばかりに精神状況をアグレッシブに切り替えられたので全く声が震えなかった。
今回の口頭発表は最高だったと思っている。
質疑応答:シミュレーション通り
12分間の口頭発表の後に行われた質疑応答では、事前に想定していた通りの質問が飛んできたため非常にイージーな戦いだった。
あまりにドンピシャで質問を的中させたため、思わず(よっしゃー!)とガッツポーズが出そうだった。
卒論発表では理解が浅くてボッコボコにされてしまったが、それから勉強を重ねて迎えた今回の全国大会では少しはマシな議論ができたと思っている。
「今後の研究課題です」「現在検討中です」などといった質問を上手にかわす逃げ文句もかなりスラスラ出てくるようになったため、今学会での質疑応答は”自分に自信を付けられた”という点ですごく大きな意味があったと考えている。
総括:完封勝利!!
今回の学会発表は、野球で言えば9回150球6安打1四球無失点(二塁踏ませず)ぐらいの出来だったと思っている。
- 質疑応答の短さ
- 入念な事前準備
- シミュレーション通りの質問を手繰り寄せた運
これら全てが上手く噛み合い、どうにか完封勝利をおさめられた。
今回の勝利は、指導教員のM先生や、つくばでお世話になっているN先生の力無しでは成し遂げられなかった。
なので、ここに感謝の意を表したい。




今後の課題:専門分野の違う方が見ても分かるスライドを作る
今後の課題としては、自身と違う研究分野を専門としている方が見ても分かるスライドを作る事が挙げられる。
現在の発表は電気化学を専門としている人間であればパッとイメージができるのだが、化学系ではない人からすれば「ちょっと何言ってるか分からないんですけど」と言われかねない内容なのである。
私の周囲には私と違う専門分野を持つ人間がいないので、研究と全く縁のない私の親が見ても理解できるスライド作成を目標にしたい。
何も知らない親が見ても何となくイメージできればたぶん誰だって理解できるだろうから、次回学会発表に臨む際は発表予定のスライドを親に送って何となく分かるかどうか聞いてみようと考えている。
以上です。