【大学4年生】研究室生活初年度の過ごし方とアドバイスをお送りします

私は北大工学部の4年生である。

卒業論文を無事に提出し、4月からは北大の院生として引き続き大学生活を送っていく。

この記事では、これから研究室生活を始める方々に対して

  • 一年間のおおまかな流れ
  • 簡単なアドバイス

をお送りする。

全体像をおさえておけば大きなイベントの前に慌てずに済むだろうから、私がラボで一年間過ごしてきた上で得た教訓も合わせて皆さんにお届けできればいいなぁと思っている。

 

それでは早速始めよう。

念のため断っておくが、以下の内容はあくまで私が経験した一年間の話である。それぞれの大学や研究室で事情は異なってくるだろうから、あくまでも参考程度に読んで頂きたい。

研究室生活の流れ(概観図)

私のこの一年の流れを一つの図にすると以下のようになる⇓

これだけじゃよく分からないと思うので、一つずつ説明していく。

 

細かい話

授業

まず、授業というのは、私の学科の4年生が必ず受けねばならないプレゼンテーションという講義の事を指している。

この授業では、英語の論文を読解してコースの同級生が分かるようにプレゼン(10分間)しなおかつ質疑応答(9分間!)に臨機応変に対応する力が求められた。

相手が分かるように話すにはそもそも自分が論文をきちんと理解していなくてはならないし、相手が話についていけるよう、プレゼン資料にも話すスピードにも工夫を凝らす必要がある。

英語論文の読解だけでも大変なのだが、そこを乗り越えてようやく研究室生活がスタートする。

 

私が最初に与えられた論文はコレである。

めちゃくちゃ長くて初見では何言ってるか分からなかったし、用語も実験手法も何一つ知らなかったため先輩や先生に何度も質問させてもらった。

膨大なデータを10分に収まるようにプレゼンを作るのがかなり大変だった上、プレゼン作りがひと段落したら今度は終わりの見えない質疑応答対策が待っていた。

結局、プレゼン授業本番では私が全く想像していなかった方向ばかりから質問が飛んできて、6個ぐらいしてもらった質問のうち、まともに答えられたのは1個か2個ぐらいだった。

 

アドバイス

いきなり英語論文を渡されても全く分からないと思うので、ネットで軽く調べてみても理解できなかったらすぐに近くの先輩をひっ捕まえて質問してもらいたい。

プレゼンの作り方でアドバイスが欲しくなった時も、先輩をひっ捕まえて見てもらって欲しい。

もし先輩の力でも解決できなかったら、その先輩と一緒に先生の部屋に行って疑問を解決しよう。

分からない事を分からないまま放置する癖をつけるとのちのち大変な事になっちゃうので、とりあえず最初に与えられた論文はボロボロになるまで調べ上げるように心掛けてもらいたい。

かめ
ここで身につけた専門知識や読解力がのちの研究に大いに役立ちます。いきなりの難題に苦戦必至ですが、周りの力を借りたり自分で頑張ったりしてどうにか乗り切って下さい。

 

 

院試勉強

次に、B4の関門の一つである大学院試験について。

プレゼン授業の出番が終わってすぐ、私は院試対策を開始した。

順番としては

  1. 授業で配布された演習プリントの復習(6月初旬~6月下旬)
  2. 演習プリントが配布されなかった授業の復習(6月下旬~7月初旬)
  3. 教科書の熟読(7月初旬~7月中旬)
  4. 院試の過去問をチラ見→あまりにも難しくて放心状態に…(7月中旬~8月初旬)

こうした形で進めていった。

過去問が何言ってるか分からなかったので本当に焦ったものの、試験3週間前に筆記試験免除のお達しが天から降ってきたためどうにか難を逃れた。

大学院試験の筆記試験を免除になる基準と免除になる方法について

2020-08-28

 

アドバイス

筆記試験対策をしなくてよくなったので、それ以降は面接対策に切り替えた。

志望動機やその他聞かれそうな質問をリストアップし、スラスラと言葉が出てくるまで何回も音読した。

私が受験したコースにおける細かい試験内容をオープンに出来る範囲で以下の記事に再現したのでぜひ参考にして欲しい。

知っておかねばフリーズする質問もされたので、筆記だけではなく面接の方も入念に対策しておくことをオススメする。

北大院試2020・体験記

2020-08-26

 

ゼミ

今年度の研究室内ゼミは全てオンラインで行われ、ツールとしてはZoomが使用された。

ゼミの頻度は週2回(木・金が基本)、前期と後期の学期期間中に実施された。

一回あたりの時間は60~90分で、議論が大炎上白熱した時は2時間に差し掛かる事もあった。

自分にいつ話が振られるか分からないため、ベッドに寝っ転がったりご飯を作ったりせずに、緊張感を持ってパソコン前に鎮座し適宜メモを取ってゼミに臨んでいた。

 

ゼミで取り扱った内容は以下の4つだった。

  1. 輪講(M1,M2):英語の電気化学の本を皆に分かりやすくプレゼンする
  2. 雑誌会(M1,M2。後期はB4も):自分の研究に関わる論文を選び、皆が分かるようにプレゼンする
  3. 実験の中間報告(前期と後期に各一回)
  4. 卒論や修論、学会の発表練習

どれも大変だったには変わりないが、その中でも特にハードだったのが後期の雑誌会である。

プレゼン授業みたいに10分間という時間制限があるわけじゃないから論文の内容を全て説明しなきゃいけないしそもそもその論文に書かれていることは本当に正しいのか?などと疑い出した事であわやプレゼン作りが発表に間に合わなくなる所だった

 

アドバイス

研究室に入った最初の頃は自身の専門知識が乏しいために、”ゼミで何が議論されているか”全く把握できないと思う。

私自身、前期末までのゼミ理解度は10%に満たなかったし、私の同期もおそらく同じような状況だったかと思われる。

ただ、安心して欲しいのは、最初はみんなそんなものだし、先輩だって先生だって全くのゼロから勉強して知識を身につけたという事である。

ゼミの議論をスピードラーニングしていれば少しずつ用語に慣れてくるし、ほんの少し自主勉強すれば徐々にではあるが理解できるようになってくるので、これから研究室生活を送る皆さんは

  • 最初は理解できなくて当たり前
  • 時間が経てば少しずつ分かるようになる

こうした事をよく覚えておいてもらいたい。

【大学4年生】私が研究室生活一年目で得た5つの収穫

2021-03-16
かめ
何事も慣れが肝心です。最初からスタスタ歩ける赤ん坊などいないように、最初からスイスイ理解できる学生なんていないのですから。

 

登校頻度

登校頻度について説明する。

昨年度の初めはどこもかしこも「コーロナ、コロナコーロナ♪」の大合唱だった。

北大の方からも”なるべく学校に行かないように”とのお達しが来ていたので、我々学生は

  • 家でできることは家でやり
  • 大学に行かないとできない事(先生とのディスカッションや論文検索)は大学でやる

こうしたスタイルを採用していた。

私の場合、4~5月は週2回ぐらい登校し、プレゼン授業の出番が終わったあたりの6月初旬から週3回ぐらい大学に行って作業していた。

 

後期の平日は毎日登校した。

論文を読むのが急に面白くなっちゃって毎日論文を読んでいたし(週に2本ぐらいのペースだったかな?)、実験データのまとめや卒論製作に追われてかなり忙しかった。

たまに休日にも大学へ行って作業した。

休みの日は部屋にいる人間の数が少ないおかげで非常に集中できるし、何より同室の助教の方がおいしいみかんを下さって非常にありがたかった。

 

アドバイス

もしかしたら、貴方の入ろうとしている研究室にはコアタイム(研究室にいる必要のある時間)があるかもしれない。

私の研究室にもあるのだが、その事に対して(あ~、面倒くさいなぁ..)などとネガティブに考える必要はないのである。

なぜならば、コアタイムに研究室メンバー全員がいるというのは誰かにしたい相談をすぐに持ち込めるという事だしだらけがちな研究室生活にある程度の強制力が働くおかげで不登校になるリスクがかなり小さくなるのである

コアタイムのない研究室では完全に自己責任で研究ペースを作らねばならないので、私的にはコアタイムがあった方が研究が捗るのではないかなぁと考えている。

 

実験&卒論製作

卒論を完成させるため、前期と後期は死力を尽くして実験を行った。

私は手先がかなり不器用なので実験の上達にはすごく時間がかかったし北大ではなく外部機関に出張しなくては使えない機器を使っていたので(出張期間中にデータを集めなくては卒論を提出できないぞ…!)という強烈なプレッシャーとも戦っていた

「実験は失敗して当たり前」と色々な人がおっしゃっていたが、私のように限られた期間で結果を出さねばならない人間にしてみればそう悠長に構えていられないのだ。

3週間以上の長期出張に2回行かせてもらったが、共に最終週までまともなデータが一切出てこず、最後の最後でようやく(もしかしたら論文に使えるかな…?)という結果が出てきた感じであり、データを持って帰れそうだと分かった時は大きな達成感と安堵感に包まれたのをよく覚えている。

 

また、苦労して得られたデータを卒論にまとめるのだが、これがまた本当に難しかった。

私はこのブログ以外にも趣味でいくつかブログを作っているので文章を組み立てること自体にはハードルを感じないが、論文はブログではないので決まった形式で書かねばならず、話を脱線させることなく一つのストーリーに沿って展開せねばならないので、日々めちゃくちゃなブログを書きなぐっている私にはかなりの苦行・大仕事だった。

うんうん唸りながら卒論を完成させ、自分の文章をファイルに閉じて目の前に置いてみると、色々な事があった4年間の大学生活がフラッシュバックしてきて非常に感慨深かった。

修論を完成させた時にはもっと大きな達成感が得られるのではないだろうか。(本当に楽しみだ)

 

アドバイス

中には私のように出張先でしか実験ができない人がいるかもしれない。

そういった方のために私の例を挙げておくと、私が4週間の出張に飛ばされた場合、

  • 第一週:実験が全く上手く行かないので、どうやったら上手く行くか試行錯誤を繰り返す
  • 第二週:実験が上達してくるが、精度はまだ粗い
  • 第三週:実験のコツをつかむ&理論値と一致する実験値を持つデータが散発的に出現する
  • 第四週:論文に使える実験データが得られる&再現性を確保する

こうした流れで実験が進んでいった。

実験セルの作り方に工夫が必要ならば実験ノートにあらゆる可能性を書き出して一つずつしらみつぶしに当たっていったし、それでも上手く行かない場合があったため出張先でお世話になっている方にアドバイスを仰いでどうにか実験成功へと導いた。

出張実験で肝要なのは、自分を追い込み過ぎず(どうにかなるさ♪)と意図的に肩の力を抜いて日々を過ごす事であるため、知り合いの少ない環境での実験は大変だとは思うが、そこを何とか乗り越えて頂きたい。

 

帰省

私は実家が大好きなので、

  1. 夏休み(院試終了後):2週間
  2. 年末年始:10日間
  3. 春休み(卒論発表終了後):2週間

計3回帰省した。

長期休暇は空路でビュンとひとっ飛び、年末年始は青春18きっぷとフェリーを乗り継いで3日間かけて陸路で実家に帰った。

中にはずっと研究室に縛り付けられる研究室もあるらしいが、ウチの研究室はちゃんと帰省させてもらえたので安心である。

皆さんの地元土産を食べたいので、ボスとしてはむしろ帰省してもらわねば困るらしい。

 

学会発表

学部4年生にも関わらず、私は2回の学会発表のチャンスに恵まれた。

一度目の発表は1月末にあり、卒論発表用のスライドを使用して学会発表に臨んでいった。

二度目の発表は3月下旬にあり、これは別のスライドを用意して臨んだ。

どちらもオンラインでの実施だったため道外に出られなかったのは残念なのだが、人前で話すとめちゃくちゃ緊張してしまう私にとってはむしろオンラインで実施してくれて大変感謝している。

 

アドバイス

私は非常に面倒くさがりなので、初めての学会に臨む際、原稿を作らず、ぶっつけ本番で文章を組み立て乗り切ってやろうと考えていた。

しかし、本番では案の定緊張し、非常にたどたどしい日本語しか口から出てこず、その後の質疑応答においても悪い流れを引きずりとんでもない発表になってしまった。

学会発表(ゼミでの雑誌会や卒論発表も)に臨む際は、必ず原稿を作る事をオススメする。

原稿なしで発表できるのはよほどプレゼンに慣れている方だけなので、(私は絶対大丈夫だわっ♪)という強靭なメンタルの持ち主以外は原稿を入念に作成しておき発表の流れに論理的な齟齬がないかよく確認しておくと良いだろう。

 

最後に

以上が学部4年生の一年間の流れとアドバイスである。

少しでも参考になったらいいなと思い、この記事を終える事にする。

【研究室生活】これからラボに所属する理系大学生へ自身の経験から伝えたい事

2021-03-19

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馬術競技からマラソンに転向した北大工学院のM1|国体馬術競技優勝&8回入賞|10000m36’33”|マラソン2°47’50”|100kmレース10°19’17”|英検準一級|TOEIC785点|ラン歴5年|乗馬歴10年|英語の学術論文2報(電気化学)|月間2万PVのブログ運営中|コメントやご相談はTwitterのDMまでお願いします。