【アシックス】エボライド 詳細レビュー

2020年2月7日にアシックスからリリースされた新商品のエボライドについて

  • 他のシューズとの比較も交えた詳細なレビュー
  • 個人的に思ったこと

を書いていく。

なお

  1. 私の走力はフルマラソン2時間59分程度であること
  2. 私の足のサイズは26.5㎝の2Eであること

の2点を事前にお知らせしておく。この前提知識をもとに以下の記事を読み進めて頂きたい。


箱を開け、ちょっと触ってみた

ファーストインプレッション

箱を開けてシューズを見た瞬間

かめ
え?!めっちゃ分厚いやん!!

と思わず声を発した。

 

厚底シューズは初体験。

今までアディゼロジャパンのような薄いシューズばかり履いていたので、エボライドの見た目にはすごくインパクトがあった。

 

箱からシューズを出して持ち上げてみた。するとシューズのボリュームの割に軽く感じた

最近の厚底シューズは見た目の割に軽いというので有名だが、このシューズもその例に漏れず見た目と重量のギャップが非常に大きかった。

かめ
こんなに分厚いのにこれだけ軽くてホントにいいの?

こんな感じである。

 

エボライドは27㎝で255g(asicsの公式発表)。

私が購入したサイズは26.5㎝なので250g弱だ。

まじまじと見ても、250gあるシューズには到底思えなかった。

 

他のシューズの隣に並べてみた

自分が持っている他のシューズと分厚さを比較してみた。

まずはアディゼロ匠戦⇓

次いでアディゼロボストン⇓

ラストにGT-2000⇓

こうしてみると、匠戦と比較した時はすごく分厚いなと思ったが、ボストンやGTと比較してみれば大して厚さは変わらないことが分かった。

前足部のせり上がりからシューズのボリュームを感じていたのだが、思ったより厚底ではないことに気が付いた。

 

外見

シューズを観察してみた。

まずアッパー⇓

織が非常にきめ細かい

ものすごく通気性が高そうだし、フィット感もすごく期待できる。

二層構造だから耐久性も高そう。今流行りの”エンジニアードメッシュ”ってやつか。

つま先部分には内側から補強がされている。柔らかい補強材なので小指を痛めずに済みそうだ。

 

続いてシュータンとかかと⇓

シュータンが分厚い

足の甲周りのフィット感が気になるけど、果たしてどうだろうか?

 

かかとは細い

これなら走ってもカポカポしないだろうし、強いホールド感が期待できる。

 

ミッドソールはフライトフォームプロペル

ターサーエッジにも使われている高反発素材

メーカー曰く、ターサージールに使用されていたフライトフォームより反発力が大きいとのこと。

これは大いに期待したい!

 

そしてお次はアウトソール⇓

前足部(写真右側)はAHARという素材で、軽量かつクッション性に優れている

AHARはAHARでも、スポンジタイプのAHAR。

スポンジタイプはラバータイプのAHARより耐摩耗性が若干低い。

だが、ラバータイプよりはるかに大きな衝撃吸収能力を持っている。

スポンジタイプのAHARを使用しているシューズにヒートレーサー(ライトレーサーRSの後継機)がある。このシューズはライトレーサーTSのレース用みたいなシューズなのだが、AHARを使用しているためライトレーサーよりクッション性があるとの報告を受けている。

後足部(写真左側)はAHAR PLUSという素材で耐摩耗性に特化している。

この素材をかかと部分に使用することで、摩耗が激しいかかと部分のすり減りを大幅に低減できるものと見込まれる。

 

最後にせり上がりをアディゼロジャパンと比較⇓

全然違う…!

これなら重心移動だけで楽に走れるかも。

 

フィット感・歩いた印象

フィット感

かめ
あっ、やっぱりフィット感いい。かかとをガッチリホールドしてくれて心強いし、靴ひもを締めると足全体にフィットする。この感覚好きだなぁ…

これが正直な感想だ。

かかとのカポカポ感はないし、足の甲に変に当たるわけでもない

立った感じ土踏まずにも当たる感覚は全くないし、横幅は2Eでちょうど良い

試着もせずにネットで注文したが、いつも着用しているGT-2000やアディゼロジャパンと同様の26.5㎝・2Eで問題なかった。

歩いた印象

歩いてみると、ゴロン、ゴロン転がされているような感じを受けた。

重心を前に移した途端コロコロと体が前に運ばれていく。

かめ
なんだこりゃ!めっちゃ面白いっ!

今まで味わったことの無い感触だった。

これで走ったらどのような事になるのだろう?という期待を膨らませてくれる感覚だった。

 

外で走ってみた

早速外で2kmほど走ってみた。

ペースは7’00″/kmから3’30″/kmまで。

様々なペースで走り、どのペースでどのような感覚を受けるのかシューズと対話しながら確かめてきた。

前述したように、私の走力はギリギリサブスリーできるレベルである。1km3分で走るような超エリートランナーの感覚は私には分からない。以下の内容は”フルマラソンをキロ4分15秒で走るランナーによる一つの意見”として読み進めて頂きたい。

7’00″/km(ウォーミングアップ)

かめ
特に反発は感じない。転がる感じはあるが、スイスイ足が前に進むかと言ったらそのようなことはない。もう少しスピード上げてもええか?
エボライド
おう!

 

6’00″/km(ゆったりジョグ)

かめ
このペースでも特に反発はない。キロ7分の時よりかは転がる感じはあるけど、どうもまだこのシューズの快適ペースではないペースな気がする。そうやな、エボライド?
エボライド
せやな。オレの力はこんなもんじゃないで?もっとペース上げてみなはれ。
かめ
よし。

 

5’00″/km(Eペース)

かめ
あっ、気持ちよく走れるようになってきた!しかもめっちゃスイスイ足が出る!クッションも感じるし、反発も非常に素早い。勝手にスピードが上がるわけじゃないけど、スピードを出すのに必要なエネルギーが何だか少なく感じる!すんごい楽なんやけど!!
エボライド
もっとスピード出してみ?もっと気持ちようさせたるで!
かめ
よっしゃ!そしたらもっと気持ちようなったるで!!

 

4’30″/km(心地よいペース)

かめ
このペース超気持ちえぇわ!クッション性と反発力のバランスが抜群に整っとる!重心が勝手に前になるから超スムーズに足運び出来て…ホンマ最高やなエボライド!
エボライド
おおきになぁ。せやけどまだ本気出してないで。もうちょい速くしてみ?
かめ
まだ本気出してないんか?よし分かった。本気とやらを見せてもらおか!

 

4’00″/km(Tペース)

かめ
あ~、最高や…このペースが一番快感かもしれん。すごく反発を感じる。クッションも感じるけど、反発の邪魔をしない良い塩梅。
かめ
せや、今思ったんやけど、重心移動だけでも進むけどお前は蹴り出しでも進むなぁ。前足部がこれだけせり上がっとるから蹴っても意味ないんかと思うとったけど、案外蹴っても前に進むんやな
エボライド
おっ。ええトコ気が付いたな。オレはキロ4で快感なシューズやし、重心移動はもちろん蹴ってもグングン進むんやで。蹴り出しと重心移動の両輪で進む。そこが兄貴のメタライドとの違いやな。
かめ
ん?詳しく教えてくれるか?
エボライド
おう。メタライドは初心者用のシューズや。せやから重心移動だけで前に進めるような設計になっとる。グライドライドはサブ4レベルのシューズや。せやから重心移動と蹴り出し両方で進む設計になっとるねん。
エボライド
で、オレはもうちょい走力が上のランナーを対象にしとるシューズや。せやから蹴り出しメインのシューズ設計になっとる。重心移動でも進むんやが、重心移動は蹴り出しのオマケみたいに思うてくれたらええわ。いわば補助輪やな。補助輪。補助輪付きの方が走るの楽やろ?
かめ
なるほどな。めっちゃよう理解できたわ。お前シューズのくせにオレより説明上手やな。そしたらもうちょいスピード上げてみてええか?オレ、お前のレビュー記事書かなあかんねん。
エボライド
しゃーないなー…ええで。でもあんまりオススメせえへんで。

 

3’30″/km(Rペース)

かめ
このペースだと頑張って進んでいる感じがある。エボライドの特徴である重心移動は相変わらずスムーズなのだけど、反発をイマイチ感じないような気がする。それと、アッパーが分厚い分靴紐をきつく締められなかったから微妙に足がブレている気がする。さすがにこのペースやと限界なんか?
エボライド
ハー、ハー、ハー、ハー
かめ
…どしたんや?めっちゃ息上がっとるやん!!
エボライド
ちょっと、お前スピード出し過ぎやねん!オレはこんなに速いペースで走れるようにはなっとらんのや。ミッドソールのフライトフォームプロペルのおかげでスピードは出るんやけど、シューズが250gある分スピードが出にくくなっとるねん。ていうか、シューズにあえて重みを持たせ、重さと引き換えに高い安定性を持たせたのがこのシューズやねん。せやからキロ3分半みたいな超高速巡行にはオレは向いとらんのや
かめ
すまんことしたなぁ…
エボライド
ええでええで。分かってくれたらええんや。オレはキロ4分~5分で最高のライド感を提供するのがお仕事。キロ5分半でも6分でもええけど、速すぎても遅すぎてもアカンな。キロ4分~キロ5分が一番やで
エボライド
初心者さんには残念ながらオススメじゃないけど、サブ4レベルの中級者さんがレースに使ったりサブスリーレベルの上級者さんがジョグに使うにはもってこいやな。これを読者さんに分かりやすう伝えたってくれ。
かめ
おう!任せとけ!!



他のシューズとの感覚を比較

私が持っているシューズとエボライドを

  • 反発力
  • クッション性
  • どちらが楽に走れるか

という3点において比べてみた。

 

ライトレーサーTS

反発力

反発力はライトレーサーに分がある。

ライトレーサーのSpevaフォームはかなりの高反発で、出力に対する応答性が非常に俊敏。

反発力、及び反発の俊敏性(応答性)で言えばライトレーサーの方が優れていると言って間違いないだろう。

 

クッション性

クッション性は間違いなくエボライドの方が優れている。

ライトレーサーよりエボライドの方がミッドソールが5㎜以上分厚い。

それに加え、エボライドのミッドソール”フライトフォームプロペル”が反発性とクッション性を兼ね備えているためエボライドは非常に優れたクッション性がある。

ライトレーサーにクッション性がないわけではない。

だがエボライドを前にすればそのクッション性は霞むばかりである。

 

どちらが楽に走れるか

  • 速く走りたいならライトレーサー
  • 長く走りたいならエボライド

である。

ライトレーサーは薄底のため、遅いペースで走ると疲れてしまう。

だがスピードを出すに従い反発性の良さが出てきて、キロ4分を切るようなペースになれば薄底の良さである”応答性”が力を大いに発揮する。

もしキロ5分~4分で長時間走るのなら、私だったら足にダメージが少ないエボライドを選びたい。

ライトレーサーだと2時間が限界だが、エボライドなら5~6時間は行ける気がする。

 

アディゼロジャパン4

反発力

反発力はジャパン4の圧勝だ。

adidasのブーストフォームは超高反発素材。

足を置くように着地しても非常に強い力で反発を返してくれる超高機能素材である。これにはエボライドも敵わない。

 

クッション性

アディゼロジャパンの場合、キロ5分より遅いペースで走る時ブーストフォームはグニャっと沈み込む感じがある。

だが、キロ4分より速いとブーストフォームは硬いクッションに変わって素早く吸収&反発するようになる。

一方で、エボライドはキロ5分でもキロ4分でも沈み込みはしないが硬過ぎもしない心地よいクッション性をランナーに提供してくれる。

クッション性に変化はなく、常に沈まず硬すぎずなクッション性である。

どちらのクッション性も好きだが、遅めのペースならエボライド、速めのペースならアディゼロジャパンのクッション性が好きだなぁと思った。

 

どちらが楽に走れるか

  • 速く走りたいならアディゼロジャパン
  • 長く走りたいならエボライド

である。

もしこの2足のどちらかでサブスリーを目指すなら、私だったらアディゼロジャパンを選ぶだろう。

後半辛くなってきた時、アディゼロジャパンのブーストフォームに頼れる保険がある心強さは非常に大きい。

なのでサブスリーするならアディゼロジャパンがいいと私は思った。

 

とはいえ、エボライドでも十分サブスリーできると思う。

クッション性がある分足へのダメージが少ないし、前足部がせりあがっているゆえ重心移動で楽にレースを展開できる。

サブスリーペースなら余裕でこなせる反発力があるし、レースラストの粘りに応えてくれる応答性も兼ね備えている。

どちらのシューズでもサブスリーは可能。

ただ、アディゼロジャパンの方が若干有利じゃないかな?と私は考えている。

 

アディゼロボストン8

反発力

互角である。

エボライドもボストンも一番反発を感じるのはキロ4分~5分。

そのペースで走っている時感じる反発は完全に互角である。

キロ4分を切るスピードだと若干ボストンが優勢かな?とも思うが、それは微々たる差なので互角と言い切って差し支えないだろう。

 

クッション性

クッション性も互角である。

ボストンにはブースト素材が使われている。

そのため本来ならば柔らかいはずなのだが、ミッドソールに挟まれているEVAやアウトソールのコンチネンタルラバーが硬いため、それらが相殺し合ってカチッとした着地感となっている。

その着地感はエボライドと非常によく似ており、両方とも沈まず硬すぎずなクッション性である。

 

どちらが楽に走れるか

  • 速く走りたいなら互角
  • 長く走りたいならエボライド

である。

ブーストフォームは非常に高反発な素材であるが、ボストンはアウトソールとミッドソールの影響で幾分カチッとした着地感。

なので長時間走ると疲労を感じてしまうのである。

フルマラソン程度なら互角。

それよりも長い距離を走るのなら絶対エボライドがオススメだ。

 

まとめ

・エボライドは250g(27㎝)程度の軽量シューズ。蹴り出しに加え重心移動でも前に進める新感覚なランニングアイテムである。

フィット感は非常に高い。足に追従してどこまでも寄り添ってくれる。

反発に全くクセがない。ズームフライの機械的な反発が苦手な方も、このシューズなら楽しく走れる。私自身ズームフライが合わなかったのだが、エボライドの反発はすごく心地よかった

最も快適なのはキロ5分~キロ4分。上級者のジョグ用や中級者のレース用にはもってこいである。

サブスリーも十分射程に入る耐久性が高いので練習でもしっかり履いて本番を迎えることができる。

100kmマラソンでも使用したい一足。素晴らしいホールド感、柔らかすぎないミッドソール、軽量な上に楽に進める。まさに、ウルトラ向きなアイテムである。サブ10はもちろん、サブ9、8も十分できると思う。

・これほどスペックが高いのに、お値段一足11,000円という安さ。最近のシューズはどんどん高級化していく中、これは手軽に試せる一足だ。ランナーのお財布に優しい商品と言えるだろう。

 

以上です。

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