サブスリーは未来への滑走路だ

父との会話

私がランニングを始めた大学1年生当時、ランナーである父に目標を聞かれた。

お前はどのぐらいのタイム目指しとるんや?

ランニングを始めた当初はそれほどランニングに打ち込む予定ではなかったので、サブ3.5できれば十分だという趣旨の事を答えた。

ランニングが本業ではないし、北大では勉強を頑張ろうと思っていたので、マラソンは趣味程度で楽しめたらいいなと思っていたからだ。

 

だが、そこで父は言った。

お前みたいな若いヤツがサブ3.5目指しとってどうすんねん。サブスリー目指せ。どうせやるなら徹底的にやれ。

サブスリーという言葉すら知らなかったのでスマホで調べた。

すると、サブスリーとはフルマラソンを3時間以内で走ることだ、という事が分かった。

 

そんなのできる訳がないと思った。

運動音痴の私が42kmを3時間以内で走る?

何言ってんだ?

考えられない。

絶対無理だ。

言葉には出さなかったが、そう思った。

 

私の考えを見透かしたかのように、父は続けて言った。

年をとるにつれ、体を鍛えていない奴はどんどんだらしのない体つきになってくる。だから体を鍛えることだけは怠るなよ。体を鍛えるついでにサブスリーもしてしまえ。これは父からの命令である

確かにそうだ。

体を鍛えている人とそうではない人とでは、男女問わず目の輝きが全く違う。

スポーツマンからはピンと伸びた姿勢から放たれるオーラが感じられるし、筋肉マンからは鍛え上げられた肉体に圧倒的存在感を感じる。

それに比べて今の自分はどうだ?

デブではないものの全く筋肉がなく、上腕二頭筋はその存在すら疑われるレベル。

体力もないし、オーラはない。

頭は悪いし、社交性も大してない。

かといってイケメンではないし、際立って何かすごいことができる訳でもない。

大学1年生の5~6月の自分はそんな状態だった。

 

何のとりえもないまま社会に出るとどうなるか、想像してみた。

そして、その未来が全く輝かしくないことは私のポンコツ頭にもすぐ分かった。

就職できればいいけど、仮に就職できたとして、会社では自分の社交性のなさのせいで仕事でミスばかりして、部下にはなめられ上司には叱られてばかりで…全く希望が見えなかった。

 

まずい。

このままじゃ「中学・高校時代が人生のピークでした」などという面白くもなんともない人生になってしまう。

国体優勝という中学・高校時代の過去の栄光にしがみつき、人間的魅力のかけらもない人間になってしまう。どうしよう…

 

そうだ、今始めたランニングに打ち込めばいいじゃないか!

ランニングを徹底的にやり込んでめちゃくちゃ速くなって、速くなる過程において人間社会を渡り歩いていくうえで重要な忍耐力・計画立案能力・実行力など様々な力をつけていけばいいんじゃないか?

マラソン大会に参加すれば知り合いもできるというし、社交性も磨かれるじゃないか!

一石何鳥やねんこれ?!

 

こうして私は、大学生活4年間をマラソンに費やす決意をした。

何もない自分に武器を与えるため。

過去の自分よりかっこいい自分になるため。

そして、輝かしい未来を作るため。

 

徹底した自己管理

強い決意のもと、大学1,2,3年生をやってきた。

体に悪いお酒を飲まねばならない飲み会は可愛い女子が来る時を除いて90%以上出席しなかったし、ジャンクフードも月に1回食べるか食べないかであった。

ほぼ毎朝筋トレかランニングを行い、雪の日でも大雨の日でも自分で決めたトレーニング計画を実行した。

毎夕体重計に乗り、絶対に体重が60㎏をオーバーしないような自己管理を行った。

 

もちろん、今日までの日々は大変苦しかったし、この部活的ストイック生活を辞めたいと何度も思った。

大学の昼休みにおやつをボリボリ食べている同級生がうらやましくもあった。

(不健康だけどめちゃくちゃおいしいものを大量に食べてしまいたい!)という衝動に何度も駆られたことがある。

だが、私はこれらの弱い自分に1度も負けなかった。

それは”マラソンを徹底的にやり込むことを通じて新しい自分に出会いたい”という思いが何にも増して強かったからである。

 

マラソンを第一優先にして考えれば取るべき行動は必然的に決まる。

おいしいけど体に悪いものは決して食べてはならないし、まずいけど体に良いものは食べなくてはならない。

日々のパフォーマンスを考えると毎日の自己管理を徹底するのは当たり前のこと。

やると決めたトレーニングを休むなど論外であった。

その結果が昨年11月の初フルマラソン3時間10分完走だし、昨年12月の沖縄100Kウルトラマラソン10時間19分完走である。

ここまでの過程は並大抵の努力ではクリアできなかったであろうし、ここまで努力できた自分を誇らしく思う。

また、12月のウルトラマラソンではタイム的にも頑張ったなと思うが、それ以上に、レース中に積極的に他のランナーと会話することで結果を追い求める以外の楽しみを見出せられたのが大きな経験となった。

マラソン大会の楽しみ方は多種多様なのだなと知り、私は世界の広さを肌で感じてきた。

 

サブスリーは、未来への滑走路だ

並大抵の努力では達成できない”100kmマラソンランナー”という名誉を手に入れた時、何もなかった自分に”自信”という大きな武器を与えることができた。

この名誉は間違いなく自分の手で獲得したものだし、この武器の使い方を誤らなければ社会で何とかやっていけるのではないかとも思っている。

だがしかし、これではまだ不十分なのである。

私はまだ、父が口にした”サブスリー”という目標を越えていないし、したがって自分的にはまだ何も得ていないも同然なのである。

父が口にした”サブスリー”という目標は私が最低限越えなければならない目標であり、最低限の目標を突破したら次はもっと高みを目指して突っ走らねばならないものだと私は考えている。

世界記録などはまず出せそうもないが、今後3年以内にフルマラソン2時間40分、100km7時間半は必ず切ってやろうと思っている。

サブスリーは、私の次なる高みへの滑走路である。

この滑走路を離陸しなければ私は次なる目標へと羽ばたくことができない。

ゆえに、さっさと離陸してしまわねばならないのである。

 

明日はその”離陸”が懸かった重要な決戦を控えている。

決戦の地は山梨県富士河口湖町。

富士山の山麓である。

私が未来へと離陸するにふさわしい場所、最高の場所である。

天候はどうやら良くなりそうだ。

雨は微量。

昼にかけて晴れ間が見えてくるらしい。

すてきじゃないか。

 

明日、私は人生史上初めてフルマラソンを2時間台で完走する。

ここに宣言する。

オレは絶対、サブスリーしてみせる。

 

ゼッケン番号は380番。

さ(3)あ(8)いこー(0)である。

ランナーズアップデートで私の5kmおきのラップタイムが確認できるそうなので、もし時間が余っている方がいれば私の通過ラップを見てその場で無言のエールを送ってほしい。

それが私のサブスリーを大いに後押ししてくれることと思う。

かめ
サブスリーへいざ行かん!!!

【サブスリー達成】富士山マラソン2019 体験記

2019-11-26

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馬術競技からマラソンに転向した北大工学院のM1|国体馬術競技優勝&8回入賞|10000m36’33”|マラソン2°47’50”|100kmレース10°19’17”|英検準一級|TOEIC785点|ラン歴5年|乗馬歴10年|英語の学術論文2報(電気化学)|月間2万PVのブログ運営中|コメントやご相談はTwitterのDMまでお願いします。